こいに落ちる。
私はあなたに見つめられている。
黒いのや斑模様やら、綺麗なのが他にも居るはずなのに。
私だけを見つめてくる。
「なんで?私のことを思ってくれているの?」
問いかけにはすぐ返事が帰ってくる。
「君が大好きだから」
「そんなの信じられない」
彼は他の子とも仲良くして裏で喋っている。
それがどういう対応であろうと。
私はそれを知らないから。
「私と同じように他の子にも言ってるんじゃないの!?」
怒りをぶつけた。
類まれな怒りを。
「どうすれば信じてくれる?」
「こっちに来てよ。私の元に。私を安心させて」
「それはできないよ、怖いんだ。ごめん」
「ヘタレ野郎」
信じられないよ。
そんなの。
「君のためならなんだってする」
「じゃあ、私のもとに来てよ」
あなたは私のいる水面に、足をつけて体を手放した。
コイに落ちた