福島ユナイテッドFC 2023シーズン選手通信簿
毎年書いてる通信簿なんですけど、今年もうだうだと好き勝手主観に基づいて書きます。
いやー、年間38試合(天皇杯絡みの試合を含めれば41試合)という過去最大数の試合をこなしたシーズンが終わりました。良いこと悪いこと色々ありましたね。12勝11分15敗37得点42失点、得失点差-5、勝ち点47、15位という成績でフィニッシュ。ボトムハーフの常連かつJリーグワーストの平均観客動員数はまあまあいただけないですよね。ここをなんとか脱却しなければいけないんですが会社そのものの力が足りないのか、ピッチの頑張りが足りないのか、見てるこっちの努力が足りないのか、答えを出すのは難しいですけども、シーズンを総括すると閉塞感というか、クラブの目指すところの不透明さや色々な対応の浅はかさが気になったなあというのが個人的な思いです。
でも何を言っても金なんですよね。想いじゃなくて金だし、金は力だし、力は正義です。まずは皆さんクラブ環境強化募金に募金しましょう。個人的にはネクストイスマイラを探せ募金とか始めてくれるとウヒョヒョとなります。
GK
1番 上川 琢 出場なし
契約満了で退団が決定済。好青年なのだが全く試合に絡めず。8月末に関東1部東京ユナイテッドFCへ出場機会を求めて育成型期限付き移籍しレギュラーを掴みかけるもファンティーニの負傷で早々に呼び戻され、結局戻ってきてもベンチ入りもやっとという状況で踏んだり蹴ったりのシーズンだった。関東1部レベルでは入って早々に違いを見せていたようなので実力はそこそこあるんだろうとは思います。それにしても成長の機会をクラブの都合で奪う形になってしまったのは申し訳ない限り。好青年っぷりは傑出しているのでどこ行っても愛されるはず。若いのでまだまだこれから。特指の期間も含めれば2年以上ありがとうございました。
16番 ファンティーニ 燦 出場なし
契約満了で退団が決定済。ずっと3番手だし9月には負傷離脱して全然試合に絡めなかった。パワフルさが魅力のGKだけど、シュートストップの安定感とかはちょっと欠けていたかもしれない。レスポンスはめちゃくちゃいいんだけどね。年齢的にも中堅になってきてるし色々と致し方ないところはある。GKはサイズだけじゃなくて相手をぶっ飛ばしてボールに触りにいけるフィジカルも重要と示してくれたあたり個人的にはかなり印象に残ってます。イタリアっぽくシュート打たせた味方にキレ散らかすのも好きでした。イタリア下部リーグとかでのプレーもアリなんじゃないでしょうか。20代半ばだしまだまだやれる。ありがとうございました。
21番 大杉 啓 1試合出場 2失点
契約満了で退団が決定済。シーズン通して2番手のポジションを確保。山本海人が負傷離脱した27節鳥取戦で出場したものの、ミドルから2失点を喫して次週からは再び山本海人が起用されることになってしまった。コーチングの部分なのか経験値なのかはわからないけどミドルで2失点の印象はあんま良くはないよねと。とはいえ飛び出して詰める初速や鋭さは山本海人も凌ぐし、鳥取戦で大杉が飛び出して防いだ場面は、たぶん山本海人では止められなかった場面なんじゃなかろうか。レスポンスとか別に悪いわけでもないし、足下なんかも普通に上手いんだけどね。出場機会は少なかったものの2年間2番手のポジションを譲らなかった安定感は特筆に値。淡々と準備し続けられるメンタリティも素晴らしいので次のクラブでこそレギュラーを獲得してください。ありがとうございました。
22番 山本 海人 37試合出場 40失点
契約更新済。今年もレギュラー。毎年のように元日本代表は伊達じゃない活躍をしてくれてるので書くことがなくなってきてるのだが、主将として、ベテランとして、プロとして、あらゆる面で素晴らしい存在だった。積極的に地域での運動教室とか講演活動やったりボランティア活動にも行ったりして地域貢献と広報活動やってくれてるのは物凄くありがたい。プレー面でも今年は山本海人のセービングで拾った勝ち点は数知れず。しっかり正面で受けられるのはポジショニングが良い証拠なんですよね。なんだかんだ際どいとこに飛んでくるボールも止めてくれるし。ピッチ内外の活躍を総合すればMVPに推せる選手かと思います。来年も若手に負けず頑張ってください。
DF
3番 河西 真 4試合出場
大卒5年目の古株も契約満了。試合に出れば3バックの一角でレギュラーに遜色ないパフォーマンスを見せるものの、ベンチ入りも難しいという苦しいシーズンだった。もう27なので若手に押されているとなかなかつらいものがある。3バックの右でも左でもプレーできるしハードコンタクトとタックルが強みだが、レギュラーを争った堂鼻、野末、大森と比べるとビルドアップや攻撃面で突出した物が無かったのが痛かった。CBとしてはかなりまともなんですけどね。ハードな対人守備はウリだけど、J3のレベルアップが凄まじく早いせいか、現状の河西の自由は与えないけど奪い切れない部分であったり組立から攻撃の部分が物足りなくなってしまったのではないだろうか。4バックならまた違ったかもしれないけど、3バックの両翼となると求められるものがまた違うのでね。チャラいけど真面目に熱いプレーをしてくれる人なのでまだまだ現役で頑張ってほしい。
