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世界を変えた感染症 を勉強してきました

こんにちは。只見町議会議員の菅家忠です。
令和3年2月22日に竹田美文(たけだよしふみ)さんの「~世界を変えた感染症 世界大流行~」講演を聞いてきました。竹田美文さんは、国立感染症研究所の所長を務められた経歴のある感染症のプロフェッショナルです。
ワクチン接種を目前に控えたこの時期に、専門家の考えを勉強するというのが今回の目的でした。wikipediaにも載るぐらいの方です。

ワクチン接種に関する講演の結論

1.ワクチン接種した方が死ぬ確率が低い
2.人口の7割以上がワクチン接種しなければ、コロナは収束しない

感染症のプロフェッショナルの竹田さんは、ワクチン接種推奨しています。竹田さんは、コレラの専門家であったそうです。「私は新型コロナウイルスの専門家ではありません。ですので人類と感染症の歴史について講演します。」とのことです。結果めちゃくちゃ面白かったです。以下、上記に至った結論、歴史に学ぶ感染症を記載します。誤りがないように書きますが、誤りがある箇所はご容赦下さい。

感染症とは

感染症とは、人の体内に原因の微生物が侵入し、増殖し、症状を起こした場合に感染症に罹ったと定義している。

感染の種類

経口感染:食べたり飲んだり(コレラ、ノロウイルス)
接触感染(直接):接吻、性行為(HIV、梅毒)
接触感染(間接):ノミ、蚊などによる刺咬(マラリア)
空気感染:数十mで感染する。結核、麻疹(はしか)、水疱瘡(みずぼうそう)
飛沫感染:1~2mで感染する。かぜ、インフルエンザ、SARS、新型コロナウイルス

マスクは唾液などが飛んだ箇所のウイルスを口元にもっていかないために重要。スペイン風邪は、手洗い、マスクをする、密を避けるを徹底されなかったために大流行したとのことです。

世界3大感染症

1.天然痘
2.ペスト
3.スペインかぜ

新型コロナウイルスは後世からみると世界4大感染症になるだろうということです。

天然痘

飛沫感染、空気感染、接触感染。1930年代には天然痘は無くなった。
紀元前1157年没のラムゼス5世のミイラは天然痘にかかっているのがウイルス学者によって実証された。天然痘を根絶するのに3,000年かかった。

1520年に5,600万人死者が出た。まだアメリカ大陸未発見時代での数字なので正確さに欠けるところはある。アステカ、インカ帝国は天然痘で滅びた

日本へは仏教伝来とともに天然痘が入った。552年、585年。
737年 平城京で大量の死者。藤原4兄弟死亡。政治的社会的大混乱
743年 天然痘を収束祈願のために東大寺が作られた(奈良の大仏)
869年 祇園祭も天然痘の収束祈願祭
1713 年 会津で流行 そのために赤べこ、赤べこの黒点は天然痘の斑点
1866年孝明天皇は35歳で天然痘で死去。会津城落城

1897年 伝染病予防法 制定。法定伝染病はコレラ、赤痢など
1998年 感染症法 制定。それまで100年ほど法律は変わらなかった。
2012年 特措法 制定。新型インフルエンザ等対策特別措置法
同時に検疫法も改定された。検疫法は刑罰がある。

世界で初めてのワクチン

牛の天然痘=牛痘にかかった人は、人の天然痘に罹らないことが発見された。1790年ほどのこと。これがワクチンの始まり。
ワクチン=Vaccine は、ラテン語の「雌牛=Vacca」に由縁。

天然痘の日本の最後の患者は1955年
種痘の廃止 1976年
1980年WHO総会で天然痘根絶宣言をおこなった。天然痘が世界からなくなった。

天然痘制御から学んだこと
感染症はワクチンによって制御できる。

ペスト

野ネズミに寄生しているノミに咬まれて寄生する。感染者は呼気からウイルスがでるようになる。14世紀ヨーロッパの人口の1/4〜1/2とも言われる4,000万人が死亡した。制御の方法がなかった。

