日本でも韓国でもベストセラー!BTS(防弾少年団)Vの愛読書『言葉の力』 日本語版によせた「おわりに」無料公開
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秋の気配もいよいよ濃くなってきた今日このごろ。秋といえば読書ですよね。現在、「沼ること必至! 韓国文学好き編集者が選んだ“推し本”フェア」を開催中の当社。当社&他社さんのおすすめ本を5冊ずつ選書して、POP付きで展開中です。フェアで当社の対象書籍をご購入いただくと、1冊につき1枚、特典としてポストカードがついてきます(*ポストカードは選べません)。
ちなみに当社のフェア本5冊は…
『世界の古典と賢者の知恵に学ぶ 言葉の力』
『花を見るように君を見る』
『愛だけが残る』
『本当に大切な君だから』
『アンニョン、大切な人。』
自己啓発書、詩集、エッセイと幅広いジャンルを選書しました。すでに韓国文学にハマっている人も、読んでみたいな~と思いつつ放置していた人も、この機会にいかがですか? 日本文学とはひと味違った魅力に出合うかもしれません。
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フェア開催を記念して、かんき出版の韓国書籍チームのアカウントでは、対象書籍が抽選で当たるプレゼントキャンペーンを実施中です。本記事では、プレゼントキャンペーン中『言葉の力』の「おわりに 日本語版によせて」を公開します。
ちなみに、『言葉の力』についてはこちらのnoteでも詳しく紹介しています(当社ARMY 広報Sの熱量を感じてほしい!)。ぜひ読んでみてください。
おわりに 日本語版によせて
本書は言葉についての本です。話し上手とはどういうことか、話がうまくなるにはどうすべきかについて説明しました。ところで、言葉というものは、その言葉が使われている共同体の文化を反映しています。特殊性を帯びているということです。そのため、韓国社会で育った私たちが書いた本が他の国で刊行される場合、文化の違いから生まれる違和感が気になるものです。ですが、日本語版ではそうした心配がありませんでした。なぜなら、韓国と日本の両国は地理的にも近く、それだけ文化や生活スタイルもよく似ている隣国同士だからです。
もちろん両国にも違いはありますが、東アジアの哲学と文学を専攻した者から見たら、さほど大きなものではありません。本書で引用した人文学の古典も日本社会、少なくとも日本の学界ではよく知られている名前でしょう。朝鮮韓国の思想家については少々なじみが薄いでしょうが、李滉(98ページ参照)は藤原惺窩〔1561―1619。安土桃山〜江戸時代前期の儒者〕や佐藤直方〔1650―1719。江戸時代中期の儒者〕などの日本の儒学に影響を与え、早稲田大学政治経済学科に留学して近代の学問を学んだ崔益翰(131ページ参照)も日本とは浅からぬ縁があります。ですから、私たちは本書の真意がきっと日本の読者にまっすぐ届くだろうと期待しています。
日本語版の刊行を前に、心残りもあります。伊藤仁斎〔1627―1705。江戸時代前期の儒者〕、荻生徂徠〔1666―1728。江戸時代中期の儒者〕、松尾芭蕉〔1644―1694。江戸時代前期の俳人〕、与謝蕪村〔1716―1784。江戸時代中期の俳人、画家〕といった、日本の偉大な思想家や詩人たちを紹介できなかった点です。韓国の作家が日本の古典を解説し、それがまた日本に紹介されれば、きっと面白みが増したことでしょう。同様に、李瀷〔1681―1763。朝鮮王朝期の儒者〕や朴重彬〔1891―1943。仏教の一派である円仏教の教祖〕などの朝鮮の独創的な思想家をもっと多く紹介できなかったことも残念です。もちろん本書は学術書ではありませんが、著者として正直に言えば未練が残るところです。
最後に、この場を借りてお礼をしたいと思います。みなさんの中には、BTS(防弾少年団)のVが本書を愛読していたことを覚えている方もいるでしょう。本書が日本で刊行されることになったのは、BTSのおかげでもあります。BTSとそのファンのみなさんに感謝の言葉を捧げます。
花の香りは風に逆らうことはできませんが、美しい人たちの言葉は風に逆らって世界へと広がっていきます。風に打ち勝つ美しさのように、BTSとファンのみなさん、そして日本の読者の方々の美しい言葉も、さらに広がっていくことを願っています。
2020年3月
シン・ドヒョン ユン・ナル 拝