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第39回グランプリ(賞金王決定戦)回顧録
今年もTwitter(現X)で賞金王の回顧録を書くと言ったので書きます。決定戦メンバーは1号艇毒島誠(群馬)、2号艇桐生順平(埼玉)、3号艇茅原悠紀(岡山)、4号艇馬場貴也(滋賀)、5号艇池田浩二(愛知)、6号艇関浩哉(群馬)となりました。
ただ今年に関しては後述しますが近年の賞金王ではここ10年で一番密度が薄い賞金王だった個人的には感じました。
1.シリーズ戦優勝戦回顧
今年もシリーズ戦の優勝戦のレース回顧から優勝戦メンバーは内から前田将太(福岡)、山口剛(広島)、佐藤翼(埼玉)、斉藤仁(東京)、西山貴浩(福岡)、坪井康晴(静岡)となりました。
レース自体は進入も乱れることなく枠なり3対3でトップスタートを決めた前田将太がインからしっかり逃げてSG初優勝。2着に2コースから差した山口剛、3着に道中競り合いを制した西山貴浩となりました。
勝因はスタートをしっかり決めてSG優勝戦初の1号艇ながら完璧な旋回を決めたことでしょうか、先月に尼崎の記念の準優勝戦で.10のFをしたこともある中で遅れること無くスタートも決めたのは褒めるべきだと思いました。
前田自体は来年地元若松のクラシックの権利を取れた事が何よりも大きいし、来年は若松でSG2回(クラシックとメモリアル)、福岡でチャレカと福岡勢にとっては地元SG3大会ということで来年はそこの優勝を目指して更に賞金王の18人といった所でしょうか。
前田自体は記念優勝のチャンスは幾度とありながら13年若松周年で吉田弘文(引退)に先頭を走りながら舳先を突かれて事故で優勝を逃したりと不運が多く21年に地元の福岡周年でG1初優勝と遅咲きの選手でした。
2着の山口は今年は大村のオーシャンカップで1号艇で敗れその後Fでチャレカ不出場で19位となりシリーズ回り、シリーズ戦では実力上位で来年こそはの気持ちが強いと思います。
3着の西山、4着の佐藤は後述、5着の斉藤仁は今年久しぶりにSG優出とここ数年元気がなかっただけに健在をアピールしました。
6着の坪井はチャレンジカップに続いてのSG連続優出と弟子の河合のSG優勝に発奮したか復調気配で来年は楽しみがありそうです。
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2.トライアル1st敗退組の短評
ここからはトライアル敗退組の短評です。宮地元輝、西山貴浩、河合佑樹、瓜生正義、佐藤翼、松井繁の6名です。
まずは宮地から。今年はオールスター、グラチャンでSG連続優出と気を吐き尼崎のダイヤモンドカップでは強力モーターを相棒に1周2マーク鋭角差しを決めて逆転優勝とここ2年で自力をかなりつけてきましたが、今節は低調エンジンに泣かされた印象でした。思い切った攻めのレースと3コースからぶん回しからのまくり差しが特徴ですが佐賀の選手らしくベテランの域に入る頃には上瀧みたいな前付を多用するタイプになるんじゃないかと思います。来年はシリーズ以外のSGを取りたいですね。
西山は3月に唐津のダイヤモンドカップ、10月に若松周年を制して3年ぶりに18人入り。こちらも低調モーターを整備しながらも敗退。シリーズで優出し3着となりました。来年は若松、福岡で3つSGが行われるのでSG初優勝のチャンス自体は広がったと思います。ポンコツ会と色んな支部の選手を仲間に引き入れているように支部にとらわれず人脈を増やして技術などを吸収しようとする貪欲さはいいと思いますが一昔前でいう所の倉谷とかみたいなしぶといいぶし銀みたいな位置にいるので現状ではSGを取るなら地元開催でエンジンと番組に恵まれて優勝戦で進入が乱れないという条件がつくと思うので更に上を目指すなら何か突出したものは欲しい気はします。
河合は下関のチャレンジカップでSG初優勝、勢いに乗り鳴門の周年もエースモーターを駆り優勝と勢いに乗り乗り込んできましたが見せ場なく敗退、シリーズも準優勝戦で敗れました。2015年にF3をやったりと遠回りしてきた選手ですがSG優勝以降は鳴門周年で強烈な差しを決めたり自力もアップしてきてる印象です。来年は本当の意味でトップレベルに定着できるか勝負の年です。