検疫が始まったのは1377年ベネチア。停泊した船をすぐに入れない。
1894年 北里柴三郎が香港でペスト菌を発見。菌を見つけることにより治療薬が開発された。
1928年にペニシリンが発見。世界初の抗生物質

ワクチンも有効な薬剤もない時代に感染症の大流行が収束した。なぜかいまだに不明。調べようがないが、今の時代にもできるということ。

スペインかぜ

流行した時はかぜ扱い。今でいうインフルエンザ。かぜは紀元前から存在する記載がある。

かぜの原因は微生物。細菌、ウイルスなど20種類以上。

世界の総人口は18-20億の時代。世界人口の1/4にあたる5億人が罹る。
1918年3月 アメリカのカンザス州で発生。第一次世界大戦中。ヨーロッパ中に広がった。中立国はスペインだけだった。死者の数を報道していたのがスペインだったのでスペインかぜとよばれるようになった。

日本では、患者数23,804,673人、死者数388,727人。内務省衛生局が発表。
当時の人口は約5,500万人。日本の人口の1/2人が感染

野口英世の母もスペインかぜで死亡。1918年3月のアメリカでの最初の感染者からわずか8ヶ月

第一次世界大戦
パリ講和会議1919年1月18日〜6月28日。パリでスペインかぜ大流行中。ざっくり言うと「アメリカは敗戦国に寛容、フランスは敗戦国に制裁」派。

1919年4月 敗戦国に寛容派のアメリカのウイルソン大統領がスペインかぜに罹る。フランスがイケイケになり敗戦国に厳しい制裁をする方向になった。
1919年6月28日 ベルサイユ条約に調印。ドイツに厳しい経済制裁。ナチスの台頭。第二次世界大戦へ。天然痘が第二次世界大戦の要因の一つでもあると医学的にはみることができる。

天然痘制御から学んだこと
ワクチンの開発が必須である。有効な薬剤の開発が必須である

1933年インフルエンザウイルスの発見
1951年インフルエンザワクチンの開発成功。発見から18年。
1996年にタミフル開発、2001年に日本で承認。
有効な薬剤までスペインかぜ大流行から80年かかった

新型コロナウイルス

さまざまな哺乳動物や鳥類がコロナウイルスを持っている。異なるコロナウイルス。風邪のコロナウイルス4種類。ほぼみんなこの4つのウイルスにかかっている。コロナウイルスは珍しいウイルスではない。

SARS 重症急性呼吸器症候群。これもコロナウイルス。
ベトナム、香港で抑え込められた。

MERS 中東呼吸器系症候群 これもコロナウイルス。

新型コロナウイルス
キクガシラコウモリ、センサンコウから。
80歳以上は3割死亡。糖尿病、高血圧も死亡率が高いがなぜかがわかっていない。

スペインかぜと新型コロナウイルスの違い
ワクチンがない治療薬がないという点で違いはない。行政の対策法が違う。手洗い、マスク、密を避ける徹底。情報の伝達手段が違う。なので感染拡大が抑えられている。

ものをこわがらな過ぎたり、こわがり過ぎたりするのはやさしいが、正当にこわがることは、なかなかむつかしいことだと思われた。寺田寅彦

細菌とウイルスの違い

細菌は自分で増えることができる。細菌は増えるところを止めてやれば止まる。ウイルスは人間の細胞の中で増えるので、細胞を殺さずウイルスだけを殺すのはとても難しい。

ワクチンを接種した方が良い

高齢者の死亡率は高いデータが有る。感染症拡大防止には、7割以上の人がワクチンを打たないと感染拡大を抑えられないデータがある。
12月までに打ち終えると、3月ごろには大きな感染がないと思われる。ワクチンの効果はこれから追跡していかないとわからない。先行摂取は抗体の状態を確認する。その状態により、毎年打つ必要があることもある。今のインフルエンザワクチンは5,500万人以上受けていない。7割以上うつとインフルエンザは流行しない。和製のワクチンができない理由は自分で調べよう。

とのことでした。講演中にメモしたものなので箇条書きですが、こんな感じです。