人権というものがよく分からない

タイトル通りだ。人権というものが私にはよく分かっていない。
憲法で「国民全員に保障されているもの」と言われていることくらいしか分からない。そしてそれもこんな時にマスク２枚を配布する総理のせいで意味が変わってきているということくらいしか分からない。

これは自慢でも何でもないが、うちの実家は比較的裕福だ。どのくらいかというと家の中にエアコンが必要になったときに地元の電気屋でエアコン６台をポンと買うような家だ。(子供のころ実家は貧乏だと思っていた自分にはこのことは衝撃だった）父の車好きが高じて国産車にはここ１０年乗っていない。
そのかわり徹底した家父長制だ。女子供は食卓で口を封じられ、子供の時は親が「今日はどうだった？」と聞くまで口を開いてはいけなかった。うちの実家の話をすると大抵の人が「戦後？」と冗談交じりに言う。私は１９８０年代生まれだし一番下の弟は平成生まれだ。十分おばさんとおっさんの年齢ではある。

１８歳で大学進学という健全な親から離れる理由を手に入れ上京したはいいものの、人権意識、自己肯定感の低さはその後何年も自分を苦しめていたんだなと今では分かる。ただ分からなかった。衝撃だったのは大学の友達が親にタメ口で話していたこと。うちの実家では考えられないことで今ではようやく少し分かるようになってきた。口ごたえをすることがダメなのだ。自分の考えを持つことが。書けば書くほど大学に行かせてくれたこと以外感謝することは何もない家なのではないかと思えてきてしまった。
離婚をしたとき強制的に実家に戻されたこと、その時家のはなれの部屋にずっといた。来客があった時も出てはいけなかった。私の存在自体が家にとって邪魔で恥だったのだと分かった瞬間だった。

最近危険だと思うのが人権というものがよく分かっていない私は他人に対してもナチュラルにモラハラをする傾向にある。自分の気持ちをうまく伝えられないことにイライラし悲しくなり、なんでこの人は分かってくれないんだろうと１人よがりで孤独になりやすい。でももうその人生も終わりかなと４０歳を前にしてやっと思えるようになった。本心では自分みたいな人間は生きていても意味がないと思うのでいつだって死にたいけれどね。