星降る夜に出かけよう(2023の記録)
マエフリ
アイドルさんの名前も顔も知ってはいるけれどテキトーにテレビを見、音楽を聴き、ここ15年は仕事ばっかりだったので、40代にして初経験することが多々あったこの3年。
すとんずさんは初めての推しグループで、こーちさんは人生初の推しさん。
だから人生初のライブは街コンだし、人生初の観劇は「夏の夜の夢」。
元々学生時代は文学少女だったので、浴びるようにエンタメ本を読みふけってはいたものの、映画もほぼ見ず、青森出身の田舎者だったので演劇なんて異世界の話だった。
だから演劇ってどんなもの?って全くイメージがないまま、2022年、あの!「夏の世の夢」を見た。
とっても素敵で、含蓄があって引き込まれる舞台だった。 こーちさんがカッコ良かったのもそうだし、苦労してあの場に辿り着いたのも含めて。 これは楽しいものだ!と。演劇を初めて見たヒヨコが認識してしまった。
星降る夜に出かけよう(京都公演)
そして、2023年6月13日に、「星降る夜に出かけよう」を見た。
元々アイドルに対してのイメージもなく、トンチキ(おい)に対する抵抗もなかったので、最初はアレレ? 何これ?と思った。
初回は京都の南座の3階A席の一番後ろで、すべてが俯瞰して見える場所。 せっかく3人のアイドルさんが出てるのに、舞台装置もなく、衣装も簡単で、歌唱の伴奏すらシンプル過ぎて、混乱した。
私自身の戸惑いが反映されているかのように、こーちさんも色々と不安定に見えて、聞こえて(申し訳ない)、悲しくなった。
こーちさん自身が、やっていることに納得がいっていない煩悶が見えた気すらした。 本人はかわいかったし、一生懸命だったけど、また見たいな、と思えないくらい戸惑った。
これは演劇を見るものではなく、推しを見るものでは?とも思った。(今思えば、それでいいんだけどね)
だから、大阪公演のFC申し込みには申し込みすらしなかった。気が乗らなかった。
時間も短いし(90分)、仕事もあるし。行かない理由を考えて、申し込まなかった。
チケット当たって、来年のライブ当たらなかったらもったいない、とすら思った。 関西在住なので、せっかく遠征しなくても、こーちさんに会えるのに。
煩悶の大阪公演(その前に)
そんなこんなをしてる間に、大阪公演のチケットの一般発売。
全く売れてなくて千穐楽と初日以外、全部取り放題。 それはそれでとても悲しくて。3人の価値が低く見積もられてるような気がして泣きそうになった。
せめて一席でも埋める、もう少し近くで会おうか、と席を取ることにした。 でも、京都公演を見た感想として、他担さんに「いいから絶対見て」とも言えなくて。とても困った気持ちだった。
ちょうど、「こっから」(かな?)発売の時期で、ラジオでシングルの宣伝してるこーちさんが、大阪の番組で「ぜひ舞台に来てください」と告知してるのを聞いて、こーちさん本人が席が埋まってないことを理解してるのが、辛くて、やるせなくて、そんなこ とをさせてしまった自分を含めた諸々に腹が立った。
これが8月末くらいのお話。
ということで、こーちさんを悲しませたくなくて、一般でS席を確保した。
同じ舞台を2回見るとは何か?