瓜生は今年住之江周年と福岡周年を制して賞金王登場も外枠では出番がなくシリーズ回り、シリーズの4日目にFを切り地元若松のクラシックの権利も失いました。エンジンが良かっただけにもったいないなと思いましたが今年は優勝から約2年以上遠ざかっていた中で久しぶりにG1優勝を飾るなど復調気配だっただけに残念なFでしたがまだまだやれる事を証明しました。
佐藤翼は今年地元戸田のダービーで準優勝、その後下関のチャレカで優出で初の賞金王18名入りしましたがトライアルではコースが遠く見せ場なく敗れ去るもシリーズ戦でSG3連続優出と今年飛躍した選手の一人と言えるでしょう。来年は地元戸田でグラチャンが開催されるのでSG初優勝の期待が膨らむ1年になりますが、センターからスタート張り込んで攻めるタイプの選手なので不要なスタート事故も多いのでそういったのをしないのも課題でしょうか。
松井は今年4年ぶりに賞金王18名に返り咲きましたが、トライアル2戦目で2着争いの中で2マーク転覆で不良航法のおまけ付きで無念の帰郷となりました。今年は津の周年を制するなど55歳ながらまだまだ戦える事を見せました。今村や今垣がなし得なかったSG最年長優勝を見てみたい気もしますがこの年齢でも戦えてるのは20代の早い時期からSGで戦い抜いてきた経験値が大きいと思います。松井が引退する時が競艇の一つの時代の終わりな気がしますし競艇選手が減ってきてるのでもう少し頑張ってほしいですね、昔は嫌いでしたが。
3.トライアル2nd敗退組の短評
こちらはトライアル2nd敗退組の短評です。定松勇樹、土屋智則、上條暢嵩、平本真之、菊地孝平、峰竜太です。峰が最後なのは多少言いたい事があるからです、
まず定松、新鋭世代ながら多摩川のオールスター(笹川賞)でSG初優出でインから逃げてSG初優勝でトライアルもしぶとく勝ち上がり2ndでは2戦目でインから逃げるも最終戦は茅原に離れで出られてコースを取られて見せ場なく着位差で次点に泣きました。ただ順位決定戦でもしっかり逃げてみせて前日に流した悔し涙を力に変えました。来年は記念に定着して浮き沈みもあるとは思いますが今回の経験は間違いなく大きな財産になると思いますし数年後には佐賀のエース格になってるかもしれませんね。
土屋は今年尼崎のグラチャンを制して2年連続で賞金王出場、1stステージも順当に勝ち上がり2ndでも中間着をまとめて最終戦1号艇を手にするも茅原悠紀との競り合いに敗れ順位決定戦回りに。ただ最終戦の2マークで見せた全速戦は一世一代のターンだったと思います。進入を荒らすなら土屋だと思っていたので枠番抽選で内側ばかり引いてたのも今回のトライアルの面白みが足りなかった要因の一つだと思います。
上條は今年下関の周年を制して18番目で賞金王出場、1stステージでは外枠ながら2着を手にしてギリギリ勝ち上がり2ndでは抽選運に泣かされた感はありますがエンジン的にも上と差があったなという印象で住之江と今のモーターも相まって何も出来ないまま終わってしまいました。昨年の賞金王石野貴之が手術で長期離脱している今、大阪支部の中堅どころを引っ張る存在にならないといけないのは上條や西村拓也とかだと思うので来年はSG初優勝を目指して地元で賞金王を制する事が目標になりそうです。
平本は昨年決定戦で転覆と悔しい思いをしましたが、今年はSG準優勝2回で賞金王の舞台へ駒を進めましたがピット離れに尽く失敗して機力差も相まって見せ場なく敗れました。丸亀のメモリアル(MB記念)の優勝戦1号艇で敗れるなど今年は優勝がなくここ一番の勝負弱さやSG優出以外はあまり目立った活躍はなく磯部同様来年は巻き返しの年だと思います。
菊地は今年は4月に児島周年、鳴門のマスターズ(名人戦)で優勝、SGもオーシャンカップで優出と9年連続で賞金王出場そして今年こそはの思いが強く1stステージもトップ通過で望んだトライアル2nd初戦でまさかのフライング。これにより来年のSGは全て選出除外となり一般戦回りが余儀なくされました。Fした後はただ参加するだけで順位決定戦でも3着を走りながら2周2マークでB級みたいなレースをして抜かれるなど精彩を欠いたまま終わりました。来年は一般戦回りになりますがどこまでモチベーションを保てるのか気になる所ですが優勝回数を重ねて再来年の蒲郡のクラシック(総理大臣杯)出場が目標になるでしょうが賞金王でFした山崎智也(引退)も出れない年にパン戦と終盤しか記念走れない中で記念優勝して翌年戸田の総理杯優出してダービーで優勝してたので菊地もそういう意地を見せてほしいですね。
