かんもくの声 書籍が出版されます
2020年2月、学苑社さまより『かんもくの声』という書籍を出版させていただくことになりました。
場面緘黙を知ってもらいたい。声にならない声を伝えたい。その一心で、これまで「かんもくの声」として活動してきました。
ゆるやかに啓発をしていくなか、その責任として、私は社会での認知度が向上したのちのことを見つめざるを得ませんでした。具体的な支援や治療が進むことはもとより、当事者の居場所や気持ちの受け皿の必要性を、強く感じてきました。
交流会やイベント、SNSでの発信なども行ってきましたが、本のかたちでも届けたい。話したくても話せなかった私にとって、本の言葉は特別な存在です。孤独で、リアルな対人を拒否せざるを得ないなかでも、人に触れられる。私は、本の言葉に生かされてきました。
場面緘黙の人にとって、交流会やイベントに足を運ぶことはとても力の要ることでもあります。症状に苦しむ渦中の私だったら、参加できていないと思います。公開性の高いSNSでの発信や交流が苦手な場合もあるかもしれません。
本書が、当事者・経験者の居場所や気持ちの受け皿のひとつになれればと思っています。
認知度が向上することで、理解とともに「場面緘黙ってこうなんだよね?」というある程度固定されたイメージが一般化していくとき、様々な当事者が存在することを伝えていく必要も感じてきました。
当事者ではない人が、場面緘黙の人を理解しようとするときの手がかりや素材となる情報も、まだまだ少ないように思います。
また、二次症状や後遺症、グレーゾーン、大人の場面緘黙などについて書かれた書籍は、読みたくてもなかなかない現状でした。
場面緘黙を生き抜く術があるのなら、この苦しみを生き抜いた人がいるのなら、私の心の糧と支えになるはず。それに、場面緘黙の人たちは現在進行形でどのように生きているのだろう。私以外の人生を知りたいけれど、まずは自分が話さなければと、ずっと思っていました。
場面緘黙に関心のあるすべての人に読んでもらいたいですが、そうでない人にも、通じる部分があるのではないかと思います。当事者・経験者の方に読んでもらえたら、共感していただける点がきっとあると思います。
皆さまが、場面緘黙について考え、話すきっかけになれたなら幸いです。
是非お手に取って、読んでみてください。
現在、アマゾンにてご予約受付中です。ご予約いただけると、大変ありがたいです。確実にお手元にお届けできると思います。
また本書について、皆さまの周りの関心をお持ちの方々にお知らせいただけましたら、嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします。
かんもくの声
入江紗代
(場面緘黙経験者)