この一般での観劇までの間に、ビートルジェシーをお友達に誘っていただき観劇し(とてもエキサイティングだった。誘ってくれてありがとうございました)、ストさん以外の演劇はどんなもの?って興味があったので、西川貴教さんのスクールオブロックを観劇し(思うところはあった)舞台経験値をちょびっと積んだ。
9月からむちゃむちゃ仕事が忙しくて、観劇の次の日にはイギリス本社に出張に出なくては、というすごいタイミング(偶然ズレてホント良かった)の10月6日に、松竹座の2Fの前の方の席で2回目の観劇。同じ舞台を2回以上見るのも、私にとっては初めての経験で。
キャストが違うわけでも、演出が変わったわけでもなく、同じものを、ということにこの時点では違和感があった。
1回目の衝撃(笑)があったから、2回目はそこまでの衝撃もなく、でも、ひたすらひたすら双眼鏡でこーちさんの表情を見て(おい)、流れを見て、もちろん背中を堪能した(笑)。
星の王子様の衣装のガン開きの背中を。
歌も内容も同じだけれど、京都公演の時から時間も経っているため、より嚙み砕かれ、身体に馴染み、彼ら自身の物語になっていた。 何より、こーちさん自身が6月の公演よりも、楽しんでいるように見えた。
「星の王子様」は、より幼さや純粋さ素直さが表に出ていて、引き込まれた。
歌唱も、きっとこの数か月、悔しくて悔しくて練習したんだろうな、という努力が見えて、何が何でもこの舞台、うまくやってやるという根性が見えて、本人の「日々笑顔」と「努力の人」と結びついて、更にいとおしい気持ちになったし、よりこーちさんが好きになった。
「悩む男」は、王子とは全く違う気持ちの変化を上手く描写しているように見えて素敵だった。 最後の歌唱コーナー(呼び方よ...)では、「ジェニー」で非常に声量が上がって情感がこもっていて、熱量を感じたし、「情熱」では、ここまでの「王子」「男」とは全く違う、キラッキラのアイドルスマイルで歌い踊り、 先輩二人を引っ張るかのような勢いで、楽しんでいる!が全身から出ていた。
髙地優吾、一皮むけましたっ!って感じだった。
歌唱について
お歌の話を少しだけ。
星の王子様で歌われた「あなたがどこかで」 ちょうど事務所の名称が変わる、形態が変わる...という最中に行われてた公演。 安全地帯さんの、つまりジェシーが大好きな玉置さんの歌なんだけど、歌詞がとても素敵で。
「あなたはひとりじゃない。僕がいるよ」という詞で。 とてもセンシティブな時期に、いつも一緒にいるよ、空から愛を届けるよ、って。
沁みた。
こーちさんの声って、感情がとっても真っ直ぐに届いてくるから、ホント泣きそうになった。
そして、彼からもらった元気とエネルギーで何とか頑張って10日間の出張から帰ってきて。もう1回見に行こうかな?と更に思い至る。
舞台と推しの魔力
さすがに10月半ば、もうプレイガイドでは売っていなかったので、他で探してみた。
悲しいかな、ありがたいかな、お譲りが千穐楽や1F1桁列などを除いて定価割れを起こしていた(半値~7割くらい)。
このままだと、空席が出るじゃないか。 さらに、ゲンキンな話をすると、地方民としては東京に行って観劇すると約4万ほど(チケ代、交通費込み)、 でも今回はほぼチケ代だけ。
それならあと数回は見れるじゃん(すでに2回観劇済)とも思う。
取りたいときに、軽く見に行けるこんな機会、2度とあるかわからないし。などと思い始めた。
でもチケット交換サイトも、Xでのチケットやり取りも経験がなく、もちろん犯罪に片足……なので、手を出すのにかなり躊躇。。
初回の南座が3階の最後列、2回目の松竹座が2階の前の方、音の聞こえ方も見え方も違った。
せっかくもう1回見るなら1階にしようか、と思って探す。
今回の舞台は、中山優馬君とJUMP高木君が舞台最前に寝そべって観客さんと目がばっちり合う、という演出なので、さすがに前の方はそれなりのお値段(とはいえ安いけど)で転売されていて。
それなら後列でもいっかな~なんて思って、25日の夕方公演、1階後列を譲渡してもらう(何度も言うが良くない)
前日夜、せっかく現地行くなら、かつマチソワで開催されるなら、昼公演も見れるんじゃね?とか更に思い始める。
ということで当日朝にXを覗いたら、当日のお譲りが出ていて。1F後列。譲りたい方と一致をみて、こちらも受け取る。
(チケ交換サイトもSNSでのチケットやりとりも、犯罪に片足突っ込んでることは重々わかっている、、)
マチネ見て......
