2024年 岐阜市議会 6月定例会(6月18日) 一般質問 「岐阜公園官民連携にぎわい創出事業(Park-PFI)について」

○ 可児隆 岐阜市議会議員
 次に、岐阜公園のにぎわい創出事業(Park-PFI)について、お尋ね致します。
 岐阜市のホームページによると、岐阜市は、岐阜公園 官民連携のにぎわい創出事業の公募型プロポーザルを実施した結果、名古屋鉄道(株) を代表とする11社の法人グループを公募設置等予定者として選定したとあります。
 この構成企業は、名鉄都市開発(株)、岐阜観光索道(株)、(特非)ORGAN、(株)ミユキデザイン、岐阜乗合自動車(株)、名鉄プロパティマネジメント(株)、(株)ゼットン、名鉄エリアパートナーズ(株)、(株)スタジオ・ゲンクマガイ、(株)船場とあります。
 名古屋鉄道を代表するグループということですから、多くが名古屋鉄道の傘下企業であり、また、岐阜市外を拠点とする企業で構成されています。
 名古屋鉄道(株) の傘下企業以外で、岐阜市に拠点があるのは(特非)ORGANというNPO法人1団体と1企業のみですが、この1企業もNPO法人の理事の親族が経営される企業ですので、岐阜市の企業は実質1社のみです。
 今回の岐阜公園 官民連携 にぎわい創出事業の公募型プロポーザルで選定されていますが、このプロポーザル方式は、地域貢献なども選定基準となり、全く実績がない企業が参入しようとしても、評価し辛いという特徴があります。
 この選定方式の結果、岐阜公園という、岐阜市の財産でもある敷地内での事業に、岐阜市の企業は関与していないことには違和感を覚えます。
 そして、危惧する点として、川原町で営業する飲食店の影響です。
 このような事業を行うのであれば、以前の議会で岐阜城の木造復元を提案させて頂きましたが、そのような観光客増加策を施すことが先決だと思います。
 岐阜市を訪れる観光客の絶対数が増加せず、店舗を増加させるだけでは、店舗あたりの売上が減少するだけの結果に終わるのではないでしょうか。
 特に平日は、その傾向が顕著になると思われます。
 岐阜公園は、岐阜市を代表する総合公園であり、市内外から多くの方が来園される、岐阜市の観光拠点でもあります。
 このように、市の貴重な資産の再整備は、岐阜市を活動拠点とする企業の参加や地元企業の参加が必要であると考えます。
 しかし、岐阜公園 にぎわい創出事業の運営管理に選定されたのは、前述の名鉄グループです。
 岐阜公園 にぎわい創出事業が、地元の川原町で営業する飲食店や売店にとってもマイナス要因ばかりを想像します。
 岐阜市のホームページで公開されている、公募型プロポーザルの件数は約40件あり、基本協定を締結した岐阜公園 にぎわい創出事業に於ける事業者選定に於いても、公募型プロポーザル方式を採用しています。
 そこで、都市建設部長に2点、ご質問します。
 1点目、岐阜公園 にぎわい創出事業の事業者選定に於いて、公募型プロポーザル方式を採用した経緯についてお聞かせ下さい。
 また、岐阜市がプロポーザル方式を採用する際の定義についてお答え下さい。
 2点目、公募型プロポーザル方式は、市での実績が重要視され、新規参入が困難な方式で、随意契約です。
 業者との癒着も心配され、公募型プロポーザル方式の実施する目的など、細かな説明も必要です。
 今後も、公園整備にあたり、公募型プロポーザル方式を積極的に採用されるのか、お答え下さい。