最後に峰、今年は1月に浜名湖周年、2月の芦屋地区選で優勝。戸田のダービーで優勝戦1号艇で敗れながらもSGの選抜戦1号艇で稼いだアドバンテージとG1戦の優勝戦着拾いの賞金でセカンドから登場。今回は複勝率No.1モーターを引き当てながらも、いつも通り整備ガチャを敢行し6回も整備したと言ってましたが毒島などとは足の差があったようにも思いますし展示とかでもターンで横に滑っていくような感じでバタつきが見られており本人が言うほどエンジンがいいわけではないのだろうなと思いました。その結果通り抽選で2戦目で6枠を引き大敗し3戦目を待たずに敗退が確定し最終戦でも毒島との競り合いにも敗れ去り2ndステージから出場した選手で唯一の敗退となりました。
今年の峰は例年以上に本体整備を行う回数が多く、まるでソシャゲのガチャを引く感覚で部品を変えまくりモーターパワーを引き上げそのおかげかレースミスをしてもモーターがカバーしてくれるかのような着取りで安定した勝率を稼げてましたがお得意の整備ガチャが出来ず機力不足に泣いた下関チャレンジカップでは大敗続きで景気の良いコメントは聞かれなくなってました。トライアル敗退後弟子の定松と一緒に泣いていたようですが弟子が泣いて一緒に泣いていたと美談扱いされてましたが、個人的には美談どころか泣くなら宿舎で泣くか人がいない場所で泣けとしか思いません。
ただ今回の賞金王で2nd組はどいつもこいつも決定戦に残って勝つ!みたいな気概が強いのですが峰は特にその気概が強く感じましたし6枠で前付けに行って入れてくれなくても100覚悟でレースしてたし毒島と競り合いに敗れたとはいえ意地は見せようとしてた気はします。
ただ元々幅取りやモーター魔改造や展開を付くのが上手い選手なだけにスピードも徐々に落ちてきてもある程度のレベルは維持できるのではと見てます。
4.決定戦レース回顧
ここからはグランプリの優勝戦賞金王決定戦の回顧です。レース予想に付いてはもう書きません。毒島が1枠の時点で毒島で仕方ないだろってなってたので。
レース自体は全体的に遅いスタートで毒島が1マークやや寄り気味でターンした為ハンドルを切り直すような感じになり桐生の差しが入ったかに見えましたがバックストレッチで回ってから突き放した毒島がそのままセーフティーリードを広げて賞金王初制覇。2着に桐生が入り、3着争いを茅原と関が繰り広げ3周1マークで茅原が関を捌いて3着となりました。
勝因に関して言えば今回には関しては毒島のモーター勝ちです、このモーターは11月の高松宮記念で茅原が引いて新ペラになりドリーム戦2着以外オール1着で準パーフェクト優勝を果たしたモーターでその時は凄まじい仕上がりだったのですがその時と負けず劣らずの足で毒島のミスを補うレベルの足だったからか桐生も差し及ばずとなりました。桐生はあと一足あれば毒島に舳先かかったかもしれないのでモーター差が勝敗を分けたレースだったとは思います。
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5.2着以下の選手の短評
まずは池田から。今年は総理杯、グラチャン、MB記念、チャレカとSG4優出と名人戦世代ながら安定した走りを披露。トライアルも2ndから登場し抽選も4枠、5枠といつもの池田にしては悪いながらエースモーターを相棒に大崩れなく最終戦は桐生順平を追い詰める外マイで2着を確保し決定戦へ。しかし決定戦では住之江というのも相まってスタートが揃っては内側以外は出番なしで1マーク見せ場なく終わりましたが名人戦世代ではトップクラスの選手で来年はゴールデンレーサーではありませんが実質ゴールデンレーサーなのでまだ手にしていないオーシャンカップとチャレンジカップでグランドスラム達成を目標に走り続けることになります。
