ジョージア語の学習法(あくまで自己流の)
ジョージアに住んで5年超が経ちました。
「移住するならその土地の言語を覚えるべきだ」という考えのもと、ジョージア語の学習を続けてきました。
まだまだ未熟ですが、日常会話や自分の興味関心のある分野の内容など、ある程度のことは理解できるし話せるし読み書きもできるようになってきたと思います。
今回は僕がどのようにジョージア語を学習してきたかを書いていきたいと思います。
日本人のジョージア語話者には、言語研究及びジョージア文学や映画の翻訳をされている児島康宏先生を筆頭に僕よりはるかに優れている方々がいらっしゃいます。僕は言語学をかじったこともなく、あくまで素人の勉強法であることを念頭に置いて読んで頂けると幸いです。
需要があるか分かりませんが、ジョージア語に興味がある方の参考になれば嬉しいです。
ジョージア渡航までは、教科書で基礎知識を頭に入れる
ジョージア渡航までの期間、日本で勉強を始めるにあたって非常に役に立ったのが、前述した児島先生の書籍「ニューエクスプレスプラス グルジア語」(白水社)です。
日本語で書かれた(おそらく)唯一のジョージア語教科書で、文字や発音など基礎の基礎から学習できます。ジョージア語は本当に独特な言語で、かわいいけど見たこともないような文字や、日本語にない発音などを習得するのが大変だったのですが、CDが付属していて音声を聴きながら練習もできたため非常に効果的でした。
何章かの構成になっていて、各章で新たな文法事項や表現が紹介されています。会話文や練習問題もあるため多角的に学習を進めることができました。
ジョージア渡航まで学習期間が4ヶ月ほどあったのですが、始めの数章の理解に時間がかなりかかってしまい、全ての内容を学習し終えることができませんでした。残した内容は引き続き、ジョージアで学習を続けることになりました。
ジョージア渡航後は、「コミュニケーション」を中心に練習
ジョージアに初上陸したとき、ジョージア文字は既に暗記したつもりでいました。教科書に書かれている文章は一通り読めるようにはなっていたからです。
しかし空港を出て市内に向かうバスに乗ったとき、車内の電光掲示板に表示されるジョージア語で書かれた目的地が中々読めませんでした。教科書に書かれた言葉のみ理解していたんだと気づき、そこからどんどん外に出てコミュニケーションを取っていく必要があると感じました。
Facebookの言語交換グループで呼びかけてみたり(ジョージアではFacebookが盛んです)、町で道を尋ねてみたりとかなり積極的にジョージア語を使っていきました。このときの行動が習慣化して、ジョージア語を話すことが苦にならない今に繋がっていると思います。
ジョージア人と話す時にパッと出てこなかった表現や文法事項は、家に帰ってから教科書を読んで頭に入れるという、効率的かつ「真面目な」勉強をしていたと思います。
また、飲み屋が好きだったので、様々な場所に通いお客さんと飲みながら会話することもしていました。「ジョージア語で楽しく会話するため」を口実に飲みすぎて酔っ払うこともしばしばでした。
また、僕が渡航した当初、たまたま外務省管轄の外国人向けの無料ジョージア語講座が開催されていたのでそこにも数ヶ月通いました。
ジョージア人の友人とチャットすると新たな表現も覚えられる
ジョージアに来てからしばらく経つと、ジョージア人の友人知人もできて話したりメッセージをやり取りすることも増えました。
言語学習という観点から言うと、教科書には載っていない新たな表現や単語、さらに日常会話で用いられるスラングも学べるのでとても有効だと思います。分からないことがあれば即座に質問できるので、話すたびに知識が増えていくと思います。
以前も書きましたがジョージアは多様性に富んだ国で、それは言語にも言えることだと思います。各地方で異なるアクセントや方言でジョージア語が話され、一部の地方では殆ど別の言語が話されています(メグルリ語とスヴァヌリ語とラズ語。これらとジョージア語はカルトヴェリ語族に含まれています。ちなみにジョージアは多民族国家で例えばアルメニア人やアゼルバイジャン人などが居住する地区もあり、そこではアルメニア語やアゼルバイジャン語などが話されているのですがこれらの言語はそもそも語族が異なるのでここでは区別します)。
ジョージア国内の様々な地方を旅行して現地の人と会話するとそういった面での発見もあってとても興味深いです。
住み始めて2年で徐々にニュースを読んだり聴いたりできるようになる
ジョージア人との日常会話とニュースの読みや聴き取りは別物で、もちろん後者の方がハードルが高いです。使われる語彙も専門的で知らなかったり、読み進めるのに時間がかかったり、一回では聞き取れなかったりしました。
それでもジョージアに住んでいるためにニュースに触れる機会は多く、自然と目や耳が慣れていった感はあります。
単語については英語↔ジョージア語のオンライン辞書を活用しています。
不具合が多いのが玉に瑕なのですが、収録語数が多く例文もあってとても役に立っています。
現在はジョージア語の本をゆっくりと読む
ジョージア生活5年目の現在、日常会話がある程度できるようになり、文法を疎かにしていることを自覚しています。話す上では多少の文法間違いはスルーしてもらえるためです。
実際は未習の文法事項がたくさんあり、より正確にジョージア語を理解するためにそれらを勉強する必要があると思っています。しかし文法の学習はどうしても教科書を使った机上の勉強が主になりがちで、コミュニケーション主体でやってきたこの5年でそうした勉強が億劫になっているのが正直なところです。重い腰を上げて取り組むきっかけがほしいとは思います。
その一方で、ジョージア語の文学を最近はゆっくりと読んでいます。元々読書が好きで、趣味としても僕にとっては良い活動です。もちろん知らない単語が山程あるので辞書を引きながらゆっくりと楽しんでいます。
興味深い書籍があれば紹介したいと思っています。
言語学習は気合と「好きかどうか」
ここまで自分の経験を長く書きましたが、結局は気合を持って長く続けられるかどうかが言語学習の鍵かと思います。
一朝一夕で身につくものでは当然なく、始めのうちはなかなか話せず理解できず落ち込むこともあるかもしれませんが、石の上にも3年で徐々に体が覚えてくると思います。
学習を続けるためにはその言語を「好き」である(興味がある)ことが大事だと個人的には思います。興味を持てない言語を勉強する気にはなれないですし。例えば中高時代の学校での英語の勉強は、実生活で使う機会がなくただただ苦痛でした。
言語自体に興味を持つこともあるだろうし、「現地の人と交流したい」とか「文化を理解したい」とかの目的がありその手段として言語を学ぶこともあるかと思います。とにかく目的のない言語学習はただただ苦痛です。
ということで僕も自分なりに楽しくジョージア語を勉強しています。
もしジョージア語に興味を持って頂けたり、言語学習をする上での参考になれば幸いです。
読んで頂きありがとうございました。