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『ふわり、咲く。』

君は高嶺の花だった。
底辺にいた僕を暖かく救い出してくれたのは君だった。
何もかもが完璧。僕のあこがれの存在だった。
そんな時君が言った。
「苦しい。つらい。私はきっと人よりかけている。欠陥人間だ。」
驚いた。
しかし僕は正直少し安心してしまった。
完璧だと思っていた君が、欠陥人間だ、なんていうなんて。
なんだ、人間らしいじゃないか。
僕は笑って声をかけた。
「完璧な人間なんて面白くない。少し欠けているくらいがちょうどいい。」
君はこういった。
「ありがとう。あなたの言葉に救われた。」
うれしかった。
救ってくれた人を僕が救えるなんてこんなにうれしいことはない。
それから少し経ち、君が言った。
「いなくなってしまおうと思う。」
驚いた。
僕は感情に身を任せ、どれだけの人が君を必要としているか訴えた。
すると君は言った。
「いなくなるのはやめた。体を休ませることにする。」
そして可愛らしい兎のような顔を僕の方に向けて、君は花になった。
その花はふわりともろかった。今にも消えてしまいそうなくらい。
しかしその花は消えることはなかった。しっかりと立っていた。
そんな花に僕は言った。
「よかった。ゆっくり休んで。」
そして僕は現実の世界へ戻っていった。

拝啓 高嶺の花のあなたへ
ゆっくり休んでください。いつでも待っています。
かにかま

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