#040 11年の相棒を見送った日
「它辛苦了」と言ってくれたのは店員さん
わたしの11年間の相棒だったMacBookは先日ついにその役目を終えて 優しい店員さんに引き取られた
およそ11年前 まだ大阪に住んでいた頃
iPhoneの扱いにも慣れてきた頃 心斎橋のアップルストアに一人で出かけて買ったMacBook Pro これはその時点で人生最高額の買い物だった
仕事柄パソコンを使うわけでもないので 緊急性は低かったがiPhoneを使う中でデータの管理などに便利なことや 音楽を聴いたりネットでできることが増えれば 日常がちょっとだけ豊かになるかもな なんてあまり深く考えずに買った 今思えばあまり深く考えずに人生最大の買い物に挑んだあたり 自分でもちょっと大胆なことしたなと思う
結果から言うとMacBook Proのおかげでわたしの日常は本当に豊かになった
彼を迎え入れてから数ヶ月後 わたしは東京へ引っ越した
大阪を出るときにテレビを手放し 東京での新生活は彼が聴かせてくれるラジオが一人暮らしの部屋に心地よく響いた 部屋に戻ったらまず一番に彼を起こすことがルーティンになっていた
物が多いわたしが人生で最もミニマムな暮らしをしていた頃の話だ
ラジオを流す以外でも重要だったのは 数々の旅先の情報を見せてくれたり 現地で撮り溜めた写真をまとめてくれたことだ
実は機械には疎いので これぐらいでしか使い道はなかったのだけど それでもわたしの生活を充実させてくれたことは確かだった
台湾に来てからの方が使用頻度は上がった このnoteでの原稿作成はもちろん彼がになってくれていたし 語学学校での課題をこなすのにも彼が必要だった コロナ禍の自粛生活では動画を1日に何時間も見ることもあったし オンライン授業なんかでも欠かせない 毎日働きっぱなしだ
日本のラジオが聞けないことは残念だけど 相変わらずわたしの日常になくてはならないものだった
11年もの間 ほぼ傷もなく大切にしてきたけれど 数回ほど突然立ち上がらなくなるということがあった 充電ができないなんてこともあった その度に何度も復活してくれた 人生で初めて自分で買ったパソコンだけに 思い入れが深い
そんな彼を見送ることになったのはとても残念ではあったが まだ動くうちに買い替えた方がいいとい現実的な考えがあってのこと それに加えてたまたまお得に買い替えられるキャンペーンがあったので それを利用することにしたのだ
そうでもしなければきっといつまでたっても決断できず 彼がまったく動けなくなってしまってから泣くことになっていただろう
それで先日 冒頭のセリフを聞くことができたというわけ
店員さんが彼に「お疲れ様」と声をかけてくれた後 続けて今度は新しく迎え入れるMacBook Airに 「今日から新しい生活っ!」とちょっぴり片言な日本語で言ってくれたのだった
台湾のアップルストアで購入した新しいMacBook Airのキーボードは 基本のアルファベットのみのもの以外にも ’注音符号’と呼ばれる台湾独自のカナ文字のような物がついているタイプがあり せっかくなので注音符号の付いたタイプを購入してみた
注文すれば日本語のキーボードも購入できるそうだが ひらがな入力することはないので検討しなかった
ただ今までのMacBook Proのキーボードが日本語のものだったので 配列が若干違い 慣れるまではタイプミスが多そうだ
特にエンターキー エンターキーとデリートキーの間に一つ別のキーがあることでエンターキーの大きさが少し小さい これは慣れで解決できるものだろうが しばらくは失敗を繰り返す必要がありそうだ
そういうわけで今回のこのテキストは 新しい相棒によって初めて作られたものだが もう何度打ち直しをしたのかわからない 確認はしているが誤字脱字があったら多めにみていただけるとありがたい
長きにわたって相棒を務めてくれた一台目のMacBook Proとの別れは寂しいけれど 店員さんが言ってくれた通りこれから新しい生活 二台目のMacBook Air にもきるだけ長い間共に過ごしてもらえるよう 大切にしていきたい
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