4番 堂鼻 起暉 23試合出場 1アシスト
契約更新済。野末とシーズン通して3バック右のポジションを争う。ビルドアップの能力が飛躍的に向上したというか縦に付ける意識とフィードにチャレンジする意識が素晴らしかった。ろくすっぽ決まらなかったけど長距離からゴールを強襲するパワフルなシュートも怖さがあって良い。元々強みだった対人守備そのままにこれだけ組立と攻撃に関与できていることを考えると順調な成長曲線なのではないだろうか。守備に関して言えば今年3バックの右をやった人の中では一番信頼できると思うけどね。奪ってからの持ち上がりとかもそれっぽい形を作れてたし。アジリティが武器のアタッカーには相変わらず手を焼いてるけど、総合力といったところではかなり信頼感が上がってきているので来年こそレギュラーを掴みたい。できれば強烈ミドルで3点くらいとってミドルで点取るCBというポジションを確立してくれるとなお面白い。来年は上畑と共に福島4年目になる。これからもともに。
7番 田中 康介 37試合出場 3アシスト
J3長野へ完全移籍。つらい。今年は服部監督が血迷って一瞬ボランチにされたりしたが左WBのレギュラーを獲得。やっぱ右利きでも左足でクロスまで持っていけるのは強い。秋頃はやたらパスばっか選択してて別にそのプレー選択するなら康介使わなくても良くね?みたいな時期があったがスタメン落ちを経験してからは果敢な仕掛けとクロスに立ち返って好パフォーマンス。90分走れるタフさと両足を使える器用さ、何よりドリブルでサイドから打開できるということでプレーの選択肢が多いので納得のレギュラーだった。キャリア初年度なんかより縦突破からの左足クロスとかカットインのインスイングクロスとかかなりプレーの幅は広がってるんすよね。もう少しアシスト数を積み重ねたかったし相手を止められるとなお良いというところだが最終的には及第点以上の活躍でした。残れば来年もレギュラーだったろうけどこの選択を覚悟を持って正解にするそうです。責任感強いから福島でキャプテンマークを巻くところが見たかったところだけど、しばしの別れということで。福島は福島で正解を掴み取りましょう。ありがとうございました。
11番 雪江 悠人 27試合出場 7ゴール 4アシスト
大卒5年目、中盤戦以降CFのレギュラーとしてチーム内得点王とアシスト王という活躍ながらまさかの契約満了。なんでや。八戸への移籍が決定済。契約満了になってしまったからとか関係なく今シーズンのMVPです。持ち前の身体能力と運動量とタフネスをフル活用して前線からの守備とポストで起点になりつつ格段に精度を上げたフィニッシュワークでキャリアハイを大幅更新。雪江が7点も取るとかいう世界線存在してたのか。良くて4点くらいだろと思ってた。ある程度ドリブルで仕掛けられるし降りてきて組立に関与したりサイドに流れてクロスに持っていったり、フィジカルを活かして起点になるだけでなく万能型のCFとしていよいよ覚醒といった感じだった。もっとエゴイスティックに振る舞っても良かったぐらいだが。DFとして出場機会を得られない中でJ3で通用するCFが不在という状況を打破すべくCFとして起用され、前線で身を粉にしたプレーで軸となり、澤上とのポジション争いも制してゴールとアシスト共にチームトップ。今シーズンの貢献度は計り知れない。こういう選手を切るのはよくわからんのだけど、「DFとしては試合に出られなかった、CFとしては人がいないから主力に据えたけど新しくチームを作るにあたって軸にするならちゃんとしたCFを獲得してくる」という事と理解するしかない。納得はしないけど。それにしても大卒5年目で比較的福島への忠誠心が強い部類のゴールとアシスト合算で二桁に乗せた選手を切るもんかね。福島も偉くなったね。ここまでの成長を見せてくれた選手が切られるのはホントに悲しい。力は示したはずなので来年のさらなる活躍を期待します。八戸で福島相手に点取っても文句は言わぬ。これまでボロクソ言ってきた自覚はあるけども、今年はホントに素晴らしい活躍でした。生え抜きがここまでやってくれるのは嬉しい。ありがとうございました。
24番 宝納 拓斗 出場なし
契約更新済。高卒ルーキーはポジション争いには全く割って入れず。ビルドアップに強みがある左利きCBということで鈴と真っ向のポジション争いになるが、鈴のパフォーマンスが良いので中々厳しい戦いになってる。まずはDFとしての逞しさを身に着けて来年頑張ってほしい。まあまだ高卒1年目なのでな。とはいえ福島隼斗とか高卒2年目でレギュラークラスだったしな。時間は有るようで無いので頑張れ。
