#068 マンゴーかき氷
4月後半 マンゴーの季節が始まった頃 友人からマンゴーかき氷の有名店に行きたいと誘われたことがあった 観光客が戻ってきている今年は 久しぶりに行列も戻ってきていたらしい 在台丸7年になるがこの有名店に足を囲んだのはおそらく3回程度である
有名店だけあって味はもちろん最高なのだが あまり行列に並ぶのが得意ではないし 家からのアクセスもそこまでいいわけではないので なかなか機会がないのだ そもそも台湾のかき氷はサイズが大きいものが多くて一人でサクッと食べるタイプのスイーツではない このため友人や家族を誘っていかなければならないのも現地でかき氷を楽しむ機会が少ない理由だ
台湾かき氷といえば今日本でも人気が高いようなので 知っている方も多いかもしれない 簡単にいえば 日本のかき氷は水で作った氷を削り さまざまなシロップをかけて楽しむのに対して 台湾の雪花冰(xue3hua1bing1)と呼ばれるかき氷は牛乳などを凍らせたものを削り 季節のフルーツなどを載せているものである ちなみに台湾にも日本のように水でできた氷を削って作るタイプのかき氷もあって こちらは刨冰(bao4bing1)という ただし日本のものより荒削りで氷感が強い
観光客に人気の有名店以外にも市内にはいくつか このマンゴーかき氷が食べられる店がある 数年前に当時台湾に駐在していた友人と共に訪れた店を思い出した マンゴー一本でそのシーズンだけ営業している有名店に対して そちらの店は基本的には豆花などの伝統スイーツをメインに夏季限定でマンゴーかき氷を扱っている マンゴーのオフシーズンである冬にはイチゴのかき氷も楽しむことができる
友人から有名店への誘いを受けたときに こちらの店に行ってみないかと提案し 早速予定を合わせて向かった日 コロナ禍を凌ぎ今年も店を開けてくれてありがとう そんな気持ちで店に入った ところがレジでマンゴーかき氷はもう始まっているか聞いたわたしに返ってきた店員の言葉は「来週からだよ。出始めのマンゴーはまだ甘くないから。」という残念な知らせであった
仕方なくその日は諦めたが先週の月曜日 友人とまたその店に行く約束をした マンゴーかき氷を基準にランチの場所を選定したのだが ランチの途中で友人が「まさか月曜休みとかないよねさすがに。台湾多いけどさ。」と言い出した ちょっと待てよ? これはなんだか嫌な予感がする 急いでマップ情報を確認して固まる やってしまった 月曜定休だった
3日後 わたしたちはまたランチをしていた ここまでくると意地になってきて食べなければ気が済まなくなってしまったのだ
そしてついにこの時が来た レジ前にはしっかりとマンゴーかき氷のポップが置いてある 数年前の記憶がすっかり抜けていてサイズ感がわからなかったが 2回も逃してきたのだ ここは一人ひとついっておこう なんてなんのために友人と来る必要があったのかという根本的なことも忘れて一つずつ注文した
そして出来上がったそれをみて一瞬で我に返る 絶対シェアがいい 最近は一人一品は頼まなければならない最低消費設定をしている店も多く たとえ大きくても一人一つ食べなければならないが この店はそうではない うん 絶対にシェアがいい 牛乳ベースの氷の上に丸々一個分はありそうなマンゴー 真ん中にはパンナコッタが添えられ全体に練乳がかけられている まぶしい
やっとありつけた久しぶりのマンゴーかき氷 それはそれは美味しい ゆっくり時間をかけて味わい もう意地でなんとか食べきった お腹いっぱいで苦しいのに 最後までしっかり美味しい
年々 マンゴーは自宅で楽しむことの方が多くなっていたが たまには友人とマンゴーかき氷を基準にして1日のプランを立てるのもいいものだなぁ
ただし次回以降は定休日とサイズには気をつけたい
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