1話 目覚め、新たなる一歩
…
パチッ…
…
パチッ…
…(音がする…温かい…?)
(俺はどうなったんだ…?知らないモンスターと遭遇して…)
身を起こそうとするが、全身を痛みが走り抜ける。
「ッ・・・つ・・・!」
辺りを見回すとそこは知らない民家、薪の燃える暖炉、窓は控えめに開き、光を迎えている。少し埃っぽい感じはするが、年季の入っているベッド。
ザクザクと表の積雪を踏む音が聞こえ、戸が開く。
『お、目覚めたようだね…具合はどうだい?』
「俺はどうなってたんです…?」
『明け方に麓の洞窟の方に薬草を取りに行ったところ、君が倒れていたんだ。だいぶ長い距離滑落していたみたいだったけど、よほど大きな怪我もなくてよかった。私はここ、ポッケ村でハンターをしていたハヴィンだ。』
「そうだったんですね…ありがとうございます、ハヴィンさん。俺は春雨って言います。よろしく。…いてて」
『全身打撲で済んだいたのが奇跡的けど、あの盾の惨状を見たらさすがギルドから派遣されたハンターさんだと思うよ。でもそれを見るのももう少し回復してからだ。寝込んでたんだ腹も空いているだろう。昼食を持ってこうよう。』
(いきなりこれかぁ…)
起こしていた上体をベッドに再び投げ出し、情けない初対面にしてしまったと少し落ち込んだ。
1週間程度して痛みも引き、村民のみんな、そして小さいながらもしっかりとしたハンターズギルド。俺がこの村に呼ばれた理由。村長から聞いた俺を襲ったモンスターのこと。そして咄嗟に構えた盾の姿。
どうやらハヴィンさんは怪我の後遺症でハンター業の継続が難しくなったことで村専属のハンターがいなくなり、村の外の安全が悪くなってしまう前に
一定期間安全を守ってくれるハンターを必要としていたらしい。
そして…
俺を襲ったモンスターの名は ”轟竜 ティガレックス”
主な生息地は乾燥地帯であるが、食料を求めて雪山に来るそうだ。特徴的な黄と青の縞模様、そして原始的だが非常に強靭な四肢、ブレスこそ吐かないものの、山中に轟くほどの咆哮を発する飛竜だそうだ。
「これは避けようとしたら死んでたかもな…」
鉄鉱石で作られたはずの盾は中央が大きくへこみ、へしゃげていた。凄まじい力がかかっていたのを物語っている。あの時の判断は正しかった、そう思わざるを得ない。
武器を新調しようと思っていたが、ハヴィンさんが昔使っていた武器があるので使ってほしいと言われてた。
さっそく改めると手入れが行き届いていてはこぼれ一つない。ありがたく使わせてもらうとしよう。
『やぁ、春雨くん。もう動いても大丈夫なのかい?』
「こんにちは、村長。みんなよくしてくれるんでおかげさまでばっちりですよ。そろそろ動こうかなって思うんですけど村の中で依頼ってあったりするんですか?」
『ん~、そうさなぁ、準備運動ならホワイトレバー、雪山草の納品かねぇ』
「草食種であればなんとかなるかな、あとは雪山草はどんなのか見せてもらえばわかるかな、受けるよ。」
『う~んと…はい承ったよ。気ぃつけなぁねぇ』
「ああ!夕方までには戻れると思うよ!」
(アイテムよし、武具よし、地図はキャンプにあるから大丈夫だな)
いざ!新しい狩場だ!!
以上、”1話 目覚め 新たなる一歩”でした。
やっぱりクエスト行くまでってどんな武器で行こうかなって迷っちゃいますよね。それが一番最初であればなおさらw
次回はいよいよクエスト出発ですね。ポッケ村のBGMは好きなんですよねぇ…実家のような安心感があるのでずっと聞いてたいです。
思い出語りもほどほどに、また次回 ノシ