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#022 印なきお店と黒縁メガネ

有名な日本ブランド 印のないお店といえば皆さんご存知の無印良品
台湾にも多くの店舗があり 日本より割高とわかっていながらも時々お世話になっている

先日久しぶりにその無印良品で買い物をしていると 商品を片手に何やら呟きながら近づいてくる女性がいた
どうやらわたしを店員と勘違いして 商品について尋ねてきたようだった 一生懸命話す彼女の声に割り入るのは気が引けたが 呼吸のタイミングを見計らって 自分が客であることを伝えると ものすごく恥ずかしそうにして 少し離れた場所で別の商品を見ていたお連れの方の元へと急がれた

こちらとしては何も迷惑を被ったわけではないので むしろ恥ずかしい思いをさせてしまったことが申し訳ないくらいだ 

その時のわたしの格好といえば ヨガの帰りだったので丈の長い白のロングTシャツに黒のレギンスで 肩に白黒のボーダーのカーディガンをかけていた 帽子もかぶっていたから店員らしい空気を出したつもりはないが 手元の商品を見ながら近づいてきた彼女には モノトーンなコーデの雰囲気が勘違いの原因になってしまったのかもしれない

もしくは何か別の意味で「店員っぽい」雰囲気を感じていたのだろうか

だとしたら彼女の直感は的外れなものではない
何を隠そう わたしは日本にいた頃に無印良品でアルバイトをしていたことがある 元店員なのである 

経験者から滲み出る「店員っぽさ」があったのだろうか

なんてそんなわけはない そもそも彼女のアプローチの仕方を思えば じっくりと店内を見回した後で 狙いを定めてきたわけではないのだから 単純に近くにいたからというだけのことだろう


無印良品の店員っぽさといえば 「黒縁メガネ」というのもイメージがあるだろう

わたしの経験から1つお話したい 勤務中に一人のご年配の女性から話しかけられた時のことだ 商品について一度別の店員に対応してもらった後で一旦考慮するためにその場を離れたのだそう そこでやはりもう一度先ほどの店員に対応をしてもらいたいということだったのだが 彼女が覚えていた店員の特徴は「黒縁メガネの男性」だった その日勤務している店員の中で黒縁メガネの男性は少なくとも4、5人いたので少し焦った 幸い当該の「黒縁メガネの男性」の方もこのお客様とお問い合わせ内容を覚えていて 無事に引き継ぐことができた

その女性からしてみれば「黒縁メガネ」はかなり特徴的で覚えやすいものだったと思うが まさか同じような特徴の店員が複数いるとはその場ですぐには気付けないだろう

印のないお店などといってもそれこそが企業イメージとしてしっかりとブランド化されている その中で店員自体も雰囲気の似た人が集まりやすいのかもしれない 少なくとも我々消費者は無印良品の「店員っぽい」雰囲気のイメージをなんとなくそれぞれ持っている



余談だがわたし自身は接客時など短時間でお客様の特徴を記憶する際は少なくとも3点以上の特徴を捉えることにしていた 例えば黒縁メガネ、右手にレザーの腕時計、カーキのチノパンなどだ アウター類は目に入りやすく覚えやすいが 途中で脱がれることもあるので注意が必要だ ビジネスマンなどスーツの場合はネクタイの柄などで見分けることも可能だ 顔を覚えられれば一番いいのだが短時間では難しい場合もあるので接客時はもちろんお客様の立場として店員さんの特徴を覚えておきたいときにはぜひ試してみてはどうだろうか




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