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年縞博物館

ひさびさに年縞博物館へ。目的は立命館大学古気候学研究センター長の中川毅さんのガイドツアーと、同センター准教授の北場育子さんの サイエンスカフェ「マヤ文明・気候変動・年縞 -グアテマラの湖底の泥に刻まれた『異常気象』」

中川さんのガイドツアーには昨年に続いて2回目の参加。世界の時間の物差しとなる年縞研究の熾烈なドラマの話は何度聞いても迫力がある。

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年縞研究者はそのほとんどの時間を縞を数えることに費やす。5年10年かけて数え上げても論文で負ければ、その時間は無駄になる。そしてまた1からやり直し起死回生のホームランを虎視眈々と狙うというシビアな世界。

決して途中で論文を発表することはなく、すべて終わって論文を出す。

最終段階で修正したときに、途中経過の論文を引用していた研究者が修正しなくてはいけなくなり迷惑がかかるからだという。

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なので日本のように毎年成果を報告しろという補助金の制度は、この研究には向かないという。ただし、いまは日本の補助金の制度は幾分かはましにはなっているとのこと。

最後の5分はセルビアの地球物理学者ミランコビッチの話。

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ミランコビッチは太陽からの日射量に注目して地球の楕円軌道の変化、地軸の傾きの変化、自転軸の歳差運動の三つの要素から10万年ごとに繰り返す氷河期と間氷期の周期を手計算で導きだしたことで知られる。当時はナチスの台頭による情勢不安のなか戦争の荒波に巻き込まれながら研究をつづけたミランコビッチの数奇な運命。アラン・チューイングの運命を扱ったイミテーション・ゲームのように映画化されてもいいのではと思わほど。

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12/26(木)にも中川教授によるガイドツアーは開催されます。お時間のある方はぜひ。


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