見出し画像

外国では「当たり前」が当たり前ではない話。「前提」を無くすと楽に暮らせると思う。

ジョージアで数多くの日本人の方と出会いコミュニケーションを取りました。日本でも近年ジョージアという国が取り上げられることが多く知名度も高まり、旅行者や移住者も増えてきたと思います。滞在条件の緩さや食事・自然の豊かさなどで快適に暮らされている方も多いのですが、日本と異なる生活環境からのストレスなどで不満を言ったり書いたりされる人もよく見かけます。そういった不満は往々にしてジョージアという国の問題、デメリットとして表現されています。僕もここは改善した方が良いんじゃないかなと思うことは多少あるのですが、外国なので日本の生活や文化、常識とは言うまでもないですが異なってきます。日本の環境とある程度近い生活ができるという「前提」や「期待」を持っていることがこうしたストレスの原因なのではないかと思います。これを無くすことができれば精神的にもっと快適な生活ができるし、海外で生活する上で重要なマインドセットかと思います。考えられる「前提」を書いていこうと思います。

前提その①:交通・生活インフラ

首都トビリシですら現在も停電やガス・水が停まることはよく起こります。アスファルトの道路はボコボコが多く頻繁に改修工事が行われているのを目にすると思います。移住者の多くはデジタルノマドの方で、電気やインターネットの条件が生命線になるので停電が起こるとよくTwitterに不満を書いているのを見ています。

日本と同じインフラが保証されるのではないかという「前提」を無くすべきだし、そもそもジョージアは「発展途上国」に分類される国です。自分もオンラインの仕事が一応あるのですが、電気が止まり仕事できなくなったときは仕方ないととらえ詫びを入れています。

前提その②:時間通りにいかないことが多い

日本が逆に特殊なのではないかとも思うのですが、様々なことが時間通りに進まないことが多いです。会議の開始時間や宅配の時間、待ち合わせの時間など、遅れることが多々あります。スケジュールが過密に詰まっていて、少しの遅れが後の予定に支障をきたすような生活をされている方にはストレスになるかと思います。

スケジュールをある程度余裕を持って組んだりするのも大事だし、時間に対する意識をおおらかにしてあげる必要があるかと思います。自分はジョージアに来ておおらかになりすぎて、自分も遅れることがたまにあります。遅れること自体はもちろん良くないのでそこは気を引き締めようと思います。

前提その③:国民性の違い

感情を素直に表現するジョージア人とのコミュニケーションがストレスに感じる人もいるみたいで、これはもう海外に出ない方が良いのではないかとも思います。日本人の対人関係においての絶妙な距離設定は特殊能力であって中々身につけられるものではないと思います。以前マラニを訪問された日本人のお客さんが、ワインだけでなく自家製のつまみや蜜柑などを次々サービスしてくれるオーナーのホスピタリティを受けた後、「東京の人はこんなにズカズカ来ない。こうしたことを迷惑に思う人もいる。」とか言っていて結構腹が立ちました。外国で受けるサービスを東京の価値観で判断するのが間違いだし益々東京には住みたくないと思いました。まあそれはおいといて。

とはいえ価値観や表現が異なる外国人とのコミュニケーションは一番難しいと言えるかもしれません。ここに言語の問題も加わって、そもそも話すことができないということになると、数少ない在住日本人としか絡まない海外生活になってしまいます。折角海外に来たのに日本人界隈のムラ社会で生きるのは残念だし、その狭い界隈ならではの様々な問題を色々聞いているし滑稽に思います。まあそれはおいといて。

自分が適応する努力が必要

結局自ら自国を出て新天地で生活を始めているのだから、「郷に入っては郷に従え」を実践する必要があると思います。始めは苦労しますが乗り越えると楽になるしトラブルが起こっても対応できる精神的余裕ができると思います。これは外国どこに行ってもそうだと思います。

ジョージアは多様性が大きい国だと以前も書きましたが、各地方でも文化や習慣が異なってきます。僕は様々な地方で住んでみた経験がありますが、そうした習慣の地方性を学んで適応しようとすることに愉しみを感じています。

さて、もしジョージアに来ようとされる方がいらっしゃれば、ある程度日本で生活している上での「当たり前」を「当たり前」だと思わないマインドセットをしてから来られることをオススメします。ジョージアでなくてもそうですが。

いいなと思ったら応援しよう!

酒見莞爾 Kanji Sakemi
酒見莞爾の活動や考えに興味を持ってもらえた方、よろしければサポート頂けると嬉しいです。ジョージアでの生活やワイン造りのための活動費として、大切に使わせていただきます。