27番 野末 学 16試合出場 1アシスト
契約更新済。3バック右のポジションを堂鼻と年間通して争い続けた。依田監督の下では中々出場機会に恵まれなかったが終盤にはスタメンを奪取。服部監督が欲しがったであろうビルドアップが強みのCBだがバックスの中では一番蹴れるのではないだろうか。軽く右足振るだけでとんでもない距離のボールや鋭いパスが出る。軽い振りで飛距離、質、共に素晴らしいボールが飛んでいくわけだが、あとはその武器をどう崩しや得点につなげていくかというのが課題なわけだし、当然守備力も更なる向上は必須。やっぱ相手を止められるかどうか、奪えるかどうかは大きな分岐点なんじゃなかろうか。ただ、自身の強みを見せつつ開幕後の加入ながらそれなりに試合に出られたのは大卒ルーキーとしては及第点。守備力では堂鼻に分があるのでポジションを争う上ではビルドアップでどこまでチャンスメイクに関与していけるかが肝になるのではないだろうか。強みを活かしつつタフな守備を身に着けることが来年は求められる。
28番 鈴 直樹 37試合出場
契約更新済。大卒ルーキーながら3バック左の絶対的レギュラーに。なんせ左利きだから左サイドから左足で縦にも着けられるしクロスも入れられるという要素が強すぎた。持ち出すのも相手をいなすのも上手くて起点になれるのでポゼッションしたい福島としては戦術の幅をグッと広げることに成功。3バックの左の選手としては理想的過ぎた。足下の上手さだけじゃなくしっかり競れる、しっかり止められるというJ3基準で通用する守備力も備えていたあたりもポイントが高い。堂鼻以上に枠にいかないがミドルの意識があるのも良い。迂闊な対応もまあまああったし、安定感を無くした時期もあったけど1年目でここまでやれれば十分なんじゃないでしょうか。なんだかんだカードももらってないクリーンなプレーしてるしね。来年も3バックなら出ずっぱりだと思うので慢心せず力をつけていってほしい。
44番 大武 峻 37試合出場 1ゴール 2アシスト
どう考えてもDFラインの大黒柱だったが契約満了。金無いんか。今年はセットプレーからのダイナマイトヘッドがほとんど不発だったとはいえ3バックの中央で流石の強さを発揮。相手を止める対応の上手さとか、空中戦の強さとかはリーグ屈指のものがあるよね。特にクロスとか中途半端にクリアするのとかが無くて、しっかりエリアの外まで弾ききれる選手は大武しかいなかった。危機的状況をさらっと回収してみせるのよね。キックも質が良いし、特にピッチ中央から楔をトップまで通せるCBはそうそう見つからないのではないか。とはいえ雑なロストから失点に繋がったり、毎試合のように失点してしまったのもDFリーダーとして責任があるのも事実。ゲームキャプテンを任された事も考えればもっとキャプテンシーを発揮しなければならなかった。完璧ではなかったとはいえ切られるのはベテランになるので年俸の問題とかだと思うんだけどどうなんでしょう。CBとしては理想的な選手だったし、まだ31歳なのでまだまだこれから。どこか欲しがるところはあるでしょう。ありがとうございました。
55番 柴田 徹 23試合出場 2ゴール 3アシスト
湘南からのレンタル1年延長が決定済。大卒ルーキーでもある須賀川の漢は実力者古林を押しのけて右WBのレギュラーに。果敢なクロスもさることながら斜めの動きで組立からフィニッシュ二まで関与できるフットボールセンスが素晴らしい。自分でパスを着けてから動きを止めずにゴール前まで侵入するプレーを何度も見せ得点力を発揮。位置を問わずにゴール前まで多彩なクロスを遅れるのも強烈な武器だった。ハイライトは間違いなく1ゴール2アシストの25節アウェイ盛岡戦。斜めの動き、斜めパスで盛岡守備陣を粉砕してみせた活躍は非常にスペクタクルでセンセーショナルだったのではないだろうか。全然相手を止められなかったり簡単にクロス上げられちゃう守備力は要改善なのだが、エネルギッシュな上下動とチャンスメイクを考えれば納得のスタメンだった。そもそも福島県出身というだけで高ポイントなのだが、勝利した際のラインダンス(わらじ踊り)の音頭とるのもメガホンなしでスタンドに響き渡る声出せるのも高ポイント。負けてもSNSで発信できるメンタルも良いし、自分の意見、想い、覚悟を自分の言葉で発信できるのも人として大きな強みじゃないでしょうか。非常に良い漢なので来年も頼む。
MF
5番 大森 博 17試合出場 1ゴール
