『GINKA』がイマイチだった話
こんにちは! かにまろです。
2024年9月19日、『ATRI』の制作タッグが贈るフロントウィング制作の新作ビジュアルノベル『GINKA』が発売されました!
普段ビジュアルノベルはやらないのですが、以前勧められてやった『ATRI』が面白かったので、新作発売と聞いてやってみることにしました。
今回は、『GINKA』の感想をご紹介しつつ、ビジュアルノベルが衰退している理由を考察していきます。
『GINKA』あらすじ
ビジュアルがいい!
絵がめっちゃきれい!!
『ATRI』のときもそうでしたが、透明感があってすごくきれいです。
あと、めっちゃギンカがかわいいです。
ストーリーは……
ストーリーはややオカルト寄り。怪奇現象というよりは、ちょっと日本神話を齧った神秘寄りの話になっています。
正直、ストーリーはちょっともったいないなと感じる部分がありました。
話が複雑すぎる
『GINKA』の背景設定は、もう少しスッキリできたんじゃないかな……。
ビジュアルノベルの良さって、個性豊かなキャラクターたちのやりとりと目と耳で楽しめることだと思うんですよね。
『GINKA』は神話的な背景があって、それの説明にかなりの文量を割いています。その分、キャラのやりとりを楽しむパートが押されてしまっている印象です。
主人公の独白がずっと続いたり、せっかくキャラの声を聞けてもただの説明描写に成り下がってしまっていたり。せっかくのビジュアルノベルなのに、ちょっともったいないなと感じてしまいました。
説明や独白が多くなる分、どうしても展開が遅くなりがちなのも、もったいないポイントです。このパートを何とか凝縮したいな、テンポが悪いな、と感じる場面がいくつかありました。
そういった部分は飛ばしてしまうので、ひたすらポチポチしているうちに「スン……」と冷静なってしまい、感情的に乗り切れませんでした😓
なお、設定は複雑ではありましたが、流し読みでも理解できるくらいにはかみ砕かれていると感じました。とても読みやすかったと思います。
キャラクターに共感できない
個人的に、キャラクターに共感して応援できるかは物語を楽しめるかどうかの重要なファクターだと考えています。『GINKA』のような、主人公たちが困難を乗り越えていく物語は特に。
ただ、『GINKA』はその物語が神話由来の話で、主人公たちではどうにもならない感が強いように感じました。課題が厳しすぎて、どうにかなる未来が描けず応援するのが難しかったな~と。課題は、ユーザーが「主人公たちならギリギリなんとかできそう」と思える範囲のものだと良いかなと思いました。
また、課題の解決案も二転三転し、どうにも行き当たりばったり感、成り行きまかせ感がいなめませんでした。主人公たちが解決する課題をハッキリさせて、解決方法を一貫させたほうが良かったのではと思います。
加えて、神話や信仰ゆえの葛藤を抱えるサブキャラもいるのですが、これも共感しにくいです。宗教とか知らんし……。嫌ならやめたらいいのに……。
「主人公は中つ国に住んでいるホビットです」とか言われたら、中つ国のホビットの気持ちを想像して読み進められるのですが……。『GINKA』の主人公たちは普通の高校生です。どうしても自分が高校生だった頃と重ねて読んでしまいます。その高校生が、神話や信仰のせいで苦しんでいると言われても、想像の範囲外で全く共感できませんでした。そういう意味でも、課題が主人公たちに比べて高次元すぎると思います。
分岐がほしい
『GINKA』は基本的に1ルートのみ。選択肢による分岐はありますが、どれもすぐに終わるBADENDです。
これは私の好みかもしれませんが、せっかく選択肢があるビジュアルノベルを作っているんだから、いろんなルートを見せてほしいと思ってしまいました。「どうせすぐ終わるBADENDなんて見なくてもいいかな」と感じてしまい、わざわざ間違った選択肢を踏む意欲が湧かなかったので、全ルート開拓しなきゃと思える程度のエサがあると、選択肢を置く意味が強化されると思います。
『GINKA』の感想まとめ
『GINKA』の絵はいいです!
ギンカはビジュアルもボイスもめっちゃかわいいと思います!!
ただ、ストーリーがあんまりかな~と思ってしまいました。でも、伝奇がやりたかったんですもんね……。そっか……。
いや、でも何度も言いますが、絵はめっちゃいいです。ここまで触れていませんでしたが、サウンドも綺麗だなと思います。
総合評価は、佳作ですかね。買って損かと言われるとそんなことはないけど、積極的に人に勧めるレベルではないと感じました。
以上!