漫画オタが考える作者の性別について

作者の性別問題

本来作品には関係ない要素のはずの「作者の性別」
そこにこだわる人いますよね
わかります

作者の性別によってどんな傾向がでるのかをちょっと深堀りします
あくまでも傾向なので必ずあるという断定ではありませんのでご注意ください

異性への解像度が低い

男は(女は)そんな考えをしない!というやつ

読者は自分と同じ性のキャラに対して感情移入をする傾向が強いです
そのため自分の考えとの違いギャップを感じると違和感を持ちます
違和感があると作品に没入できませんので作品自体の評価も下がる

正直しかたないような気もします

ストーリーの目的と目標

男性作者は「仇を倒す」「全国大会で優勝する」のように序盤から目的と目標がはっきりしているように感じます
目的と目標をはっきりさせることで達成感を出しつつ物語が先に進んでいることを認識させます

対して女性作者の場合
序盤は目的と目標が出されます ここは同じ
ですが、いつまでも目的に向き合わなかったり、さらっとたり、途中から目的が変わることがあると感じます
目的と目標が曖昧なままでずっと心理描写が続いたりします
女性作者の場合目的や目標はストーリーを始めるきっかけに過ぎず、到達する必要はないと考えている気がします

感情・気持ちについて

では女性作者が何を重視しているかといえば「感情・気持ち」です
主人公がどういう感情でいるか
どんな気持ちなのか
どのように気持ちが変化するかしないかを重視していると感じます
とにかく「感情・気持ち」を引きずります
読者に「感情・気持ち」の共感を求めます

対して男性作者の感情は目的に対する動機であったり覚醒するきっかけであったり
目的のためのエネルギーでしかない印象です
そのため終わったら発散します
すっきり霧散して「感情・気持ち」を引きずりません

心を大事にしていないわけではありません
挫折したり目的を達成したりすることで「心的成長」する要素は強いです
男性は感情は「発散」するものであり、
女性は感情は「共感」するものであると感じます

服装ファッションやスタイル

ファッションについては異次元レベルで女性のほうが優れている傾向があります

男性作者は学校の制服のように決められたパターンならともかく私服がでてくるとダメですね
漫画アニメには学園ものが多かったり私服が毎回同じなのは作画の都合だけでなく男性のファッション知識の少なさ興味の低さが影響しているように思います

ファッションの引き出しの少なさは場面の制限にもなります
潜在的に男性が避けているというか不得意なジャンルやシーンが存在すると感じます
男性が手をつけていない女性だけが描けるジャンルがあると感じます

大きい胸や細すぎる腰
乳袋と言われる胸に張り付くような服など
女性はこういったマンガ表現的のスタイルや服装に強い拒否感を持つ気がします

これはスタイルやファッションに対する意識が違うためそういったルッキズムの視点については女性のほうがシビアに見ている気がします

ただしそういったマンガ表現を描きたい男性の心を理解しきってあえて描く女性作者も増えました
絵から作者の性別を判別するのは難しいと思います

ファイナルファンタジー(最終回発情期)

空知英秋先生が「銀魂」にて言語化した概念
最終回に近づくとカップリングが成立する現象
女性作者はファイナルファンタジーをする傾向が強いと思います

正直男性の多くは「進撃の巨人」のエレンです
「俺のことを好きになった子は死ぬまで好きでいてほしい」という想いがあります
負けヒロインであってもずっと自分(主人公)を好きでいてほしいと考えます
男性は恋愛に対する想いをこじらせている傾向が強いためです
そのためファイナルファンタジーは男性の精神を崩壊させる危険性があります

男性は恋愛に対してロマンチストというかファンタジーを求めますのでファイナルしてほしくないのです

まとめると

異性キャラへの描写は甘くなりがち
男性作者は「目的」重視
ファッションセンスなし
女性作者は「感情・気持ち」重視
恋愛を引きづらない

という傾向があると思います

こういった違いがあるという前提を理解することでストーリー展開が思った方向に進まなくても許容できるようになるかもしれません
未知のジャンルや作品を見るのはそれはそれで楽しいものですので触れてみるとよいかもしれません
まあ無理強いはしませんけど

せっかくなんで最近感じているアニメの傾向を語って終わります

女性ばかりのアニメ

最近はほとんど男性がでてこない女性メインの作品が増えたように思います
なぜなのか?