来年も徳島からのレンタル延長が決定済。レンタル2年目だが今年もレギュラー奪取ならず。ボランチでは殆ど使われなくて3バックのバックアップが後半戦の主な運用法。まあサイズがあって足下があって3バックもボランチも対応するということで便利屋になっていたというのが実態である。それでも3バックでのスクランブル出場に応えて大きなミスもなく後半戦は乗り切ったのは前半戦の出来からしたら成長といえるのではないでしょうか。ボールを扱える、蹴れる、そういう強みがあってバックスで起用されていることを考えるともっと組立と崩しのプロセスへの関与は必要だったとも思うけど、そこは伸びしろということにしておきます。個人的にはボランチでの起用が面白かった昨シーズンの活躍が鮮烈だったのでボランチでポジションを掴んでほしいのだが、ボランチとして活躍するにはやはり攻守共にレベルアップな必須。来年は勝負の年になると思うので頑張ってほしい。5番を背負うに恥じない活躍を期待します。
8番 吉永 大志 33試合出場
契約更新済。スーパー水を運ぶ人。後半戦はレギュラーにはなりきれなかったものの、出場すればボールキープやパス、猛烈な運動量で攻撃を活性化。大雑把に言えばビルドアップをなんかいい感じに円滑化させてた。ボランチを主戦場としながらもWBにもシャドーにも対応し、どこで使っても運動量とパスセンスで攻撃を回せる優れたユーティリティ性が光った。技巧派の側面と泥臭い側面を併せ持ってる面白い選手だよね。とにかく凄まじい運動量でボールサイドに顔を出してビルドアップを補助するというスタイルは宮崎や上畑とも違う魅力を発揮したのではないだろうか。果敢なシュートは可能性を感じたしチャンスメイクもまずまずこなしてはいたが、ゴールもアシストも無しというのは大きな課題。PK奪取時のクソデカガッツポーズは死ぬほどかっこよかったので来年はゴールパフォーマンスとしてそのガッツポーズが見たいところ。内に秘めた闘志が熱いタイプよね吉永は。来年は樋口に次ぐ古参になる。来年こそレギュラー奪取、ゴール量産を期待したい。
10番 森 晃太 32試合出場 3ゴール 3アシスト
森はたぶんブラジル人みたいな切り取りまくったプレー集を作るととんでもなく映える選手だと思うんすよ。契約更新済。数字は去年と大して変わらないけど大きな飛躍を果たしたシーズンだったのではなかろうか。中盤戦以降にシャドーのスタメンに定着すると持ち前のスピードと鋭いドリブルで攻撃の主軸へ。去年まで好き勝手ドリブルしてるだけだったが、今年は味方を使う、スペースへ走り込む、仕掛けるだけじゃなくドリブルでキープするなど攻撃面で手札がだいぶ増えて明確に相手にとって怖い選手になった。何より守備面は飛躍的に進歩。特に後半戦は前プレもプレスバックもサボることなくこなすようになったのでスタメンを任せられる看板選手へと成長。総じて10番に恥じないプレー内容で絶大な存在感を見せつけた。とはいえ練習からして全く決まらなかったし試合でも最後まで決まらなかった左サイドからのカットインシュートはなんとかして欲しいところ。これが決まるようならJ3では屈指のアタッカーになるはず。ただのドリブラーではなくアタッカーとして凄みを増したシーズンだったので来年は得点とアシストの量産あるのみ。チームの顔として福島を牽引することを期待します。
13番 宮崎 智彦 30試合出場 1ゴール 3アシスト
契約更新済。大ベテランは後半戦見違えるほどのパフォーマンス。依田体制ではボランチに固定され司令塔として流石の技術と経験値を披露。正確無比な左足のキックと錆びつかない技術、鍛え抜かれた戦術眼でチームの舵取りを担い、プレースキッカーとしても何度も決定機を創出して違いを見せた。終盤戦は60分ほどのプレーに制限されたが、夏場は30代後半とは思えない猛烈なプレスを試合終盤に見せるなどまだまだ老け込んでいないというところを証明してくれたんじゃないでしょうか。それでもオープンな展開だと特に守備で局面に間に合わない時がそこそこあったので結構練った運用は求められるのではなかろうか。そもそも服部体制と依田体制で宮崎のパフォーマンスに差があるのはタスクの割り振りの問題だと僕は思ってるので。上畑に動を任せて宮崎は静に徹したというか。円熟味のあるボランチとしての振る舞いはまさにマエストロ。ワインの如く味わいの深まっていくプレーを来年も期待します。
14番 向井 颯 4試合出場
契約更新済。高卒2年目、前半戦はチャンスを得たが後半戦はベンチ入りの機会も訪れず。ドリブルと思い切りの良いシュートなど光るものはあるがフィジカル面とか守備面とか、ビルドアップとの兼ね合いとかでなかなか難しかったみたい。そもそもWBとシャドーでポジションを争ってるみたいなのだがシャドーの森や塩浜や長野、WBの柴田と古林といった実力者揃いの中では分が悪かった。来年こそドリブルを武器に出場機会を掴みたいところ。ドリブラーなんてなんぼあってもいいですからね。柴や堤の扱いからして来年は正念場となるはずなので一層の奮起が求められる。がんばれ。
30番 清田 奈央弥 5試合出場
