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vocalization/初心に還る

2025年、明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
本年もよろしくお願いいたします。

久々に書くので自己紹介も。
倉垣吉宏は、舞台芸術創造機関SAIの演出家であり脚本家であり俳優であり、U-3という演劇向け映像配信のディレクターをやったりしています。

今年は初心にかえると決めていたので、今の自分の感覚や思考をもって、〝あの頃〟に立ち返ります。
〝あの頃〟というのは、わかりやすく20年前。
上京してきた年、SAIを立ち上げた年です。
SNSもなく、人の繋がりもなく、身一つで東京に出てきて演劇をはじめた頃。
信じるものは我が身と我が才。
すごくアスリート気質だった20代。
知らないからこそ突き進んで、分からないから無茶や無理をしていた〝あの頃〟。
誰にでもある尊いその時間から、気づけばずいぶんと遠くまで来て、頭でっかちになってしまったなと思う2024年でした。
笑っちゃいますが倉垣の〝あの頃〟は、実は演出家の仕事をよくわかっていなくて、アーティストが自分で作詞作曲するのと似た感覚で、自分で本を書き演出をしていたんですね。
そういうところも若い。

その若かかりし頃の自分と同じ年齢・・・20代の子たちと創作をしていると、今まさにこの子たちは〝あの頃〟なんだなとヒシヒシ感じるんです。
それぞれの向き合い方で、不器用で一生懸命になりながら、今に向かって行ってる。

そんな時につい、アドバイスと称して経験則で物を言ったり、有効な近道を与えてしまうことがあって
「これは、ぶつかる機会を奪うことになってないか?」って考える。
問題や課題にぶつかった時に、自分で乗り越えないと成長はありません。
どうして、どうやって、どうすればこの壁を越えられるのか?その機会をつくることがとても大事なんだと。
彼ら彼女らが乗り越えるために、倉垣がステップを用意したりはあってもいい。それでもステップを使って壁を越えるという経験は、その人自身がやらなくてはいけない事なんですね。

だから、倉垣自身も初心でありたいと思うわけです。
立場が違う、年齢が違う、無自覚に権威的になっていないかと疑うこと。
自分も同じ足場に立ち、違う理由で悩み、苦しんで壁に向かっているのだと自覚すること。

それが創作の上で互いに向き合うために必要なわけだなと。あくまで倉垣がそう思っているって事だからね、一般的には違うかもしれません。

ただ、20年前よりも演劇のことにちょっぴり詳しくなって、俳優について、演出についてもほんとにちょっぴり明るくなった今だからこそ、初心に還ることで作れるものがあるんじゃないかなと。
まあ強くてニューゲーム的でズルい考えかもしれませんが、二周目のお楽しみってそういうところじゃあありませんか。

一月に入って三が日過ぎたらすぐに稽古が始まる。心機一転ってのはわかりやすいこと。
今年はそんな感じで、地に足つけて走ってみるかと思うのでした。

そんな倉垣の次回作は、アトリエ最終公演の「シアトロンIII」の劇団の20周年記念展示です。
こちらもnoteで日々色々書いていきますので、お付き合い下さいませ。
チケットは好評発売中です。


EN- サードプレイズ最終公演
密空間演劇市 【シアトロンIII】
&
舞台芸術創造機関SAI展-ニジュウ∞テン-

RE:プレイする演劇市

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