【DX推進】産廃業者のコスト削減、業務効率化、環境活動促進を実現する契約の電子化
行政書士の若月です。
昨今、業務のDX化の推進が声高に叫ばれています。
もうご存じの方が多いと思いますが、DXとは、Digital Transfomationの略語であり、既存の業務をデジタルに置き換えていくことを指します。
当所も現在、会計、データ共有などでクラウドを活用し、業務のDX化を推進しています。
その中で、とりわけ産廃業者の皆さんにお勧めしたいのが「契約の電子化」です。
なぜなら、契約を電子化することで、コスト削減、業務効率化、環境活動の促進をまとめて一気に実現することが出来るからです。
今回は当初が実際に利用した感想も踏まえ、電子契約について解説していきます。
電子契約とは
電子契約とは、電子データの契約書に署名を行うことで、契約を締結することです。
タイムスタンプと電子署名を用いることで、法的効力を生じさせ、紙の契約書と遜色なく使うことが出来ます。
また、操作も非常に簡単です。
必要な情報を入力し、合意をするだけで契約が成立します。ものの5分で完了します。
当所は「freeeサイン」というクラウドサービスを使用していますが、操作方法が明瞭で、特にストレスを感じることなく利用することが出来ています。
それでは、電子契約の導入で実現できることについて解説していきましょう。
実現できることその①:コストの削減
契約を電子化することで、下記コストを削減することが出来ます。
紙代、インク代、製本代
郵送費用
契約書に添付する印紙代
この中で、とりわけコスト削減効果が大きいのは、印紙代でしょう。
産廃業は、契約を締結する機会が頻繁に発生する業界です。
産廃処分業者(収集運搬業者)は排出事業者、最終処分業者等、関わる事業者との委託契約の締結を廃掃法で義務付けられています。
また、委託契約は内容見直しのために1年~2年ほどで契約書を発行し直すのが一般的です。その都度、印紙を貼る必要性は定期的に発生します。
その費用を削減できるに越したことはないというのが大半の事業者の思うところでしょう。
ちなみに、印紙の添付は、契約の両当事者に義務付けられています。
契約の電子化を進めることで、自社だけでなく、取引先の経費削減に一役買うことも可能になります。
その②:業務効率化
契約を電子化することで、紙での契約締結をするより業務効率化を推進することが出来ます。
例として、当所の契約書の作成から、契約締結までの流れを、それぞれ比較してご紹介します。
1.紙での契約
①書面作成(word,excelなどを使用):30分(仮定)
②印刷、製本:15分
③郵送準備:10分
④郵送(最寄りの郵便局):20分
⑤契約書返送確認
所要時間:75分
契約締結確認まで:最短2日~3日ほど
2.電子契約
①書面作成(word,excelなどを使用):30分(仮定)
②書面を電子化:10分
③書面をメール送付:5分
④契約締結確認
所要時間:45分
契約締結確認まで:最短即日
また、管理もクラウドで行うのが基本なので、文書管理のリスク分散につながります。
実際に使ってみるとわかりますが、操作もとても簡単です。
その③:環境活動の促進
電子契約は環境負荷低減に有効な手段の一つということが出来ます。
その理由として以下の項目等が挙げられます。
・資源節約(紙、封筒、インク等)
・労力削減(残業削減による業務時間の圧縮)
・エネルギー削減(時短による使用エネルギー削減、郵送に要する燃料の削減)
特筆すべき点は安価な導入費用(年額5万円ほど)でこれらを実現できるという点です。
当所の場合は、年間で使用する印紙、郵送代節約分ででクラウド導入費用もペイできる試算です。
コストパフォーマンスの高さもおすすめするポイントの一つになっています。
悪い点:手軽さゆえの課題
実際に使用してみて、いい点ばかりではなく、課題もありました。
それは、契約手続きが手軽で、誰でも出来てしまうという点です。
紙での契約には、実印、代表印を使うため、手続きするのは基本的に「社長」です。
対して、電子契約は、メールで送られてきたURLにアクセスすれば、誰でも契約締結が可能です。
代表のみが使用している個人アドレスに送ることでこの問題はクリアできますが、間違って共有メールに送付してしまうと、トラブルに発展する可能性があります。そういった観点からセキュリティ、コンプライアンス面で改善の余地があると感じました。
以上になります。
課題はありつつ、電子契約は使いやすさ、コストパフォーマンス、利便性がとても優れており、非常におすすめです。
ぜひ試してみていただけたらと思います。