次は馬場。今年はメモリアル(MB記念)を制して住之江周年なども勝って堂々の賞金トップで賞金王へ。3度目の正直と言わんばかりに初戦を逃げ2戦目では上條から2マークで見せた超絶ターンで2着を奪い最終戦も3着キープで決定戦1号艇かと思われた中で2マーク痛恨のキャビテーションで5着となり決定戦は4号艇。ツキが逃げたのか決定戦でも4コースから見せ場なく敗れ勝った毒島とは明暗が分かれました。普段のレースならそういう失敗はしないのかもしれないのでしょうが住之江の水面と賞金王という舞台特有のプレッシャーだったのでしょう。
実力はNo.1に近い位置まで来ましたが真の頂点に立つなら短期決戦で何が何でも決定戦に勝ち上がるという泥臭さ、そして全てを失っても構わないスタートを行く度胸、嫌われようが80起こし上等みたいな進入をやるこのレースだけは絶対に妥協はしないという覚悟、そういうものが馬場には欠けてるようにも感じるんですよね。全体的に淡白な印象が否めないしいつまでもターンで勝負みたいなレースでは勝てなくなるし馬場は頂点に立つのなら何が何でも絶対に勝つみたいな力でねじ伏せるレースを見せないと決定戦勝てる絵は多分枠抽選全部1枠、節一モーター、決定戦は緩々3対3の枠なりで.15くらいのスタートで揃って先マイしかないでしょうね。
関は今年1月に大村のG1優勝、9月で桐生のヤングダービー優勝。ダービーでも優出と昨年シリーズ優勝戦1枠敗退の悔しさをバネに飛躍してトライアル1stから唯一の勝ち上がりで決定戦に駒を進めました。抽選で2回1枠引けたのとエンジンが2nd組相手でも引けを取らない仕上がりもあり着位差で定松の上回り決定戦へ進み大外から道中茅原と競り合いを演じ最終的には競り負けましたが今年大躍進を遂げました。
来年はSG初優勝も視野に入ると思いますし、今回の事が間違いなく大きな自信になるでしょう。
茅原は昨年に続き決定戦進出。今年は前半戦は低迷しながらも大村のオーシャンカップで約10年ぶりにSG優勝、その後はF2になるも住之江の高松宮記念で優勝とF2を感じさせない走りで昨年の安定感がフロックではないことを証明しました。今回はトライアル最終戦で6枠を引くもピット離れで4コースを奪い4コースから鋭い差しを決めて土屋智則との競り合いに勝利して決定戦進出を決めましたが決定戦では3コースからスタートが揃った分外マイで毒島を脅かすことが出来なかったものの関との競り合いに勝利し3着を手にしました。今年の賞金王を盛り上げた一人だったと思うし今回の賞金王で数少ない何が何でも勝つという気概を感じる一人でしたしF休みの中でスタート遅れることもなくレースしてたのも凄かったですね。
来年は2度目の賞金王制覇が目標でしょうし、ここ数年の充実具合ならSG優勝の数を増やすのも夢ではないでしょうがタイプ的には今垣光太郎や白井英治とかに近い攻めるタイプ特有の事故の多さもつきまとう選手なのでそういうのを減らせれば5年はトップクラスで固定される選手でしょう。
桐生は4月の児島周年に準優勝戦FでG1除外、パン戦でもFや1枠飛びが目立ちながらも戸田のダービーで優勝戦で諦めずに整備をし3コースから一世一代のツケマイで峰を沈めて嬉しい地元SG優勝を飾り賞金王へ。最終戦で抽選で1枠を引いて逃げて決定戦へ。決定戦では2コースから差しが入ったかに思われましたが毒島とのエンジン差かあと一歩届かず悔しい準優勝に終わりました。
来年は地元の戸田でグラチャンもあるし記念も2月の戸田の地区選から復帰で今年は戸田のビッグレースを全て制しているだけに名実ともに戸田天皇どころか戸田の絶対神といえるくらい戸田では無類の強さを発揮しており来年も安定した活躍が期待されます。
6.勝者
最後に毒島です。今年は戸田のクラシック(総理大臣杯)で風速10mの中2コース差しで優勝し早々に賞金王出場を決めて戸田のダービーでも優出と得意の戸田開催のSGも2回あったのも相まって久しぶりのSG優勝を引っさげ茅原が高松宮記念で優勝した32号機を引き当ててトライアル初戦を楽々と逃げ2戦目で5枠を引くも平本が離れを失敗し4コースを手にして2着、ただ最終戦は苦手の2枠を引き当てるなど決して楽な道ではなかったと思います。馬場との明暗を分けたのはエンジンもでしょうがレースぶりが今回がラストチャンスと言わんばかりの走りで最終戦の2枠で2コースから差し損ね4着くらいまで落ちていたのが道中峰と競り合いエンジンの差もあったのでしょうが何が何でも決定戦を勝つという気迫を感じる走りで3着をもぎ取りました。
