曲考察 無限転調編
初めまして!みかん( @kankitsuisseigi )です!
普段はボカロを使って曲を作っています。
まだまだ初心者で日々勉強中ではありますが、ボカロPというやつです。ボカロPって言い方めっちゃかっこええですよね。興奮してきたな
noteでは音楽の話を軸に、勉強した内容やおすすめしたい曲など、ダラダラと書いていこうと思っているので、宜しければおつきあいください。半分自己満です。てかほぼ自己満です
さて、先日卒論の関係で、近年流行ったJPOPを総ざらいしていたのですが(どんな卒論やねん)、その中でめちゃくちゃハマった1曲を今回は紹介したいと思います。
(ここまでお読みの方は何となくお分かりかもしれませんが、どう考えても曲の鑑賞をするに足る語彙がないのでそこはご容赦ください。 なら紹介すんな それはそう)
1.「チョコレートメランコリー」
今回ご紹介したいのはこの曲です。
≠ME(ノットイコールミー)/ 3rd Single『チョコレートメランコリー』【MV full】
元AKB48の指原莉乃さんがプロデュースする「≠ME(ノットイコールミー)」というアイドルグループの3枚目のシングル曲です。お恥ずかしながらこの曲に出会うまで私は≠MEについて全く知らなかったのですが、チョコレートメランコリー以外にも良い曲がたくさんあってほくほくしてます。
まずは「最後まで」聞いてください。
1番までとかで聞くの辞めるとめちゃくちゃ損します。まじで
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この曲転調の量ヤバくね!?!?!?!?!?!?!?!?!
…ということで、この曲について、「転調」という軸で考えていきたいと思います。
転調って何やねん!という方でも大丈夫です、私もよく分かっていません()むしろ教えていただきたいくらいです。
このブログを書くにあたって、いろいろ勉強しつつ考察してみます。
(転調ばかりに気を取られて最初は気づきませんでしたが、指原莉乃さんの歌詞も、恐らくバレンタインがテーマの曲にしては珍しくダークで含蓄に富んでいてめちゃくちゃ良きです 様々な視点でもって曲を聞くといろんな発見があって面白いですね)
2.そもそも転調とは
転調とは何なのかを解明するため、我々調査隊はアマゾンの奥地へと向かった……向かわなくて大丈夫ですすぐ戻ってきましょう。漢字の意味を考えてみます。
転調とは文字通り「『調』が転じる」ことをいいます。
では「調」とは何なのか、我々調査隊はアマz……もうくどいですねやめましょう
「調」(=調性、キーという言い方もする)とは、ある音を中心とした音階上のまとまりのことだと言われます。中学の音楽の授業で習った、「ハ長調」とか、「イ短調」とかそういうやつです。
例えば、「ハ長調」だと「ハ」の音つまり「ド」の音を中心として、「ドレミファソラシド」といった「長音階」が使われる、といったぐあいです。
という理論っぽいところもありますが、大事なのは、例えば長調は明るいイメージ、短調は暗いイメージといったように、この「調」が曲の雰囲気を決定づける重要な鍵になるということです。キーだけに。
調は全部で24個ありますが、そのそれぞれにおいて我々に与えるイメージや雰囲気が違ってくるのです。(もちろん個人個人で調ごとに受けるイメージは異なる)
とても分かり易く解説しているサイトがありました↓
つまり「転調」には、曲中の雰囲気やイメージをガラッと変えるはたらきがあるということですね。
すげえ。
3.実際の転調
では実際に、「チョコレートメランコリー」の調性、転調について考えてみます。
まず、ベースとなる調は「変ロ短調(=B♭m)」です(間違ってたらごめんなさい)。
先ほどの調性のサイトによると、変ロ短調は「陰暗で憂鬱で、くすんだ響きが特徴的」なイメージだと紹介されています。(もちろん個々人によって聞こえ方は異なる)
タイトル通り、本来楽しいバレンタインのはずが、どこかダークな、憂鬱(=メランコリー)を感じさせる調性が採用されていますね。言い方は良くないですがちょっとメンヘラ気質なバレンタインといった感じなのでしょうか。
この変ロ短調がどのように変わっていくのか見てみましょう。
1サビ:変ロ短調→ト短調
1サビの始まりで変ロ短調→ト短調(=Gm)へと転調します。主音がシb→ソへ3音下がりました。暗い雰囲気を残しつつ、少し明るさもある状態でサビに入っていますね。
1サビ後半:ト短調→嬰ト短調
1サビの後半でさらにト短調→嬰ト短調(=G#m)へと転調します。
この曲がすごいのはサビ直前とサビ途中で2回転調するところです。曲の雰囲気が目まぐるしく変わってどことなく焦燥感があり、聞いている側が全く飽きないですよね。
ここでは主音がソ→ソ#と1音上がり、#系列の短調が初めて使用されています。なんとなくサビ後半は以前までのような暗いイメージの中に少し明るさのようなものがみえるような気がしたりしなかったり。
1サビ終わり:嬰ト短調→変ロ短調
1サビが終わると嬰ト短調→変ロ短調へと転調します。主音がソ#→シ♭と2音上がり、元の調に戻りました。主音が(シb→)ソ→ソ#(=ラ♭)→シ♭と音階をなぞるような形で上がって元に戻っていてとてもきれいです。だからこんなに転調が多いのに意外とそのことに気づきにくいのかもしれません。
2サビ:変ロ短調→ト短調
2サビ後半:ト短調→嬰ト短調
1番のときと同じです。
2サビ終わり:嬰ト短調→嬰ハ短調(?)
2サビ終わりは1サビ終わりとは違い、嬰ト短調→嬰ハ短調(=C#m)へと転調します(耳悪くてあってるか微妙です…ごめんなさい)。主音がソ#→ド#と5音もあがりました。#系列の短調が続きます。
落ちサビ:嬰ハ短調→ホ短調(?)
落ちサビでは嬰ハ短調→ホ短調(=Em)へと転調します。主音はド#→ミへと3音上がりました。#系列の短調が続きます。暗いながらも情熱を溜め込んでラスサビへ向かっていくような感じを受けました。
ラスサビ前半:ホ短調→嬰ト短調
ラスサビでは、まずホ短調→嬰ト短調へと転調します。主音はミ→ソ#へと8音下がりました。お気づきでしょうか。この調、1サビの「後半の」調と同じです。1サビ後半の盛り上がりをラスサビでは前半に持ってきているのですね。ラスサビ後半の更なる盛り上がりへの期待が膨らみます。
ラスサビ後半:嬰ト短調→イ短調
後半では、嬰ト短調→イ短調へと転調します。主音はソ#→ラへと1音上がりました。盛り上がっていた嬰ト短調から更に転調で1つキーをあげ、曲のラストへとたたみかけています。
アウトロ:イ短調→ロ短調
最後にイ短調→ロ短調へと転調して曲が締めくくられています。主音はラ→シへと2音上がりました。このように見ると、曲前半は♭系列の短調ばかりであったのに対し、曲後半はほぼ#系列の短調で構成されていますね。
4.まとめ
いかがだったでしょうか?
結局、この曲には調が8つもあり、転調が10回も行われているということがわかりました。凄すぎる……
今回はやりませんでしたが、転調の意図を歌詞の意味と照らし合わせながら考えると、より深い考察ができそうです。
少しでもこの曲にハマって貰えるとうれしいです!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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