たまそまが喧嘩する話
支部に載せている雲母たまこさん、酒寄颯馬さんの二次創作です。specialeは全員出てきます。
ご本人様とは一切関係なし
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駄文
「そーまなんてもう知らないもん!嫌い!」
「はぁ!?俺だってお前みたいなガキ知らねぇよ!!」
Ciao!渚トラウトです。いきなりですが、specialeは今険悪な空気が流れています。それもそのはず、speciale店内では現在颯馬とたまこがバッチバチの大喧嘩中なのです。今までも小競り合いは多かった2人ですが、ここまで大きい喧嘩は見た事がありません。どうしてこのようなことになったのか。その真相をお話します。
きっかけは本当に些細な事でした。今の時間はおやつ時、店の方はすずとベリーに任せて俺たち3人は休憩に入っていました。specialeのスイーツ担当はもっぱらベリーですが腐っても俺はシェフ。簡単なものなら作れるので賄いでプリンを作っていました。俺はディナーの仕込みがあったので先にプリンを食べてキッチンにこもり、仕事をしていました。
ひと段落ついたので休憩室に戻ると、空になった2つのカップの横で颯馬とたまこが言い争いをしていました。いつもの小競り合いかと思ったのですがどうも様子がおかしいと思い、一旦2人に声をかけましたが聞く耳持たず。会話の内容から察するに、どうやらたまこが自分と颯馬の分のプリンを両方食べてしまったらしく、怒った颯馬がたまこを叱りつけ頭にげんこつ。それにイラッときたらしいたまこが「ケチ!大人なんだから譲ってくれてもいいじゃん!」と発言。颯馬も「子供だからってなんでも許される訳ないだろ!」と言い返し、いつもならそこら辺で誰かが止めるもののあいにく他のスタッフはおらず言い争いは激化。俺の声が届かないくらいにヒートアップし、今に至ると言うわけです。
こうなったら1人では止められないと思い、手を出しそうになったら止めようと俺は静観することにした。
しばらくすると、「ヒグッグスン…ぅぅ…」とたまこがすすり泣きはじめ、様子を見に来たすずによって喧嘩は一旦終了した。
「トラ。私はたまのこと見てるから、颯馬のことお願いできる?」
今はディナー前で客が少ないので店の方をベリー1人に任せて、それぞれに話を聞くことにした。
すずが泣いているたまの肩を抱いて退出したのを確認して、俺はすずが来てから一度も言葉を発していない彼の方に向き直り、「颯馬、」と声をかけた。
「………渚、俺たまこのこと叩いちゃった…」
「酷いこといっぱい言った…俺の方が大人にならないといけないの、分かってるんだけど…。」
「颯馬。そこまで分かってるなら大丈夫。手を出したのは良くないけど、ちゃんと謝れるでしょ?プリンならまた作ってあげるし、たまこのこと、許してあげられる?」
「…ん。ちゃんと謝る。大人になる。グスッ」
「よし、偉いねぇ。」ヨシヨシ
「ちょっ、頭撫でんな!辞めろってぇ!!」
side すず菜
「よしよーし…。大丈夫、大丈夫…。」
グズっているたまこの背中をぽんぽんと優しくたたく。
そうすると少し落ち着いたのか、さっきよりも泣き声が小さくなってきた。
「たま。何があったのか、ゆっくりでいいから私に説明できる?」
「すずちゃ…たま、たまね…。グスン そーまに、嫌われちゃったかなぁ…?」
「どうして?」
「たま、そーまに嫌いって言っちゃった…プリンも食べた…。そしたらお前みたいなガキ知らないって…。嫌われるの、やだよぅ…ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
たまこが再び泣き始める。
「颯馬がそんな事でたまのこと嫌いにならないの、自分でよくわかってるんじゃない?たまが嫌いって言ったの、本心じゃないでしょ?颯馬が知らないって言ったのも、口をついて出ただけだと思うよ?」
「でもぉ…」
「一緒に颯馬に謝ろ?颯馬のことはトラが説得してくれてるから、きっと許してくれるよ!」
「分かった…たま、そーまに謝る!」
「よく言った!そんないい子のたまには、私の分のプリンあげちゃう!生クリームも、特別にのっけていいよ!」
side トラウト
ガチャりとドアが開いて、たまとすずが入ってくる。
「ほら、たま。」
すずが声をかけると、たまがモジモジしながら前に出てくる。
「あのね、そーま…その、えっと…プリン食べちゃって、ごめんなさい…。嫌いって言ったのも、本当に思ってるわけじゃないの…。」
「たま…俺もごめんな、プリンくらいで怒っちゃって。頭痛かったよな…ほんと、ごめん。」
「そーま、たまのこと嫌いになってないの…?酷いことしたのに…。」
「嫌いになるわけないだろ!!俺普通にspecialeのみんなの事…その、ダイスキダシ…」
「ぅ、ぅわぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!良かったよぅ!!ごめんね、ほんとーにごめんねぇ!!!」
「うぉっ いきなり飛びついてくんなよ、危ないなぁ!」
「グスッ 好きなんだからいーじゃん!」
「いやぁ、良かった良かった。ね、トラ!」
「そうだねぇ。颯馬のデレも見れたし、一件落着だね。」
あれ?そういえばなんか忘れてるような…
「「「「あ、ベリー(たん)!!!」」」」
「ちょちょちょ、やばいやばい!え、今何時…ッスー6時半!?」
「颯馬とたまは目赤くなってるからすぐ冷やしてホール!トラと私はキッチンね!ごめんベリー忘れてたぁぁぁぁぁ!!!」
さっきまでの感動まったりムードはどこへやら、一気に慌ただしい空気が流れる。
まぁ、こういうのがいつものspecialeらしくていいかもね。
ベリーにとっては全くよろしくないけど。
慌ててキッチンに飛び出すと、いつものキラキラはどこへやら、疲れてヘナヘナに萎れたベリーが足をぷるぷるさせてかろうじて立っていた。
「ぁ、すずぴとトラ…。解決したんだね、よかっ、た…」
「わぁぁぁぁごめんベリー!休んで!マジで!冷蔵庫にプリンあるから!」
「寝て!どうか寝て!プリン食べて寝て!後はもう締めまで私達に任せて!」
「「「「ありがとうございましたー!」」」」
最後のお客さんが帰り、今日の営業が終了した。
「今日なんかお客さん多くなかった…?あれをベリー1人で捌いてたの?ホールもキッチンも?」
「つ、疲れた…」
「あああ颯馬がさっきのベリーみたいに…。今日ワインにうるさい人謎に多かったもんね…。」
「たま、帰ったらパパにボーナスの相談しておくね…」
疲労困憊で休憩室に戻る。ドアを開けると、ソファでは穏やかな寝息をたててベリーが眠っていた。テーブルの上には空になったカップが置いてある。
「ベリー、よっぽど疲れてたのね…。ぐっすりだわ…。」
「4人でもかなり大変なのに、それをひとりで回してたからね…。よくやるよ…。」
「うぅ…疲れ、た…」
「ベリたんもそーまも大変だね…」
終わり方 分からないので ブチ切れで