2回目からの更に進化を感じた。 王子に関しては、自分の星を語るときは夢見るように楽しそうで、同じものが地球にある話をされたときは不貞腐れ、知らない「時間」の概念には「何それ?知らん」の顔をし、日の出を「待つ」と言われて納得して笑い...。
ひとりぼっちの王子が、鳥さん(超越した神様みたいなものでしょうかね?)に願われて、人間を助けに地上に舞い降りた、その世間知らずな感じと、寂しい感じと、でも人間を守ってあげたい気持ちがくるくる変わっていく様に、
「もっと舞台やりたい」と去年言い切ったこーちさんの、想いと情熱と、京都公演後に悩み続けた数か月を感じた。
男についても、深刻に沈み切った最初の姿と表情が、優馬くん演じる「やせ細った青年」との共感と議論から、だんだんと目に輝きが出て、星降る夜のシーンでは、キラキラした笑顔に変わっていく様が、とてもよくわかって、 更に素敵だった。
高木君は喉の調子が悪そうで、それを補ってそっと助けているこーちさんも見られたし、優馬君もちょっとセリフ抜けしてるように見えたし...
でも、こちさんは、公演を重ねるたびに力強さが増していた。
夏も加湿器付けて頑張って、SixTONESのツアーで全公演生歌で歌いまくって、グループでいる時は騒がしく話しまくってるSixTONES、やっぱり喉の鍛え方、そして、きょも直伝の喉の労り方が違うな、とも思って誇らしくなった。
1階席は、音響も見え方も違ってて。同じ舞台でも公演の違いと場所の違いを感じることができた。
ソワレでは、最後に「情熱」の歌が飛んじゃって、みんなで笑っちゃうハプニングがあったんだけど。 他二人が一生懸命持ち直そうとしている間も、こーちさんはずっと笑ってて、歌えなくなってて、すごくかわいらしかった。 更に、自分の歌唱シーンじゃないところでは、アンサンブルさんの列に入って一緒にダンスしたり、ふざけたり、 誰よりも誰よりも楽しんでるぞ!って全身で表していて。
ホントホント、大好き。
複数回観劇する意味、って私は最初分からなかったけど。 成長と、その場の空気を毎度楽しみにいくものなんだな、って分かった。
正直4回も見ても、話の中身や演出は納得いってないけど......(笑) 本人が楽しそうなら、ファンは幸せなんだな、ということが如実にわかった。
次回以降の自分への伝言。
仕事と同じで、今という「時」は2度とないんだから、時間も仕事もどうとでもなる。 高いとか思わず、心惹かれるなら突っ込め。
定価+くらいなら、前方席に座れ。
最後にお話の内容(私なりのかみ砕き)
内容1: 星の王子様(王子こーちと、遭難した青年高木君)
青年の独白で始まり、空から落ちてきた星の王子様と1週間の旅の話
目には見えないけど空からアナタを見つめているし、自分しか会っていない王子は証明できないけど存在しているし、見えないからこそ素敵なものもある(お化けが出る噂があるから価値がある古屋敷とか、埋蔵金があるという噂があるからこそロマンがある、的ことかな?)
内容2: 噴水に住む人魚に恋してしまった男と親友の話
深夜2時に公園の淡水人魚の彼女を親友に紹介しようとしたけど会うことはできなかった。親友は大事な話だからと呼び出されたが、あまりに奇想天外過ぎて友情が壊れてしまう。
夢の話なのか?現実の話なのか? で も見えないけれど、大切な人は大切なんだよ。ということなのかもね。
内容3: やせ細った男と悩む男の話 女の子に囲まれていて、でも厨二病ぽいやせ細った男。一方、母を始めとした醜い幽霊に囲まれている悩む 男。痩せた男は、悩む男に憑く幽霊が見えるからという理由で仲良くなり、議論しているうちに星に満ちた世界に引き込まれる。
星は恐らく悩みや煩悩は必要なものなんだよということ、と、見えないものに大事なものがあるんだよ、という気付きを表して いるんだと思うんだけど。
実際は分からない。
その星の世界に、なぜか高木君が合流するあたりから、物語と現実?が曖昧になって、謎なまま終わった。
(2023年の10月末に書き殴った何かを、2024年の10月に、少し書き直し)