ユナイテッド対スパーズの試合を見た感想
はじめまして、カンナビスと申します。
なんとなく備忘録的なモノを作ろうと思い、テスト的な投稿も兼ねてと思ったんですけど競艇の今村豊が引退したのでそれについて書いたのを先に公開してしまったので今回は20-21プレミアリーグ第4節のマンチェスター・ユナイテッド対トッテナム・ホットスパーの試合の感想文でも書こうと思います。お付き合いいただければ幸いです。
試合結果は1-6でアウェーのスパーズの勝利で終わります。
スターティングメンバー
メンバーはユナイテッドがGKデ・ヘア、最終ラインが右からワンビサカ、バイリー、マグワイア、ルーク・ショー、ダブルボランチにポグバとマティッチ、2列目右からグリーンウッド、ブルーノ・フェルナンデス、ラッシュフォード、1トップがマルシャルの4-2-3-1。
CBがリンデロフからバイリーに変わった以外は前節のブライトン戦と同じメンバーです。
対してスパーズはGKロリス、最終ライン右からオーリエ、D・サンチェス、ダイアー、レギロン、中盤3枚はアンカーにホイビュア、右シソコ、左エンドンベレ、3トップが右WGラメラ、CFケイン、左WGソン・フンミンの4-3-3。
こちらは前節ニューカッスル戦の4-2-3-1から4-3-3に、右SBのドハティー、左SBのベン・デイビスがオーリエとレギロンに変わり共にリーグ戦初先発、ダブルボランチの一角ウィンクス、トップ下起用のロチェルソをシソコとエンドンベレ、ELプレーオフで先発した右サイドのルーカス・モウラからラメラ先発とリーグカップ、ELプレーオフと過密日程からか前節から5人変更となり、前節負傷交代で出場が危ぶまれたソン・フンミンは間に合いましたが、ELプレーオフ先発のロチェルソとベルフワインはベンチ外。
試合内容
前半はユナイテッドがPKで先制するも、スパーズがすぐに追いつき、更に逆転、その後はユナイテッドがグリーンウッドがシュートを放つも正面、スパーズも負けじと攻勢で度々決定機を生み出す。
28分ゴール前のポジション取りの小競り合いでマルシャルがラメラの顔をはたき、報復行為と見なされ退場。
その直後最終ラインのビルドアップのミスを付かれてスパーズがリードを広げ、更にスパーズがダメ押しの4点目で前半終了。
後半早々にオーリエが決めてスパーズが追い打ちをかけ、トドメはケインのPK、ユナイテッドがオールド・トラッフォードで6点取られて負けたのはマンチーニのシティ相手のマンチェスターダービー以来だそうです。
スパーズ側で見ていて思った事
・PKの所はスローインのボールをフェルナンデスが受けてマルシャルとフェルナンデスのワンツーでホイビュアが股を抜かれてマルシャルが抜けた時点でスパーズ側からしたら詰んでた。(マイナスにブルーノ・フェルナンデスがいてそこに出されたらどのみち1点)
・普段はビルドアップの際に左SBのベン・デイビスが最終ラインの組み立てに参加して右SBのドハティー(昨シーズンならオーリエ)が高い位置を取り、攻撃も両WGが中へ絞り右サイドからのクロスが多かったがこの試合は組み立ての際にはホイビュアが最終ラインまで降りてきて両SBが割と高い位置を取り、CFのケインが降りてきてボールを受けてと以前に比べたら自由に動いておりその動きを相手が捕らえきれていなかった。
・モウリーニョが昨シーズン以上に徹底しようとしている攻守の切り替えが中2日とはいえこれまでの試合で一番良く見えたが、退場者出るまではブルーノ・フェルナンデスを割と自由にさせたりするシーンも見られた。ただ試合全体で見たら前から潰すホイビュア、その動きにバランスを取るシソコの動きもハマってた気がする。ホイビュアがこれまでの試合で一番出来が良かった様に思える、前線やエンドンベレがロストしてもホイビュアが潰す、前節までは潰しきれないみたいなシーンも見られたがこの試合は数的有利になる前からも相手の攻撃の目を摘み続けた。影のMOTMはホイビュア。5点目の崩しでのラストパスも見事。
・右サイドのラメラがルーカス・モウラと違い守備時に相手のSBとかを自由にさせることがなくコースを切ったり相手の守備を引っ掻き回したりと11対11でも普段よりも守備に安心感があったのはラメラの存在もあったのかなと思ってる。同点シーンもラメラのチェイシングが連携ミスを呼んだ部分もある。
