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(6920)レーザーテック 22/6期決算

銘柄概要

(6920) 東証プライム レーザーテック
レーザーテックは半導体用マスクブランクス欠陥検査装置で世界シェア100%を有するグローバルニッチトップメーカー。主な顧客は世界の大手半導体メーカーや半導体用マスク、マスクブランクスメーカーなどが挙げられる。

2022/6期決算内容

2022/6期連結決算内容は、売上高904億円(2021/6期比+28.7%)、営業利益325億円(同+24.6%)、経常利益336億円(同+27.0%)、親会社株主に帰属する当期利益249億円(同+29.1%)と、過去最高の業績を達成。
連結受注高は3,238億円(同2.9倍)、受注残高は3,692億円(同期末比2.7倍)と大幅に拡大。

2022/6期は、前期に続いてEUV関連の装置の需要が好調に推移した。半導体の更なる微細化を実現する露光方式EUVに対応したマスク検査装置の需要が大きく拡大していると思われる。半導体BIG3ともいわれる台湾TSMC、韓国サムスン電子、米国インテルの積極的な設備投資の恩恵を享受していると推察。

2022/6期受注高は過去の推移を見ても類を見ない水準に大幅拡大。半導体の微細化投資に伴った製品需要の拡大のほかに、半導体・部材不足の影響や物流の混乱といった、サプライチェーンの混乱に対応すべく、顧客各社が前倒しでレーザーテックに発注を掛けているということも考えられる。

旺盛な製品需要を背景に、レーザーテックでは積極的な人員採用を展開。2022/6期は135名を増員(2021/6末536名→2022/6末671名)。また2022/6期に投下した研究開発費は86億円(2021/6期57億円)、設備投資額は54億円(同57億円、ただし2020/6期は11億円)、これにより減価償却費は34億円(同16億円)に拡大。

2022/6期には3つの新製品を投入。

  • FPDハイエンドフォトマスク欠陥検査装置

  • コンフォーカル顕微鏡自動検査/レビュー装置

  • マスク検査装置

2023/3期の業績計画

2023/6期の業績会社計画は、売上高1,400億円(2022/6期比+54.9%)、営業利益420億円(同+29.3%)、経常利益420億円(同+25.1%)、親会社株主に帰属する当期利益330億円(同+32.8%)と、引き続き大幅な増収増益を見込む。

事業環境としては、

  • 世界的に最先端半導体及びパワー半導体の供給体制に懸念が生じており、各国において工場の新設計画が進展していること。

  • 2022年下期かた最先端となる3nmプロセスのロジック半導体の生産開始が見込まれていること。

  • 2nmやHigh-NAを使った更なる微細化も続く見込みであること。

  • EVの普及などに伴い、次世代パワー半導体の需要が急伸していること。

等が挙げられる。

業界団体(SEMI)の予測によれば、半導体製造装置市場は、2022年に1,086億ドル(2021年比+20%)、2023年に1,087億ドルと見込まれている。特に2022年の3nm以下半導体向け投資は2021年比4.3倍、2023年もさらに拡大すると見込まれるなど、最先端半導体向け投資がさらに積極化する可能性が高い。

旺盛な需要に対応すべく、レーザーテックも積極的な投資を行い、需要の取り込みを進める。2023/6期会社計画の研究開発費は100億円(2022/6期86億円)、設備投資額230億円(同54億円)、従業員数は671名→881名に210名増員する計画。

研究開発費や販管費の増加等により採算性は低下する見込みであるものの、好調な製品需要を背景に、2023/6期も過去最高の業績を達成する計画となっている。

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