金木犀

 スタエフのなかでも、ときおり金木犀が話題にあがっている。キンモクセイの季節です。暑さがやわらぎ、朝夕ひんやりとするようになったころ、どこからともなく香りがしてきて、明るくなって探してみると、木の下はオレンジ色の絨毯になっています。
 芳香剤にもなっているキンモクセイの香りを調べてみました。

 かおりのもとは、キンモクセイの、花に含まれる黄色い色素のカロテノイドが分解してつくられるイオノンという成分で、化学的にはα-イオノン、β-イオノン、γ-イオノンの3種類の異性体がある。なので、(ギン)モクセイは弱い香りしかしない。
 イオノンは、スミレの花のようなにおいを持つが異性体ごとに、においは異なる。さまざまな植物の精油にみられ、特にベリー、茶、タバコに多い。スミレ精油には約22%のα-イオノンが含まれる。
 植物の精油から得られるが、主に化学合成によって製造される。β-イオノンの2003年における全世界での生産量は4,000から8,000トンと見積もられている

 ごく少量であっても、ヒトの鼻はイオノンのにおいを感じとることができる。閾値は空気中、α-イオノンでは約3ppb(空気中 3×10−7mg/L)、β-イオノンは0.12ppb、(R)-γ-イオノンは11ppb、(S)-γ-イオノンは0.07ppbとされる

 ちなみに、オレンジスパイニクラブはキンモクセイという歌をうたっています。


以下、植物や薬草としての金木犀と香りについてのwikiのコピー

キンモクセイは、シソ目、モクセイ科、モクセイ属
シソなの 形は似てないけど香の強さは関係してるのかなあ。
シソ目には、モクセイ科のほかに、シソ科、オオバコ科、ゴマ科、ノウゼンカズラ科、キリ科なんかがある。
モクセイ科はシソ目の中では、早い段階で枝分かれし、シソ科とは随分遠い親戚になっている。
モクセイ科には、モクセイ属のほかにオリーブ属、トネリコ属、レンギョウ属なんかが含まれているんだ。ジャスミンやライラックもモクセイ科
でモクセイ科は、木で、花弁は合着して、4裂の合弁花冠を形成する。
モクセイ属には、キンモクセイ、ギンモクセイのほかにヒイラギが属している。

https://www.pharm.or.jp/flowers/post_31.html
によるとキンモクセイは、
花の形状は、がく4列、花冠は深く4列、雄しべ2本、雌しべ1本、雌雄異株です。日本には雄木ばかりで子房は退化し結実しません。

和名のキンモクセイは、ギンモクセイO. fragrans Lour. var. fragransの花が白であることに対し、橙色の花を金に例えたことから名付けられたそうです。また、樹皮の様子が犀(サイ)の皮膚に似ている事と、金色の花を咲かせることから金木犀となったとも言われています。
中国ではギンモクセイを桂花といい、属名の学名「Osmanthus(オスマンサス)」は、ギリシア語の「osme(香り)」と「anthos(花)」が語源です。

キンモクセイの薬用部位は花で、薬効は胃炎、低血圧症、不眠症です。木の下にビニールシートを敷き、落ちて来た花を集めて陰干しにしたものが生薬モクセイ(木犀)です。食品としての利用は、乾燥した花30~50 gを焼酎1.8 Lに入れ、3ヶ月ほど冷暗所に置き、胃の調子が悪い時、盃に一杯ほど水か湯に薄めて飲むと良いそうです。他にも、白ワインに漬けたものが桂花陳酒(ケイファチンシュ/ケイカチンシュ)として売られています。また、桂花茶(ケイカチャ)は、キンモクセイの花を乾燥させたものです。甘い香りが高く、そのまま煎じたり、紅茶や烏龍茶などに混ぜたりします。

キンモクセイの橙色の正体はカロテノイドです。実は、この色がキンモクセイの香りに関係しています。キンモクセイの花弁に含まれるカロテノイドが、カロテノイド酸化開裂酵素に分解され、イオノンを産生します。

イオノン
イオノン(英語: ionone)、はテルペノイドの一種である。二重結合の位置が違う3種類の異性体があり、それぞれα-イオノン、β-イオノン、γ-イオノンと呼ばれる。スミレの花のようなにおいを持つ、無色または黄色みを帯びた液体である。においは異性体ごとに異なる。
いずれの異性体もさまざまな植物の精油にみられ、特にベリー、茶、タバコに多い。スミレ精油には約22%のα-イオノンが含まれる。β-イオノンはヘンナなど、γ-イオノンはタマリンドなどに含まれる。
含まれる異性体の比率が違うと、そのにおいも異なる。
イオノンは植物の精油から得られるが、主に化学合成によって製造される。
イオノンはプソイドイオノンから合成することができる。シトラールにアセトンを塩基触媒を用いたアルドール反応によって縮合させると、プソイドイオノンが生成する。

プソイドイオノンに希酸を加えて暖めると環化がおこり、α-イオノンとβ-イオノンの混合物が得られる。

プソイドイオノンはアセトンから合成するらしい
β-イオノンはレチノール(ビタミンA)やカロテノイド、および他の香料の合成原料化合物として重要である。2003年における全世界での生産量は4,000から8,000トンと見積もられている

イオノンはアレルゲン(感作性物質)となる可能性があり、取り扱いの際には手袋を使うことが推奨されている。

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