期限付き移籍期間満了で磐田へ返却。磐田でも契約満了。WBで使われたりしながら去年以上に試合に出られなかったわけだが、フィジカル面が色々厳しかった。流石に当たり負けが多すぎる。左足の強烈なキックは魅力だが、キープだったり推進力を持ってるタイプでもないのでなかなか試合に絡めなかった。ミドルシューター的な方向性に振ると面白かったかもしれない。ピッチ外では趣味のカメラで大活躍。シグマのレンズ使ってるのとシグマ会津工場を絡めるのは結構福島県アピールとしては上手かったと思う。磐田がユースから引き上げるくらいなので実力はあるはずなので今後に期待。
35番 柴 圭汰 8試合出場
契約満了で退団が決定。ボランチやシャドーで出場したわけだが体格差の不利を補おうというボールの受け方、持ち方、プレーの選択、全てが非常に賢い。常に考えてプレーしてるんですよね。デコイとしてのランニングもかなり上手い。しかしながらボールを持って出来ることが少ないし攻守両面でのパワー不足はいかんともしがたかった。ただ、162cmでアジリティを活かした仕掛けを武器にせず純粋にボランチとしてプレーしてる選手はホントに珍しいし、本人の賢さと努力を考えると結果が残せていないとはいえ高卒3年目で切るのは惜しい。攻撃面での強みを持つのは必須だが、どこに行ってもチームで求められる働きができる選手だと思うのでカテゴリ落としてでも活躍できる場を見つけてもらいたい。本人が何度も言うように、「小さくてもやれる」ということを証明しなくては。がんばれ。
38番 粟野 健翔 3試合出場 1アシスト
契約更新済。すっかり忘れていたが去年特指だっただけで大卒ルーキーなんだよな粟野。序盤戦以降全くベンチにも入れず。ボランチで使われたけど去年見た感じだとシャドーなりWBなり出来るみたいなのでユーティリティ性を押し出してポジション争いに絡んでいくしか無い。エネルギッシュで運動量はあるんだけど攻撃面でできることが少ないのが課題なのでやっぱ一芸がほしい。他の大卒ルーキーより1年早くチームに合流していたことを考えるともっと出来てほしかったというのが正直なところ。来年は早くも勝負の年になると思うので一層の奮起が不可欠。個人的には手薄なWBに対応して走力で勝負するのがいいんじゃないかなーと思うが。
41番 上畑 佑平士 35試合出場 4ゴール 2アシスト
契約更新済。J3のイニエスタになった。去年から劇的な成長を見せた選手なのではないだろうか。前への積極性が別人レベル。ボランチでレギュラーを獲得すると豊富な運動量と3列目からの果敢な飛び出しでエリアに侵入しゴールとアシストを記録。衝撃的なまでに鮮やかなボールタッチで局面を打開するプレーは異次元だった。超人的なボールキープ、あらゆる手段を使って前を向こうとする姿勢と推進力、昨年とは別人のような前への積極性は非常に素晴らしかった。強烈なフェイントやフィジカルに頼るのではなく、適切な位置に適切なタイミングでボールを置くとこで相手を無力化するプレーは息を呑むほど美しい。守備でも危険な場面でしっかり戻ってくれたり鋭いインターセプトを見せたりしてくれて攻守両面で隙がなく、理想的なボランチだったんじゃないかしら。個人的に印象的だったのが25節盛岡戦で、ゴールを決めると左胸のエンブレム握りしめながらゴール裏に走ってくるとか言う激熱パフォーマンスを披露。そういう熱いのもっとやってくれ。来年は大卒4年目で看板選手の一人となるだろうし、本人も自分の好調がチームの結果に繋がらなかったことを自覚しているようなので「勝たせる選手」にスケールアップしてもらいたい。
FW
9番 澤上 竜二 17試合出場 2ゴール 2アシスト
期限付き移籍期間満了で退団、所属元のセレッソ大阪も契約満了で退団。夏の市場で獲得してシーズン後半のみの活躍で2ゴール2アシストは悪くないけどもっと数字を残したかった。CFの本職として強靭なフィジカルを武器に秋口はスタメンを奪取。しかし最終的に雪江にスタメンの座を譲ることとなったあたりからしてもう少しやれてほしかったといったところか。パワフルなポストと鬼気迫るチェイシングは非常に良かったのだがフィニッシュ精度は課題を残したしポストワーカーにしてはサイドに流れすぎた。普通に中央にどっしり構えててくれた方が良いと思うのだが。途中加入でチームへの組込とすり合わせが間に合わなかった感はある。なんか練習ではやたら左足のシュートが厳しめなコースに刺さってたのだが実戦ではなかなかそういうシュートを打つ場面を作れなかった。なんなんだろね。CFとしてはかなり信頼できる部類なのだが、これで20代半ばなら話は違うが来年31歳になるのを考えると退団は致し方ないかと。まあ魅力的だからこの年までセレッソもレンタルで回して手放さなかったんだろうけど。短期間ながらCF不在の窮地を救ってくれたのは事実なので感謝です。たぶんJ3でまた会うでしょう。
17番 延 祐太 20試合出場 1アシスト
