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2020年8月の記事一覧

一輪(詩)

長い螺旋を 辿ってきた
今宵の鐘は ぬくもりを伝える

儚いかけらを 集めてきた
今宵最後の ひとつを受け入れ

咲いた 額の中に咲いた 一輪を
がんばりすぎないほどに 続けていこう

朝から夜は 長いようで短い
これから先は 短いようで長いから

雀の音や 5時のチャイムとか そこにあるものを
普通に受け入れ 普通を吐き出す それでいいだろう

咲いた 額の中に咲いた 一輪を
がんばりすぎな

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夜は(詩)

夜は深く吸い込んでいく
体を柔らかに包み込んでは

赤い頬を隠すように
淡い螺旋を描いている

まだ何も 知らない

互いは 溶け合っていく
軽率だろう 単純だろう

まだ灯りを絶やす気はない
不確定だろう それを勇気と呼べるか