見出し画像

三条市で勉強してきました

7月24日.25日に八十里越期成同盟会の総会があり只見町議会全員で参加してきました。期成同盟会とは、同じ目標の実現に向かって、結束して活動する人々の組織のことだそうです。
今回で言うと、新潟県三条市と福島県只見町を結ぶ、国道289号八十里越の開通を促進、機運を高めることを目的とした組織となると思います。構成会員は両市町の首長と議会議員となっているはずです。

国道289号の工事進捗・説明会

工事進捗の説明としては、順調な印象です。令和8年秋~令和9年夏頃の開通を目途に工事が進められています。
※福島県側の(仮)平石山トンネルの工事完成は上記には間に合いませんので、冬季以外の開通になるとの説明でした。

工事説明会で配布された資料です。国、新潟県、福島県と3工区に分かれているので、各々が資料を作成して説明してくださりました。
子どもたちに向けて、工事説明会などもされている活動なども記載がありましたのでぜひ見てみてください。
(↓ファイル表示に時間かかります)

質問しました

説明会に質疑の時間を設けていただいたので、2点質問しました。回答の理解が不十分なので話半分で読んでください。自分以外の質問のメモをとっていなくて他議員が質問されたことは忘れてしまいました。すみません。

Q.長岡国道事務所(国管轄)様へ。携帯電話の電波の必要性の考えは?

A.民間事業者さん(主に大手キャリア)の判断で基地局を建てるのが大前提です。直轄の担当ではないが(総務省担当?)基地局の新設は難しいと聞いています。

Q.南会津建設事務所様(福島県管轄)へ。除雪についてです。今回の工事区間以外(只見町叶津~下郷町)までの夜間の除雪の考えは?
先ほど開通すると、交通量が6倍になるとの見込みとお話をされていた。本工事区間のみ24時間除雪し、通行できるようにしても、その先の区間で除雪できていなければ安全な通行ができないと考えます。

A.(明確なお答えではなかった記憶です。質問の趣旨は理解いただき、丁寧な姿勢でお答えをいただいた記憶です)

新潟県央基幹病院 の視察

ご多用の中、院長先生自ら視察の受け入れをしてくださりました。ありがとうございます。

新潟県央基幹病院は今年(2024年)3月1日に開設した大きい病院です。只見町が視察に伺った目的は、この病院が県央エリアでの救急医療体制の構築を目的とし、只見町から1時間10分ほどでアクセスできる二次救急医療機関になるからだと思っています。

県央エリアとは

我々、福島県民としては「浜中会津」と聞けばわかるように、おそらく新潟県民は「県央」と言えばあそこね。なんだと思います。
三条市、燕市、加茂市、田上町、弥彦村の5市町村のエリアのようです。

新潟日報より引用

二次救急医療機関とは

一次救急:軽症患者に対応する一般の外来診療
二次救急:入院・手術が必要な重症患者を24時間体制で受け入れ
三次救急:最もハイレベルな救命救急医療に対応

ソラジョブ医療事務

朝日診療所は一次医療機関で、かかりつけ医の役割のイメージです。

医療提供体制の再整備の方針

視察でいただいた資料(9頁)には、このように記載されていました。

○今後の医療需要等に対応するため、県央地域全体の医療再編が必要
→「地域で高度な医療を支える柱となる病院」として、県央基幹病院を整備し、緊急医療や高度・専門的な手術、外来が必要になったときに、質の高い医療を提供
→ニーズの多い入院(後期高齢者・軽症患者等)・外来については、地域包括ケアを支える地域密着型病院(済生会三条病院、県立加茂病院、吉田病院)等で対応

質問しました

Q.国道289号が開通すると県央基幹病院は、只見町にとって2時間かかっていた二次救急医療機関までのアクセスが約半分の時間で受診できるようになります。今後、より良い関係を築いていきたいと考えますが、こちらではどのようなことをすればよいでしょうか?現在は無床の(入院できない)町営の診療所です。

