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浅草にて

不思議な感覚だった。

7月6日土曜日、前から楽しみにしていたコントライブに行く。
ジョビジョバの「シン・ロクタロー」今回は過去作を中心の赤バージョンがあり、その回を見た。場所は浅草雷5656会館。向かっている最中に大きな雷が鳴り響く状況だった。

そもそも浅草という町が浮世離れしているというか、風情があって情緒があって、いい意味で時代が止まっているところ。一歩踏み込めばタイムスリップした感覚を覚える。浅草寺や仲見世通り、花やしきや老舗の数々がその空気を醸し出しているのだが、個人的はある映画の影響が大きいのだ。
『異人たちとの夏』
大林監督で山田太一脚本だ。内容は未見の方もいるので割愛するが、主人公が亡くなった両親と触れ合うのが“夏の浅草”しかも繁華街を抜けた場所なのでまさに雷5656会館あたりか…。この映画がすこぶる良い映画で泣けるんですよ。もう嗚咽に近い。
見ていない方はおススメします。ちなみにそれをベースにした英国映画「異人たち」も見ましたがこれもGOOD!

夏。浅草。雷。名画。そして懐かしいコント。割とスタート前から琴線が揺れ始める。笑いに行ってるのに違うモードが発動していくのだ…。
ジョビジョバのコントライブは素晴らしかった。旧作といえどもどれもアップデートとアレンジを加えていて、ちゃんと2025バージョンに進化していた。CWニコル部だってご本人がいない状況をうまく昇華させていた。どれも古くない今のコント!いや〜お見事です。

僕はジョビジョバとはわりと古い付き合いで「胸騒ぎの土曜日」からでしょうか?もう25年になります。もちろん彼らのコントライブを全て観たわけでない。でも割と追いかけている方なんですね。最初は仕事の付き合いで見だしたが、途中から完全に一ファンとして見守ってました。だから活動休止はショックだったし、再開はとても嬉しかったんですよ。
そして今回の「シン・ロクタロー」。
笑いに来たのに泣いてしまう。それは演出マギーが意図しないところだからホント申し訳ないんですが笑、泣けるんだから仕方ない。
坂田が禿げてるからか、石倉がここにきて上手くなってしまったからか、六角のフォルムが止まっているからか、明水の読経のせいか、ハセがもうベテランの安定感を出してるからか、ずっと楽しんでるマギーのせいか…。
夏の浅草は時空を歪めてきやがるぜ。
幸せな時間を過ごさせていただきました。

そしてここからが僕の僭越な空想なのだが…
例えば25年前に戻って6人がジョビジョバを何回かやり直したとして
(余計なお世話ですがこういう事皆さんも考えたりしますよね?)
色々なジョビジョバのパターンがあると思う。東京ドームジョビも武道館ジョビも…もしかしたらカーネギーホールジョビだってあったかも知れない。それは分からない。
でもきっとこの雷5656会館ジョビが…とってもジョビっぽかったのです。
↑ゴメンね、コレは誤解されるかも。マギーに「いや俺は東京ドーム行こうと思ってるし」って怒られそうです。
でもあの空間でしか出せない笑いがあり、年月を経て辿り着いた味や皺やかすれ声が良かった。こんな無粋なことを書かせるぐらい今回の6人はカッコ良かったです!

作りもので笑おうと思って行ったら、ドキュメントで泣かされました。
ありがとう、お疲れ様。

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