1 美少女には需要がある

当たり前ですね
特にいうことがない

2 美少女が男に取られない

恋愛モノは基本的に主人公とくっつくためそれを取られたと感じる人がいる

3 負けヒロインが発生しない

正ヒロインが生まれないため負けヒロインも発生しない

4 違和感が発生しない

女性作者が男性を描くと生まれる違和感が発生しない
男性でも描くことができるし
女性でも描くことができる

男女が同じジャンルの漫画を描くことは珍しいと思います
視点のことなる作品が生まれることで新たな発見があり作品に深みがでるように思います
女性だけの作品はいままでの作品では見たことのない要素が生まれるベースが出来ています

5 感情のぶつかりあい

男性同士ではスポーツやバトルのような肉体的接触があっても感情のぶつかりあいはあまりありません
あるとしたら頭脳バトル系ですけどあれは相手の気持ちを否定する前提ですのでちょっと違います

いわゆる「ギスギス」と表現される感情のぶつかりあい
私の気持ちを分かってくれない
貴方の気持ちがわからない
それをぶつけ合う感情の格闘技
仲良いはずの女性同士のギスギス

男性にとって新鮮な刺激になります
女性にとっても共感できない相手は見切るというか切り捨てる傾向があります
ギスギスは性別に関わらず需要があると感じます

6 百合要素

百合
これが最近認められてる気がします

ただし「百合ってなんなの?」と思っている人が結構いるんじゃないかな?
答えから言うと「よくわかりません」
「百合」とははっきりとした概念が固定化されないまま個人個人それぞれの解釈のままで存在している気がします

百合の定義

百合の定義は人それぞれ
辞書にも乗ってないし古の解説もしょせん個人の解釈
なんとなくこんなものというあいまいなままの存在
ある意味それでいいと思ってますが確かに一人一人の中では存在する概念

その前提で個人的な解釈
私が思う「百合」を語りましょう

私が思う百合は「愛でるもの」です
女性と女性の2人だけでは「友情」「崇拝」「依存」「レズ」などなどだったりします
それだけでは百合は成立しないと考えます
女性同士の気持ちを観察することで観察者に生まれる感情 エモさ 尊さ
それが「百合」だと思います

「百合」とは見ることと見つけたり

第一の観察者である作者が認定したらそれは「百合」
女性同士の関係があればそこに百合の要素は生まれますしそれを「愛でろ」というのが作者が認定する「百合」
ここに素晴らしい「百合」を感じたんでお前らも「百合」を味わえとおすすめするのが作者の百合ジャンル
ゆえに「百合」と書かれた作品は作者が思う「百合」のイメージが込められています

読者が認定しても「百合」
人それぞれ解釈が異なるため他の人は百合と認めないことも発生します
百合の定義はなんなのかという議論が生まれますが個人的には意味がないと思ってます
「百合」は自分が見出すものですが他人の「百合」を否定したところでその人の「百合」は揺るがない
「百合の定義」というカテゴライズにはそういう意味で意味がないと考えます

「百合の間に入る男は死刑」と言う言葉があります
これは百合の間に入って関係を壊したり百合関係の二人の間に挟まれるようなこと禁じる…だけじゃない気がします

百合を愛でるときは男性的欲望を無くすべきという古の百合ビトが編み出した教訓だと思うんですよね
二人が奏でる感情の波を受けるとき男性的欲望は邪魔なノイズである
欲望ではなく感情を感じるべし
自身の性別にかかわらず男性的要素を捨てて見るべしという教訓
それが「百合の間に挟まる男は死刑」に込められている思うのです

なんで百合の話になったんだっけか?
まあいっか

最終的に何がいいたくなったんだ

いろいろ語った挙げ句最終的に何がいいたくなったかと言うと
「私の百合はお仕事です」を見てくださいということですね

私が最も好きな漫画・アニメの1つです

各キャラがそれぞれ理解する支店みている世界が異なることで生まれる衝突と拒絶と理解
素晴らしい
感情がぐちゃぐちゃにされつつしっかりとした1つの答えを見せてくれる配慮
素晴らしい
「夢が覚めても」を聴くだけで泣けるようになったバブロフの犬に調教されました


アニメでやった後の話も素晴らしい
というかアニメ以降が本番です

Kindleなどの電子書籍でもセールしてるっぽいので手に取ってくれたらうれしいな

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