A.気構えなくて大丈夫です。地域密着型の診療所として運営してください。こちらで救急受入を断ることはないです。

話はええー。頭の良い方って答えが短くて明朗。歩くのめっちゃ早い。
答えはだいぶ良い方向に記憶を改ざんしているかもなので、話半分で読んでください。資料の15頁に地域密着型病院の主な診療機能が記載されていましたので補足で記載します。

  • 日常の身近な外来医療

  • 慢性疾患をもつ高齢者などの入院診療、重症化予防

  • 旧世紀を脱した患者の県央基幹病院からの転院受入

  • 平日・日中の軽症者患者を中心とした救急受入

院長に「町民の方にこの資料を見せてもよいですか?」と尋ねたところ、快諾いただきました。町民でご希望の方はご連絡ください。一般公開までは了承いただいていないので、このような形をとらせていただきます。

三条市図書館等複合施設まちやま の視察

JR北三条駅から徒歩3分のところにある「三条市図書館等複合施設まちやま」に視察に伺いました。資料をいただいたのですが、有料で視察を受け入れているので、資料の一般公開はNGでしたので、掻い摘んで記載します。

まず思ったことは、すげえな三条市。です。素晴らしい施設です。本当に。うらやましい。説明資料がまずしっかりしている。そりゃあお金取れます。

資料のもくじ

・新潟県三条市とは?
・設置の背景
 ーまちやまができるまでの移り変わり
・建物
 ー建物概要、施設内外のつながり
・まちやまの運営
・各施設の紹介
 ーステージえんがわ、三条市立図書館、科学教育センター、鍛冶ミュージアム
・飲食事業・オリジナルグッズ
・指定管理者
 ーツクール・ド・さんじょう
・まとめ

検討から4年で完成

2018年に検討会議を開始して2022年にこの施設が完成しています。わずか4年超スピード。設計は2019年、施工は2020年~2022年。
「このスピードで進めるって、どうやって合意形成を諮ったのですか?」と担当者の方に質問したところ、当時の市長がきっちりと説明された。というようなニュアンスのお答えでした。謎は深まるばかり。

目的・コンセプト

建物コンセプトは、「つなぐ」です。
ここがすごくしっかりされています。建物のコンセプトまであるのが完成度が高いと感じました。小学校の跡に建てる。そういう歴史的背景もしっかり考えられています。

そして施設の設置目的は、条例(三条氏図書館条例)を改訂されていました。


市民の教育及び文化の発展に寄与することを目的とする


市民の豊かな知性及び感性を育む多彩な学習活動の活発化を図り、もって市民の教育及び文化の発展並びにまちなかのにぎわい創出に寄与することを目的とする

運営コンセプトは、「学ぶ」「見る」「触れる」です。さくっと書きますが、僕はこういうところを重要視しています。

施設の特徴

3階建てになっており、上層階に行けば行くほど静かな環境になる。というのはマジで思いつかないです。プロってすごい。
三条を代表する金属加工の技術と木質がマッチした内装にもなっていて、低層の本棚は小さい子供向けの高さが低いものになっています。
詳しくは見に行ってみてください。とっても素敵です。

周辺施設

三条鍛冶道場で和釘をつくる体験ができる。ステージえんがわは公民館の機能に加えて南インド料理を提供する店舗がある。歴史民俗産業資料館別館「ほまれあ」で三条市にゆかりのある方の博物館がある。

特に南インド料理を提供する「三条スパイス研究所」はカレー界隈では、めちゃくちゃ有名なスパイスカフェの伊藤さんが監修。すごく美味しい。

この事業を、前市長が議会にとおしたのがほんと謎です。ほんとすごい。
地方議会あるあるな話をすると、「なんでカレーなんだ」「南インド料理って誰をターゲットにしているんだ」「三条と言えばラーメンだろ」のような議会からの「打ち手100連発」で、尖ったコンセプトは木っ端みじんで解散が通例かなと思うのです。議員一人ひとりの鼻の穴にカレーを埋めていったのかなと妄想するぐらい議案をとおす方向が浮かばないです。ほんとすごい。

というわけでお金の話です(前置き)