契約満了で退団が決定。シャドーが主戦場だったのだが、大卒3年目のFWで無得点というのはなかなか苦しいし、フィジカル面の脆さというか当たり負ける場面が多いと何をやるにも厳しい。守備では逃げずに身体を当てに行くようになったのは素晴らしいけどもボールを持つところで寄せられると潰されてロストするのは結構つらい。ビルドアップについては間で受ける、スペースを見つけて受けるというのは上手いんだけど、そこから相手の脅威になるという部分まで至らなかったのはアタッカーとして物足りなさがある。スピードと技術は十分通用するものがあるし器用さもあるだけにもっとゴールへ自身のベクトルが向いたプレーをコンスタントに出せればまた結果は違ったのではないか。ラインブレイクはかなり効いていたしクロス主体じゃなくて後ろからパスが出てくるチームだともっと活躍できるかもしれん。
18番 堤 聖司 1試合出場
契約満了で退団が決定済。高卒3年目でここまで殆どゲームに絡めないということで仕方ない部分はある。FWとして強烈な武器や尖った部分を示せなかったし、こういう若手をチームとして使う余裕がなかったのも本人には不利な要素だった。万能型FWという形でやってきてるんだろうけど万能と器用貧乏は紙一重である。なんとなくゴールへの嗅覚がありそうみたいな感じで去年は使われてたのでこのタイプは結果を残せないと色々つらい。まだキャリア3年、諦めるには惜しいのでここからの巻き返しを期待します。
19番 三木 直土 9試合出場
期限付き移籍期間満了、磐田の退団も決定し鳥取への移籍が決定済。172cmとそんなにサイズが無いもののCFとしてもシャドーとしてもプレーできる選手なのだが、ポストとかドリブルがあるわけじゃなくてとにかく前線で頑張るマンだった。決して悪くはないプレーしてるんだけどスタメンに定着するほどのバリューを示せてないというか、鋭い動き出しと身体を張るプレーは光ったが、個での力強さ、打開力、得点への関与、色々足りなかった。このタイプの選手はゴールなりアシストなりの結果を出せないとなかなか出場機会を掴めない。決定力が生命線のタイプだと思うのでシュートを磨くのみ。
20番 城定 幹大 14試合出場
契約更新済。大卒ルーキーで開幕前から序盤戦までは攻撃の軸に据えられていたが後半戦はめっきり出場機会を失ってしまった。中でも外でもチャンスメイクできる、難しいところを通す閃きやセンスはなかなか良かったけど、いかんせん全体的に強度不足。終盤には出場機会をもらったけどほぼアピール出来ずだいぶ苦しい思いをした年だった。技術は面白い物を持ってるけどキープができるとか推進力があるとかではないしサイズがある割には競り合いを選択できるタイプでもないのでチャンスメイクの部分で尖っていかないと難しいのでは。ただ何を言っても守備に走る、競り合う、そういう基本的なフィジカル面は最低限必要になる部分なので来年はここのベースをしっかり作ってもらいたい。あと左足に持ち替える時間は与えてもらえないので右でも蹴れるとなお良いかと。来年は正念場だぞ。絶対にスタジアムでジョジョ立ちしような。
25番 長野 星輝 36試合出場 3ゴール
契約更新済。後半戦は2ゴールを挙げたとはいえ開幕前にエースとしての活躍を期待され、これまでの成長ぶりからすれば残念なシーズンとなってしまった。相手をいなす事はできても踏ん張れるパワーは無いのでポストは出来ないし、ヘッドや空中戦も上手いわけじゃないのでCFとしては全く機能せずシャドーが主戦場に。推進力のあるドリブルと果敢な攻撃性を武器に可能性は十分に感じさせてくれたものの、それ以上に課題の見つかったシーズンだったのではないだろうか。守備面の勤勉さはもっともっと必要だし、フィジカル面の向上ももっと必要。だけど一番の問題は持ってる能力が得点を取る上でシームレスに繋がってないとこではないか。長野のフィニッシュパターンはボックス内での少ないタッチないしダイレクトが基本だけど、持ち味のドリブルでの推進力はフィニッシュに直結しないというか。これでドリブルからのシュートで点取れるなら話は違うけどそうじゃないわけで。そもそもフィニッシャーに徹するならもっと強いシュートを蹴れなきゃいけないし。チームとしてもサイドからのクロスが攻撃の基本だけど横からの高いクロスを叩くのが得意じゃないというかここまでヘディングでのゴールが全く無いんですよね長野は。このままだとなんかデカいけどサイズは特に活かしてない足が長いだけのFWになっちゃう。全体的にスケールアップが必要なんだけど、まあまだ高卒3年目なのでここらへんでバネにできるような挫折があって然るべきでしょう。2024年の逆襲に期待します。あとやたら練習試合ではキャプテンマーク巻いてたみたいなんで試合でも巻いてるとこ見たいね。
39番 塩浜 遼 37試合出場 5ゴール 2アシスト