・普段右に偏りがちなスパーズの攻撃がバランスよく攻めれてるのはデイビスに比べて攻撃的なレギロンの存在があったのかなと、ソン・フンミンとのコンビネーションもちょくちょく見られ左を警戒して右が空いた所をサイドチェンジで使うというシーンは得点シーン含め数回見られた。
・レギロンやドハティーの存在に触発されたのか右SBのオーリエは昨シーズン見られた集中力散漫な軽率なプレーが見られず、度々チャンスを作り守備でも安定しており、途中から出てきたベン・デイビスも相手が少ないとはいえ自分で仕掛けてPKをもらうシーンがあり、新戦力の獲得がチームにいい競争をもたらしている様に思える。
・ケインが以前よりも中盤まで降りてきたりと得点だけでなくチャンスメイク(今シーズンリーグ戦6アシストは10/5時点リーグトップ)もできるようになり、凄みが増してきた。存在感が薄かったユナイテッド戦、しかも鬼門のオールド・トラッフォードで活躍したのも本人にとってはさらなる自信になるのではないか。
・ソン・フンミンに関してはハムストリングの怪我で出場が危ぶまれたがそんなモノを感じさせない決定力の高さを見せつけ、レギロンとのコンビネーションも今後深まってくると攻撃面で楽しみが増しそう。
・エンドンベレ、時々不用意なロストなどが散見されたが昨シーズン見られた怠惰な印象はすっかり消え守備時でもしっかり身体を張り、相手へのプレスもサボらず行う。ユナイテッドのプレスを回避してポゼッション出来たりしたのも彼の存在が大きい。同点ゴールも決めた。モウリーニョが我慢し続け本人もそれに応えた。今後の飛躍が楽しみだがユナイテッドの時にポグバはこうはなれなかったのかなという複雑な思いもある。
・デレ・アリ、見せ場自体はそんなになかったとは思うけどプレスもサボらず何か殻を破ろうと必死に藻掻いているようにも見えた。ロチェルソ、エンドンベレとライバルは多いがキャリアの正念場という自覚が見える。
・モウリーニョは過密日程の中、この試合は3バックを採用しブロックを作りユナイテッドに持たせてサウサンプトン戦みたいなケインが引いて受けて相手の背後のスペースをソン・フンミン、ラメラで狙うという戦い方をするのかと思ってたが4バックで試合に挑み、普段のビッグマッチに比べてアグレッシブに前からプレスをかけて奪ったら早く攻める、幅を広く取りサイドを変えて相手を揺さぶるなど予想よりも攻撃的な戦い方を選択し、攻守の切り替えも過密日程を思わせないほど早く、ユナイテッドの弱点(両ウイングの守備意識の低さと守備時に一方のサイドに寄せられた際に必要以上に中に絞るSB(特にルーク・ショーがラメラをマンマークしているのか、ユナイテッドの左サイドのスペースがスカスカ)が空けたスペース)を徹底的に狙う容赦の無さを見せた。(25分のオーリエ、26分のエンドンベレのシュート、4点目、5点目)
ユナイテッド側を見て思った事
・試合開始から左サイドを軸に勢いよく攻めコンビネーションでPK獲得で幸先の良いスタートを切ったが、左を軸に攻撃する割にはルーク・ショーのオーバーラップもそこまで効果的ではなくマルシャルもサイドへ流れたがそこまで脅威は感じない。
・同点シーンに関してはラメラがボールを狙った所からショーとマグワイアの連携ミスが起こった気もするが、マグワイアのデ・ヘアへのバックパスが短くなったのもこのミスが起こった要因の一つなんだがマグワイアがショーを掴んだりして「お前は一体どっちの味方なんだ!?」というような対応、マグワイアの軽率なプレーが原因の失点と言っても過言ではない。
・2点目はマグワイアの不用意なファウルとケインの早いリスタートに対してのユナイテッドの選手の集中力の欠如、このシーンだけでなく全体的に守備陣は集中力の欠如が見られた。
・20分にポグバからボールを受けたブルーノ・フェルナンデスがラッシュフォードにスルーパス、抜け出したラッシュフォードがエリア内で切り返しシュートするもポスト。オフサイドの判定。PK以外でユナイテッドの決定機のシーンはこれくらいしかなかった。
・3失点目はコースを切られてたとはいえマークがついてるマティッチに不用意なパスを出したバイリーのミス。ワンビサカに出す、もしくはデ・ヘアに戻しロングキックならこの失点は避けられた気がしないでもない。
