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NASの廃棄とクラウドストレージサービスへの移行
プライベート用のメディアサーバとしてDropboxに課金しました!という話です。いつも通り、解説などは目的としない雑記です。
持ってるデータが多く棄てられない
今でこそシンプル生活に凝っていますが、PCにはこれまでの生活で溜め込み、もはや思い出となっているデータが大量にあります。とても職場では観れないようなもの(!?)もあるので、クラウドストレージではなく勉強も兼ねて作ったメディアサーバ(NAS)で管理していました。
NASの故障
ところがちょうど1年前、NASを動かしていたCentOSのファイルシステムが破損してしまいOS起動不可となりました。自分のようなソフトウェア素人が分不相応にもRAID5の分散パリティで冗長化していたため簡単には取り出せず、結局1年近くかけてトライし続けた結果、全てのデータを救出することができました。だいぶCharGPTに頼ったので、良い時代になったなあと思います。
クラウドストレージという選択
子どもが生まれたり仕事が複雑になってきたりと、脳のリソースを集中させるためにシンプルな生活に寄せはじめました。PCはラップトップ1台にしてNASは廃棄。自身の論文や技術資料、また職務経歴書など消えたら困るデータはGoogle Driveに保存、残りの雑多なデータは外付けHDDで管理していました。
しばらくして外付けHDDの電源投入さえ煩わしくなってしまったためクラウドストレージへの完全移行を決めました。よく考えたらローカルで冗長化して管理するよりも、信頼性の高いクラウドサービスを使う方がよっぽど安全に思います。2014年のDropboxの障害、2018年のAzureの障害ではいずれも大きく報道されたものの、ほぼ全てのデータが復旧されています。
ただしデータはcryptomatorで暗号化する
とは言えセキュリティに100%はないので、データの漏洩リスクに対する対策が必要です。自分はEnd to End暗号化ソフトのcryptomatorで暗号化してからクラウドストレージに保存するようにしています。これによってたとえファイルが流出してしまっても、第三者は内容を解読できないため無意味な情報しか手に入らない、ということになります。とくにcryptomatorはオープンソースでありそのコードが公開されており、安全性を誰でも検証できる点は暗号化ソフトを選ぶ際の絶対条件としています。
当初はわざわざ暗号化してからクラウドストレージにアップロードすることの手間を懸念していましたが、cryptomatorはDropboxとシームレスに接続することができるため許容範囲内でした。
クラウドストレージの要件
クラウドストレージに求める要件として以下を定めていました。
ファイルをブラウザだけではなくエクスプローラから操作できること。
同期速度が50MB/s以上出ること。
ファイルをオンラインのみに保存できること。
自分の場合、外部アプリを使ってクラウドストレージ内のファイルを直接編集したり、参照する必要があります。これを実現するためにはクラウドストレージがエクスプローラのように動作し、ローカルディスクと同じようにファイルを扱える必要がありました。なお、容量と料金はどのサービスも横並びであり考慮対象外としています。
Dropboxを採用
上記はいずれもGoogleDriveは満たしているのですが、もともと管理している重要なファイルとは隔離して扱いたかったため対象外としました。またBoxとMegaも試しましたが同期速度が異常に遅く、数MB/s程度しか出ないためファイルの読み込みで待ちが発生してしまうため見送りました。
Dropboxはファイルをオンラインのみに設定しても読み込み時に強制DLしてしまう仕様があるものの(24/09/30時点)、他の要件は満足していました。ただし、強制DLについてはローカルファイル削除のための機能が少なくとも2つは提供されていたりと代替案を備えているため及第点としました。むしろ、よくアクセスするファイルはキャッシュされているようなものなので、優れた仕様のようにも思えます。ユーザー側でON/OFFできるようにはしてほしかったと思いますが、現状、特に問題は発生せず機能しています。
最後に
メディアサーバ(NAS)はかなり気合いを入れて制作したため解体時は寂しくもありました。Mini-ITXケースに3.5インチ HDDを6台搭載しており、ファンも増設しています。配線や冷却フローにもこだわり、サーモグラフィで高負荷時の温度確認までしていました。制作目的は「技術力を高めたい」というものだったため、最低限、その役割は果たせたと思います。この時代に「俺はNASを作ったことがある」という一生有効な心の肩書き(!?)を得られたと思ってお別れです。Dropboxはよろしくです。
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