契約更新済。「おしい」の権化。フィニッシュにしろチャンスメイクにしろやたらめったらおしい場面の連続でちゃんと結果に繋がってればたぶん12点とか取れてたんじゃないか。シーズン通してシャドーの主力に定着。ドリブルで狭い局面やサイドを攻略できる、170cmだけど競り合いに強いし逃げない、守備にしっかり走る、裏に抜けても自分で運んでもフィニッシュに持ち込める、あらゆる要素がアタッカーとしては理想的で納得のスタメンだった。逆に言えばスタメンになれなかったアタッカー陣はこの塩浜の基準に至らなかったという話なのではないか。シュートへの積極性と強いの打てるのがなんせ良い。もっと点とれたろというのは前半戦と変わらぬ感想なんだけど大卒ルーキーでここまでやれれば十分合格なんじゃないでしょうか。来年も看板選手として二桁得点よろしくお願いします。あと11番が似合いそうなんでどうですかね。
40番 樋口 寛規 27試合出場 5ゴール 2アシスト
契約更新済。部長はベテランらしく燻し銀の活躍だった。今年はボランチではなくCFやシャドーでの出場。決して得点数が多くはないが5ゴールの内訳が決勝弾2と同点弾3と全て勝ち点に直結しているのは流石の勝負強さ。混戦での上手いポジション取り、こぼれ球に詰める嗅覚、ここ一番のPKを沈められるハート、若い勢いは無くとも燻し銀と呼べる経験値の詰まったプレーを見せてくれた。まだ31歳とはいえフルで走るのがちょっとキツそうな雰囲気出してるのは心配ではあるけど、勤勉な守備はするしビルドアップに絡めるしそこそこにキープは出来るしプレースキッカーも出来るのでまだまだ頼りになるんじゃないでしょうか。なんだかんだストライカーのセンスで相手を殴れる唯一の選手なんですよねウチでは。個人で仕掛けたりパワーで押す選手はいてもポジショニングで相手の痛いとこ突いていける選手は樋口だけ。来年福島9年目を迎える最古参なわけですが、来年も渋いプレーで得点に絡んで行ってほしいところ。ピッチ外でも試合前日にスタグルのカレーを仕込んだり農業部の活動にも精力的に取り組んでくれてありがたい限り。このまま福島に骨を埋めてほしい。
50番 古林 将太 28試合出場 2ゴール 1アシスト
契約満了で退団が決定済。湘南で契約満了とはいえまだまだJ1、J2で通用すると言われながら右WBのポジションを大卒の柴田に押し出されスタメン落ちすると終盤はベンチ外に。序盤戦こそ流石の戦術眼と得点力を発揮したものの推進力や守備力やチャンスメイクの総合力では期待したほどの活躍には至らなかったかなと。32歳という年齢から来るフィジカル面の衰えなのか、怪我を抱えていたのか、コンディションを上げられなかったのかはわからないけども、クロスが武器と期待されて起用されながら殆ど形を作れなかったのは残念だったし、やたら股抜きされてたのもうーんというところだし、ベテランとして色々なものをチームに還元する事を求められる立場としては物足りなさがあったのではないか。一人でどうのこうの出来るタイプじゃなさそうなのでもうちょっとまともにサポートできるチームだとまだ輝けるのでは。短い間でしたがありがとうございました。
監督
依田光正 21試合 8勝 8分 5敗
退団、清水エスパルスのコーチ就任が決定済。最後の最後で判明したことなんですけど、依田監督に交代した時点でクラブの目標は残留に切り替わってたんすよね。つまり8戦無敗で一瞬昇格圏が見えたのはいわばオマケ。そういうところで見ると北九州が沈んでいたとはいえガタガタの落ち目のチームを比較的余裕を持って残留を決めるところまで持ってきたのは素晴らしい手腕だったし残留できた時点でほぼ満点合格だったのではないかと。常にポジティブだけども現実を見れる人だからボールを捨てる選択もできるからこの成績を掴めたのではないか。残留がミッションということでスタメンや交代メンバーが固定化され、若手の育成という面では物足りなさはあったし、画一的なメンバー起用以外では有効打をあまり打てず対策を組まれると対応できないところはまだ力不足だったのでは。まあそこは福島の選手層の薄さと依田監督もトップの監督は初めてなので仕方ないんですけども。良くも悪くも選手を信用しすぎてたんじゃないかと感じます。良い人なんですけどね。強烈に印象に残ったのは依田監督の人柄の良さ。色んなメディアが服部監督の時から何を変えたの?と手を変え品を変え聞いてくる中でずーっと「服部さんがやろうとしていたことが少しずつ形になってきた」と誘導尋問に乗らず答え続けたのもそうだし、勝った試合で前半に交代させた樋口をロッカールームで真っ先に「ヒグが頑張って走ってくれたから」と言うのもそうだし、ファン、サポーターという言い方だけじゃなく「あらゆる方法で我々にパワーを送ってくれる方々」と言うのもそうだし、「俺は全員でやりたい」という言葉はパフォーマンスでもなく一貫してブレない本心なんだろうなと感じさせてくれる日々の言動もそう。そういう素晴らしい人だから色々な監督達が一緒に仕事したいと思うんでしょうね。依田ユナイテッドで2024年を見たかったところだけど、体制一新という方向性もわからなくはないので致し方なし。決して順風満帆ではなかったけど残留は間違いなく依田監督のおかげです。ホントにありがとうございました。またいつかどこかで。