・4点目、左サイドからレギロンが仕掛けた所が大きくなりバイリーがクリアするもレギロンが足に当てそのボールがシソコの下へ、がら空きの左サイドを使われ、マグワイアが釣り出されオーリエのクロスがマグワイアの股を抜きニアに入ってきたソン・フンミンがフリーで決めた。ルーク・ショーがラメラをマンマークして本来守るべき場所をぽっかり開け、そこをマグワイアが埋めると近くにいるケインの方へマークしに行く、そこでマグワイアの裏のスペースが出来てソンに決められる、5点目もルーク・ショーのこのマンマークみたいな動きが原因の部分もあると思うが、4点目に関してはショーだけでなくショーとマグワイアが空けたスペースやマークをバイリーやワンビサカが対応するわけでもないのでこいつらにも多少の責任はある。
・後半からブルーノ・フェルナンデスとマティッチに替えてマクトミネイとフレッジを入れポグバを左サイドにして4-2-3。で50分にオーリエに決められて1-5になるが、これも4点目同様に右サイドで持たれて振られて4点目同様にルーク・ショーが相手の右WGをマンマークしWGのルーカスが少し引いてワンタッチでホイビュアに戻された所をぽっかり空いたコースを使われ守備意識の低いポグバが外のオーリエに無警戒でそこへスルーパス通されてポグバは身体を投げ出すこともなく諦めたかのように動きを止めオーリエに決められる。ルーク・ショーも相変わらず酷いがポグバの守備意識の低さも論外でマクトミネイも途中から本来マークするべきエンドンベレをマグワイアに任せるという他人がなんとかしてくれるという意識の低さが目につく。デ・ヘアが4点目、5点目の失点の際に激昂する素振りを見せるが怒るのも当然、その後にケインの決定機を止めたがこの試合で自分が見た中で最後まで戦う気概を見せていたのはデ・ヘア、最前線で追いかけていたラッシュフォード、6点目のPKを献上したが途中までは攻撃を何とかせねばみたいな動きを見せていたポグバくらいだろう。
・昨年の開幕戦でモウリーニョがマグワイアのプレーを褒めながらも、マグワイアがルーク・ショーのカバーリングをしなければならない時、彼は今季何度もカバーしなければいけないことになる(※1)と発言していたが4点目はその発言通りモウリーニョがルーク・ショーの悪癖を突いた得点と言える。
・ユナイテッドの両WG(ラッシュフォード、グリーンウッド)の守備の意識が低く守備を免除されているのかスパーズの両SB(オーリエ、レギロン)がユナイテッドの両SB(ワンビサカ、ルーク・ショー)に対してハイプレスをかけるというモウリーニョの戦術により機能不全に陥っていたとマンチェスターイブニングニュースの記事(※2)にあったがルーク・ショーに関してはハイプレスよりもスパーズの右WGのラメラ、ルーカス・モウラのマークにばかり意識が行っておりモウリーニョが指摘した通りルーク・ショーの空けたスペースを度々効果的に使用され決定機を作られており(25分のオーリエ、26分のエンドンベレのシュート、4点目のオーリエのクロス、5点目のオーリエのシュート)、前節のブライトン戦でもブライトンがユナイテッドの左サイドでボールを回して中央へ渡し、そこからワンビサカが中に絞って出来たスペースをWGのグリーンウッドが守るわけでもなくブライトンの右WBのソロモン・マーチが度々フリーで受けクロスが上げられた際にマーチがフリーでシュートという決定機が度々見受けられたがその試合から何一つ改善されてないように見えた。
・この試合大量失点こそしたがデ・ヘアが責められるシーンは個人的にはないかなと思う。PKに至る数分前のケインの決定機をチームが戦意喪失してる状況でもしっかり止めたし、4点目、5点目の際に守備陣に激昂しており4失点目のシーンでルーク・ショーの動きに対してそこじゃねぇ!と激怒するほどでユナイテッドの中で数少ない最後まで戦う気概を見せた選手の一人だった。
・スールシャールはマルシャルが退場した際も四審に対して抗議するわけでもなく劣勢時に声を上げ戦うわけでもなくただ見つめるのみ。監督自身が誰よりも先に戦うことを放棄してるようにも見えた。