決定戦では1号艇でしっかりスタートを決めるも1マークやや寄り気味でハンドルを切り直すようなターンで桐生の差しを許しましたがバックストレッチで突き放してミスを補うほどのモーターの仕上がりで見事7回目の決定戦挑戦で悲願達成となりました。
毒島自体はここ数年は賞金王には出場するもののトライアルの1stステージで敗れてシリーズ戦の優勝戦や準優勝戦で敗れるなど精細を欠いており、今年も総理杯は制し笹川賞は優出、G2のモーターボート甲子園は制しながらもMB記念では匙を投げたくなるようなモーターに大苦戦など歩み自体は順調ではありませんでした。
今回の優勝でグランドスラムに王手となり、そのオールスター(笹川賞)は来年得意の丸亀ですし後は笹川賞、グラチャンを制すれば本当の意味でのグランドスラム達成となるので来年はこの2つが得意な場での開催なので真の意味で歴史に名を刻むことになるかもしれません。
一昨年が25年前にインで敗れた今村豊(97年の賞金王決定戦で6枠でインを奪い敗れた)の弟子の白井英治でしたが今年は25年前にインで敗れた江口晃生(99年の賞金王決定戦で1号艇だった)の弟子の毒島誠(選手になるきっかけ自体は柴田光から君選手向いてるから選手になりなよって言われたことらしいが)と師匠の無念を弟子が晴らすというケースの賞金王覇者の誕生となりました。
7.最後に
今年は毒島誠の悲願のグランプリ優勝で幕を閉じましたが、定松のSG優勝や関などの若い選手が台頭してきて本格的に世代交代が進んできた感じはします。
最初に書いたように賞金王は道中の着順の入れ替わりの激しさも然ることながら進入から凄まじい争いが見られるほど普段のSGとは違うのですが今年はコースを動きそうな奴が早々に敗退や内枠やらFなどで進入自体には離れが遅れるとか離れで飛び出す以外では乱れもなく道中もいつもに比べると激しさがあまりない(1stステージの松井対定松、2ndの最終戦の茅原対土屋と毒島と峰の3着競り)近年稀に見るなんというか面白みに欠いた賞金王だったと思いますし競艇自体が衰退してきて本格的にボートレースになってきたのかなと思いました。
賞金王だけは数少ない競艇が見れるレースだっただけに個人的には一抹の寂しさを感じるし、レース後の馬場とかのコメントとかも負けた奴のコメントとしては優等生っぽいですし表彰式で毒島が茅原とかと抱き合ったりしていて金を賭ける博打なのになんでこいつらは仲良しクラブみたいなことしてんだろうっていう冷めた感情が自分を支配してました。
今のモーターはモーター差も激しく、悪ければすぐセット交換みたいな風潮があり(尼崎のグラチャンでは1/3がセット交換が行われて、モーター相場が激変し大村や戸田や下関のSGではセット交換は行われなかった。特に峰竜太はそれなりのモーターだろうが整備するので全盛期の西島や今垣以上に整備してる印象がある。)エンジン自体が伸びないしスタート事故の罰則が厳しくなりすぎて優勝戦で一か八かで勝負するやつもいなくなり大口で賭ける側からしたらありがたいのでしょうが競艇という博打が持っていたコース争いによる乱れなどの不確定要素や展開の想定を何十パターンも想定して予想するイメージトレーニング的な予想要素はかなり薄れてしまった気もしますしファン自体も選手をアイドルみたいに勘違いしている節があるように見えて推し活(この言葉は私は大嫌いですが)をしている自分に酔っているようにも思いました。
あと今の選手というか特に若手なんかは顕著なんですが、なんというかトータルでこじんまりしててどこかみんな似たようなタイプの選手ばかりだなってきてるのも魅力が失われつつあるようにも思いますね。
こういう感じ方は時代遅れと言われたらまぁそうなんでしょうけど、多分90年代後半から競艇見てたんでやっぱりそういう時代の熱に絆されたままだから今を物足りなく感じてるんだろうなって思います。
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