服部年宏 17試合 4勝 3分 10敗
今治の監督就任が決定済。前半戦で散々こきおろしたのでこの場では言うことはあんまり無いんですけど、結局のところ服部年宏とはなんだったのかという事の答え合わせを考えると「服部監督のやろうとしたことは割かし悪くなかった」という結論になるのではないだろうか。依田監督の選手起用の基準、方向性は服部監督と殆ど変わらないし、やるサッカーもあくまで服部監督が作ったベースを踏襲したもの。依田監督がいじったのは優先順位とどこを捨てるかという微調整だったのではないかと。たぶん服部監督ならあそこまでアーリークロスは選択しなかったろうし、保持にもっとこだわったろうとは思うので。ただ明確にモチベーター的な力量は依田監督とはだいぶ差があったというか、選手から「依田監督は選手をやる気にさせるのが上手い」という声が上がるあたりからして選手ともコミュニケーションが上手くいってなかったのではないか。そう考えるとJ3の監督をやるには目線が違いすぎたのかなーというのが感想です。JFL鳥取とかJ2でも苦しい部類だった岐阜を経験してたからそこら辺はわかってるもんだとこっちは思ってたし。とりあえず福島のことは舐めてた人だと思ってるんで来年絶対今治は叩く。負けらんねえ。
レンタル組の皆さん
GK 安西 駿
来年は福島への復帰が決定済。今年は年間通して北信越リーグの福井ユナイテッドFCへレンタル。実力者である杉本拓也の牙城を崩せずベンチ入りがやっとの状況が続く中で8月に右膝前十字靱帯損傷でシーズン終了。全く実戦を経験できなかった。そもそも獲得した大卒をチームに合流させないまま他のチームに流すのもクラブとしてどうなんだという話だが。福島県出身選手なので来年は怪我を治して早めに戦列に加わりたいところ。地元となる会津開催で是非ピッチに立って欲しい。たぶん去年練習参加してたの見た感じでは上川と互角くらいの実力だったはず。期待します。
DF 八木 大翔
現役引退が決定済。高卒2年目の今年は北信越リーグの福井ユナイテッドFCへのレンタルとなったがベンチ入りもできず。怪我もあったようだが、早い段階での決断となった。福島もクラブとして竹鼻さんが昔言った「高卒獲るのはいいけどその人の人生に責任持てるのか」という話がいよいよ出てくるなというのを感じさせられた。ちゃんと面倒みてやれよと。皆が皆成功できるわけじゃないし仕方ない部分はあるけど、戦力になりませんでしたハイさようならではクラブとして上積みも信用も無い。八木には申し訳なかったけども、次のキャリアに幸多からん事を。
というわけで今年の選手評でした。相変わらずアタッカーに手厳しい自覚はあります。
ここ数年、J3は加速度的に競争が激しくなっているのを感じます。来年ですら大宮を相手にしなきゃいけないのに再来年からは3クラブもJ2から落ちてくるということは、更に体力と経験とブランドを備えたライバルが増えるということです。そして今年はHONDAとブリオベッカ浦安に救われたとはいえ降格もあるわけです。その状況でJ2を目指すとなれば、抱える選手の質と運用やクラブの経営、全てに綱渡りのような、生き馬の目を抜くような、難しく繊細な舵取りが求められている…というかそれがないと上にはいけないんでしょう。ここまでの福島の歩みでそれが出来るのかというと相当難しい道のりになるのは間違いないわけで。ただ、関塚隆を連れてきた事や依田さんや雪江を切ったことについては本気でJ2を目指すための動きだと思っています(雪江を切ったのは納得しないけど)。このクラブに尽くして志半ばに去った人々の全ての屍を踏み越えてJ2に行く、その覚悟の現れと受け取っています。J2に行くのが全てではないけども、ひたすら負け犬で後ろ指差されるのはつまんないでしょ。歴史は勝者が作ってきたし、勝てば官軍なのが世の中だと嫌という程見せられてきたはずです。もっと面白くしたいなら、もっと福島を盛り上げたいなら、福島の誇りでありたいなら、J2に本気で行くという取り組みをすべきだと思います。選手が頑張ってればそれでいいのはごく一握りで、県民に訴えるにはもっとアクションが必要かなーと。浜は簡単にJ2に行ったのに福島はいつまでも弱いままとか言われてらんないでしょ。あっちは金持ちで〜なんて興味ない人からは知ったこっちゃないしね。
僕は相変わらず一人でスタンドに向かうことしか出来ませんけど、来年も可能な限り足を運びます。いつか真っ赤に揺れるスタンドで選手を後押ししたいですね。きっと素敵な選手との出会い、心震えるゲームがあると信じています。ひたむきにやり続けましょう。