ふだんのわたし
頼まれごとは断れない。
これが私の常である。
学級委員や、ボランティアも頼まれたからやった。
先生が言った。
このプリントを教室まで運んでくれないかと。
上司が言った。
この資料をプレゼン用に書き換えてくれないかと。
私は断れなかった。
別にその行為を
特別したいわけでも、その人に恩を売りたい訳でもない。
ただ、断り方がわからないのだ。
やりたいことをこの性で、遠ざけたり、してしまう。
自分から言っていたのに。
申し訳なさで胸が潰れそうになる。
「俺のために死ねる?」
「私のために働いてくれる?」
「俺らのために準備してくれる?」
あぁ、断るって?何
辛いことが重なって何も出来なくなりそう。
私は人の声の届かない場所に行きたいのかもしれない。
「劣情を抱け、神童を保て。」
誰だよ。
誰が私に指図する。