20210816

私は着飾るのが好きだ。クローゼットは充実させていたい派なので、ミニマリストにはなれない。基本的には好きな時に好きな物を身に纏いたいけれど、TPOに合わせてアレンジするのも楽しい。
結婚式の時は白を避ける、神社に行く時には肌の露出を控える、文化的なお題は面白いと思う。

嫌いなのはアレだ。スリに遭わないようにジッパー付きのバッグを選ぶとか、痴漢に遭わないようにスカートやショートパンツを避けるとか。いつでも逃げられるようにスニーカーとか。そうゆうのが嫌い。スリも痴漢も嫌だから結局は気を使っているんだけれど、嫌い。スニーカーもパンツも大好きだけど、毎日それは嫌。

2021年8月に小田急線で起きた刺傷事件では、勝ち組に見えたからという理由で女子大生が傷つけられた。地味にしていればよかったのにという意見を聞いて、モヤモヤした気分になった。幸せそうに、楽しそうに、自信がありそうにする事は良い事であるべきだ。ハイヒールもスカートも諦めたくない。だって可愛いもん。でも、被害にも遭いたくない。要領よく生きたい。

犯罪を起こしそうな変な人ってどうやったら見分けられるの?

イチャイチャしながら彼に聞いてみた。犯罪学の専門家が身近にいるのは都合がいい。服を脱ぐ前に聞けば良かったんだけど、思い出したのがそのタイミングだった。甘い時間に変な質問をぶっ込んでも動じない彼はカミサマだと思う。

「まずは周りを観察する事が大切なんだけど君に出来るかな」
首筋にキスしながら話す話題ではないけれど、同時進行のカオスは嫌いじゃない。

「例えば電車に乗っている人達は皆似た様なことをしているよね。携帯見てたり、居眠りしてたり。無差別刺傷事件をおこす直前の犯人は、ターゲットを探してキョロキョロしているはずだよね。ついでに言うと、その時点で凶器は手元にあるはずだからポケットとか鞄に手を突っ込んでスタンバイしている可能性が高いよね。」

これは覚えておこうと思った。彼は私を黙らせるのも上手い。


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