・コンディションどうこうの話ではなく対戦相手にスールシャールのユナイテッド自体が完全に研究されてきた部分もここまでの試合結果に反映されてるのかなという印象を受けた。ブルーノ・フェルナンデス抑えてポグバ潰せば怖いのマルシャル、ラッシュフォード、グリーンウッドの個人技だけなのでスペース消してしまえば高さもないので手詰まりになる。もう3年目になるのに未だにプランBもない時点も個人的にはマイナス。どういうチームにしたいのかまるで見えてこない。ファーガソンのデッドコピーという印象さえも消えた、SDに推す人間もいるがカーディフ時代に懇意にしてるモルデでSDやってた人間呼んでカーディフ降格した際に大型補強したものの結果を出せず7試合で解任されたので選手を見る目もそこまでないと思ってる。
総評
マルシャルの退場がターニングポイントだとは思うが、あのシーンの前までもスパーズは度々決定機を作り退場の前のシーンで3点目が決まってもおかしくはなかったほど数的有利がなくてもスパーズの圧勝の内容だったと思います。
マルシャルの退場については色々な意見はありますが、セットプレーのゴール前のポジション取りの小競り合いでラメラが度々ちょっかいをかけ、ラメラの手がマルシャルに当たり、マルシャルがラメラの顔をはたいてラメラが三文芝居やって報復行為と見なされて退場になったのですが個人的にはラメラにもちゃんとイエローカード出たし判定については妥当だと思ってます。
このシーンとかはともかくユナイテッドのウィークポイントを徹底的に狙い続け数的有利でも手を緩めず折れた心を更に砕こうとしたスパーズから、AoN(ALL or NOTHING、アマゾンプライムビデオオリジナルコンテンツで昨シーズンのモウリーニョ就任時からシーズン終了までのトッテナムの内状を描いたドキュメンタリー)でモウリーニョが言い続けてきたお前たちは人の良い、試合では人の良さを捨てろという言葉を選手が理解しだしてきたようにも見えました。現に昨シーズンわずか4勝のアウェーで既に公式戦4勝と昨シーズンに並び、逆転勝利(PK戦含む)も早くも4勝と精神的に強くなりつつあり徐々にモウリーニョのチームらしくなりつつあるのではないかと。
昨シーズンの中断明けから見られていたラインを低くしてブロックを引いて相手に持たせて引っ掛けてカウンターを狙うスタイルから、今シーズンは昨シーズンよりも前へ出て潰しに行く意識が高くなり、過密日程でも運動量が落ちる事がなく昨シーズンよりも攻守の切り替えをより意識してるようにも感じており、ビッグマッチでもポゼッション時にCBが相手の陣内でパス回しに参加するというシーンが見られたり今までとは少し違う様に見えました。
逆にユナイテッドはシーズン終了後8月にELを準決勝まで戦いプレシーズンも殆どなく昨シーズンの疲労が相当残ってる(これについてはCLを戦っていたシティも同様、リーグは違うがCL決勝を戦ったバイエルン、パリも多少ダメージはあるのかまだ本調子ではないように見える。)とはいえ、カップ戦で大幅にターンオーバーをして挑んだこの試合で日程的なアドバンテージを差し引いても運動量、攻守の切り替え、気迫、全てにおいてスパーズに負けていたし、開幕戦でスペースを消されたら手詰まり、ブライトン戦もポグバが献上したPKをVARで取り消し、ハンドの厳格化のルールにより試合終了後VARでモペイがハンドを取られPKを獲得し勝利したが内容的にはブライトンのトロサールが3回ほどポストに当て、フリーのマーチが度々決定機を外しただけで運と相手の決定力に助けられ本来はこの試合同様6点は取られてもおかしくはない完敗と言える内容、テレス、カバーニをこの試合後に獲得したが代表戦明けのニューカッスル、パリSG、チェルシー、ライプツィヒ、アーセナル、イスタンブールバシャクシェヒル、エヴァートンの試合結果次第ではスールシャールは解任されるのではないかなと思うしブライトン戦から何一つ改善されてなかった所を見ると解任も時間の問題なのかなと思いました。
ここまで読んだ物好きな皆様、お付き合いありがとうございました。
本来はもっと簡潔にしたかったんですけどね…。
試合ハイライト
https://www.youtube.com/watch?v=dnjNhcMsT1c&ab_channel=TottenhamHotspur
※1:モウリーニョ、あの教え子をチクリ!「マグワイアは大変になるぞ」(qoly.jpより)
※2:Tottenham targeted two Manchester United players in 6-1 thrashing(ManchesterEveningnewsより)