これだけの施設ってやっぱりお金のことが気になりますよね。ということで三条市の財政状況を調べたら、すっごい情報公開が進んでいました。そして人に伝える(デザイン)という意識がしっかりされています。例えば令和6年度の予算資料。

その中の一般会計の当初予算のポイントというのが、わかりやすく2枚にまとめられています。よくある行政のポンチ絵ではなく。
以前、視察に伺わせていただいた燕市さんも伝えよう(予算を通そう)という意思が素晴らしかったんですよね。

令和6年当初予算のポイント

当初予算のポイントを見てびっくりしたのですが、経常収支比率が100%を超えています。令和6年度の決算見込みが。実質公債費比率も15.4%の高い水準から下がっているとはいえ、只見町と比較したら高いと思ってしまいます。(只見町の令和4年度決算では、経常収支比率が84%、実質公債費比率が3.2%です)

令和6年当初予算のポイントより抜粋

経常収支比率(けいじょうしゅうしひりつ)
人件費、扶助費、公債費などの「経常的にかかる経費」に、毎年度「経常的に収入が見込まれる一般財源」(市税、普通交付税及び地方譲与税など)がどの程度充当されているかを表す指標。
比率が高いほど、「経常的に収入が見込まれる一般財源」が「経常的にかかる経費」に使われていることになり、経常的にかかる経費以外(例えば施設等整備費など)に使えるお金が少ない状態(財政が硬直している状況)であるといえる。

経常収支比率が100%を超えると、「経常的にかかる経費」を「経常的に収入が見込まれる一般財源」で賄えていないこととなる(≒基金の取り崩しなど、臨時財源で対応している)。
全国的に、扶助費の増加などにより、増加傾向にある。

横浜市HP

なにを経常的な支出とするかは、自治体の判断によるところもあるのではないかなと思います。なので中身を見ないまま、高い低いを言うのは意味がないなと思いますのでこの辺で。

というわけでお金の話です(本編)

「三条市図書館等複合施設まちやま」の建設費は、解体工事や基本設計なども含めて総額35億円です。

開館時間が午後10時まで(素晴らしい!すごい)と延長し、延べ床面積が今までの2倍以上になったことで、水道光熱費が635万円から1,880万円になっているようです。色々と高いなあと思ってしまいますが、三条市は2021年に三条市立大学を創立しています。

これはやっぱり高校を卒業したら、他地域へ人口が流出してしまうことへのストッパーの目的もあり、創立したんではないかと思います。なのでそこの学生たちが勉強できる環境(健全な学生のたまり場)整備の一環でもあるのかなと思います。木を見て森を見ずだと物事の本質や繋がりが見えないまま判断を誤ってしまうなと自戒。

三条市の令和6年度の当初予算資料がそのままが載っています。そこの241頁に生涯学習費の指定管理料が約2億8千万円と記載がありました。

令和6年度三条市予算書

視察中にお伺いした指定管理料は2億円でしたので、複数の施設があるのだと思います。ということでざっくり抜粋すると

  • 建設費35億円

  • 指定管理料2億円(毎年の運営費みたいなの)

只見町の湯ら里と比較して考えてみよう

雑に抜粋して書いてみます。

只見町
・一般会計 60億円
・湯ら里の指定管理料 6,000万円
割合 1%

三条市
・一般会計 500億円
・まちやまの指定管理料 2億円
割合 0.4%

こうやってみると、まちやまの指定管理料って安く見えませんか。

「2億円も図書館に毎年使ってんのか!」から「住民の福祉増進のために、全体のお金から0.4%だけ図書館に使わせて下さい」ってなるような気がします。会計と言い方っておもしろいですね。

まとめ

夜の懇親会で、私が山口百恵の「ひと夏の経験」を歌ったら、三条市さんから千昌夫の「北国の春」を返してくれました。友達になりました。

今後も切磋琢磨して、めんどくさい熱量で僕たちの仕事について語り合いましょう!

とても良い勉強となりました。
書ききれないこともありますので、いつでも気軽にお声かけください。もしくは先に伺います。ではまた。