○ 議長
都市建設部長、太田喜文 君。

○ 太田喜文 都市建設部長
 岐阜公園 官民連携 にぎわい創出事業(Park-PFI)に関する2点のご質問にお答えを致します。
 岐阜公園は、清流長良川や緑豊かな金華山など、岐阜市固有の豊かな歴史、文化、自然に抱かれた、本市を代表する総合公園です。
 本公園では、このような自然環境や歴史的資産を最大限に活用するため、信長公の鼓動が聞こえる歴史公園をコンセプトに、本格的な歴史公園として再整備を進めているところです。
 ご質問の1点目、公募型プロポーザル方式を採用した、定義についてお答えを致します。
 岐阜公園の再整備にあたり、平成30年に実施した、来園者アンケートや、令和3年度に実施した、ビッグデータを活用した人流調査などによりますと、来園者の滞在時間が短いことや、食事や土産物を購入できる店舗の充実が求められていることが明らかとなりました。
 そこで、公園内に新たな賑いを作ると共に、川原町など、周辺への回遊性を高め、長時間にわたり、岐阜公園周辺を満喫して頂けるよう、飲食や土産品を提供する施設を整備することとし、民間の資金や、経営ノウハウを活かすことができる、Park-PFI制度を採用致しました。
 本制度は、平成29年の都市公園法の改正により創出されたもので、飲食店や売店等の公園利用者の利便の向上に資する施設の設置と、この施設から生ずる収益を活用して、周辺の広場などの整備を一体的に行うものを、公募により選定する制度であり、市の財政負担の低減や、公園の質の向上、さらには公園利用者の利便の向上などが期待でき、全国の自治体でも導入が進められており、国の公表によりますと、令和5年3月末時点に於いて、全国131箇所で活用されております。
 このパークPFIによる施設整備につきましては、都市公園法に於いて、公募により、広く提案を募集することや、提出された提案について、評価を行い、最も適切であると認められる提案者を選定すること、選定にあたっては学識経験者の意見を聞くことなどが定められております。
 このため、この度の事業者選定にあたりましては、こうした法令による規定を踏まえ、事業者から様々な事業の提案を広く募集する、公募型プロポーザル方式を採用することと致しました。
 また、事業者を選定するための評価の基準についても、国が示す、「Park-PFI活用ガイドライン」に基づき、業務の実施体制や、市内業者など、地元企業の参画状況、地域との連携方策や持続的な経営計画などを評価項目として定め、昨年度に事業者の公募を行い、歴史文化や経営に関する学識経験者等で構成される、岐阜公園 公募設置等予定者 選定委員会を開催し、事業者の選定を行ったところです。
 次に、ご質問の2点目、今後の公園整備に於ける、公募型プロポーザル方式の採用についてお答え致します。
 今後の公園整備につきましては、ますます進展する、人口減少や、高齢化に伴う、財政的制約の下で、施設の更新や、高質化を進め、公園利用者のサービスを向上することが必要となります。
 将来にわたり、魅力ある公園整備を進めるために、必要に応じ、民間の資金やノウハウを活用できるよう、適切な役割分担の下、官民連携を進めて参りたいと考えております。
 こうした事業者の選定にあたりましては、公募型プロポーザル方式などの選定方法について、対象とする事業や、事業の内容に応じて、法令などの規定に従い、適切に判断すると共に、公平性、競争性、透明性の確保を行うなど、適正に対応して参ります。

○ 可児隆 岐阜市議会議員
 次に、岐阜公園 にぎわい創出事業です。
 公募型プロポーザル方式を採用された経緯について、ご説明ありがとうございます。
 よく理解できましたが、重要な点が解消されていません。
 それは、集客数の増加です。
 岐阜公園 にぎわい創出事業が成功するためには、来場者の増加は必須です。
 売上増加のための5大要素は、購買点数、購買単価、購買機会の増加、新規集客数、リピート客の確保です。
 公園の滞在時間を伸ばしても、来場者が増加しなければ、観光収入は増加しません。
 岐阜公園のコンセプトが、本格的な歴史公園ということであれば、以前、提案した岐阜城の木造復元の検討もすべきと考えます。
 城の建設中の様子や、資材の運搬風景を見せることも面白いでしょう。
 昭和40年代には、皆さんご存知かもしれませんが、岐阜公園には、ライオン、虎、ツキノワグマ、フラミンゴなど動物がいっぱいいました。
 ペンギンがおり、水族館にはサンショウウオ、そして、多くの魚が水槽の中を泳いでました。
 平日でもね、結構な賑いがありました。
 岐阜公園 にぎわい創出事業として、飲食店や売店を増設する前に、岐阜公園に立ち寄り
たいと思う目玉の創設、集客策を図ることが先決ではないでしょうか。
 くれぐれも、川原町で一生懸命営業されている方々に、負の影響が出ないような計画をお願い
します。