高齢者をカモにする大手IT企業
齢80近い父が入院したので約20年ぶりに実家に帰省したところ、もうパソコンを使わなくなったにも拘らず複数のプロバイダと契約したまま放置する等、各種手続きが未遂だった。
以前から痴呆気味だったが、暫く会わないうちに症状が進んでいたらしい(-_-;)
中でも難儀したのが、某大手IT会社の解約手続き。
シンプルスマホしか使わないライトユーザーだったのに、いつの間にやらハイスペックの機種に変更。と同時に、所有していない固定電話の接続用ユニットを買い受けていた。その外箱に「帰宅後すぐに設置を」と明示されているのに、紙袋から出した形跡すらない。WiFi用ターミナルも、箱と袋に入ったまま埃を被っていた。しかも、その数年前に購入した前バージョンも同様の状態。
本人に確認しても返事はあやふや。店頭で薦められるまま契約したらしく、スマホ本体だけで不便がなかった為、他の機器には関心が向かなかったようだ。
意思確認書の写しには「予めチェックが入った項目」と並んで本人のサインがあり、機器費用が毎月引き落とされていた。いずれにせよ未使用の機器は返品し、本人が受けていないサービス分は返金して貰わなければ・・・と契約した店に出向くと「ここは販売が専門なので苦情はコールセンターへ」と言う。
仕方なく帰宅し電話すると、オペレータはマニュアル通りの口上を並べ契約解除を渋っていたが、次第に事態の深刻さを察したのか、責任者から折り返し電話すると言う。
約一週間後に連絡が来たが、やはり当初は「サインしている本人の意思尊重」を盾にゴネてきた。
そこで、暗に「WiFiやネットの仕組みを十分に理解していない痴呆気味の高齢者に本来必要のない機器を買わせて儲けを出すのが御社の経営方針で、今後も同じやり方で販売し続けて問題はないとの認識か」というニュアンスをそこはかとなく匂わせると(直接は言ってない)、漸く解約・返金に応じる姿勢を見せ始めた。
だが、ここからがまた長かった。
約束した日までに進捗状況の連絡が来ない。その都度コールセンターでオペレータに繋がるまで20分、「只今、電話が大変混み合っており・・・」の耳タコな音声案内+BGMを聞かされた後、事情を知らないオペレータに一から説明すること20分。「責任者から電話が来ない。連絡を」と伝えるだけで毎回30~40分掛かる。
しかも固定電話用のユニットとWIFI用のターミナルとでは窓口が違うらしく、毎度たらい回しにされる。
「返金額の内訳など詳細は電話では分かり難いのでメールで教えて」と頼むと、時代の最先端を行くIT企業にも拘らず、何が不都合なのか、そうしたサービスはないと言う。これについては、最後まで書面での提示すらなかった。
結局、最初の電話から2ヶ月半が経って漸く、先方から父の口座番号等を聞いて来た。振り込まれたのは更にその1ヶ月後。
機器の返品方法を何度聞いても要領を得なかったのだが、結局、箱から出してない状態であることを確認する事もなく(新品同然の精密機器を)廃棄処分して良いとのこと。
この会社、以前は新規契約の僅か半年後に真新しいアダプタを良く分からない理由で送付して来たことがある。どうもやることがちぐはぐだ。
取り敢えずここの株は買わない、と誓うきっかけになった得難い経験ではあった。