クビになるのはスゲー怖いけど規制緩和には賛成
先日、テレビの取材で自民党総裁選に立候補している河野太郎さんが解雇規制緩和について発言していました。
まぁまだ議論の余地はあるにしても。
これはめっちゃいいんじゃないかなぁと思います。
この一点だけでも河野さんを押せる理由になるくらいいいのではって思ってます。
日本の低賃金の固定化はかなり問題だと思っていて、なかなか給料が上がらない。その理由の一端に、労働者が守られすぎて、クビにならないってのがあるように見えます。
一度雇うと、そいつがどれだけボンクラや仕事の成果が上がらなくても、会社は相当な理由がない限り、その人をクビにすることが難しい。
でその結果、その人を放置するしかないのですが、その分の給料のしわ寄せがいつも普通に頑張ってる社員の給料に反映されるわけです。
今までの日本躍進時代は、従業員が切られる心配をせずに、安心して働ける環境作りということでそれなりに機能していたかもしれませんが、この低成長時代にはちょっと合わないようになっています。
日本の終身雇用制は、この少子高齢化と低成長の時代には維持していくのはマイナスの方がでかい。
日本の「誰一人として取り残さない」「不幸な人を置いてけぼりにしない」って考え方はすごく素晴らしいし、他の諸外国に比べると生活保護や医療のセーフティーネットがこれだけ充実している国は無いように思います。
ただそれを労働市場にも持ち込んで、能力がない人でもクビにならない社会を会社に強制してしまうのは、なかなかハードモードなのではないでしょうか。
とりあえず、下のレベルにみんな合わせて横並びってのが、逆に国民総貧乏を生み出してるように見えます。
今回の河野さんの発言の内容を詳しく調べたわけではないですが、記事を読む限り、「金銭解雇も含めた解雇規制の緩和検討」と言っているので、会社がバンバンだれでもクビにできるって感じというより、お金でレイオフすることができるようにするってことに聞こえます。
レイオフされる場合
ちなみに、カナダやアメリカではレイオフはよくあります。
結構当たり前にレイオフされます。知り合いの会社もこの間またレイオフがあり、大変そうでした。
以前、自分の会社であったレイオフの体験も書いた。
レイオフの定義的には、会社都合の解雇という感じです。
「ごめん、業績悪いから、あんたの部署から減らすわ」みたいな感じで切られたりします。
なので本人の能力は全然関係なく切られたりします。優秀でも切られたりすることも全然あります。
なので、普通の解雇とレイオフは全然違います。
そして、誰でもかれでもレイオフできるわけではありません。
国によって法律は違うと思いますが、差別的レイオフなんかはもちろんダメですし、例えば、権利を行使したからとか、有給使ったからとか、告発したからとかみたいな理由での報復的に見えるレイオフは禁止されている国が多いです。
レイオフする前にいろいろ条件をクリアしていないとレイオフできない国も多いようです。特にヨーロッパは労働者がそこそこ強かったりするみたい。
なので、こいつ気に入らないからレイオフってことではないでしょう。
さらに、会社都合でのレイオフの場合、金銭的なパッケージを用意してくれることが多くて、数ヶ月分の給料をもらって解雇されます。
あるGAFAの会社は6ヶ月分くらいのパッケージプランを用意してもらってレイオフされるってのを聞いたことがあります。
なので人によっては辞めようと思っていたところに、「運良くレイオフしてくれてやったー」みたいなこともありえます。
それを渡しても会社としては雇い続けるよりいいってことでしょう。
それから、他の会社に再就職するときもレイオフでの無職の場合は、その人の能力が悪くて解雇されたのではないっていうのが分かっているので、警戒感は少なくなります。
「こいつ前の会社クビになってる。何かやらかしたか?悪いやつか?」
とはなりにくい。まぁそういう場合もあるから面接はちゃんとやりますが、本人起因の解雇よりはだいぶ印象が違います。
会社側も最悪のケースでレイオフができるなら、新しい人を雇ってもいいかなぁってマインドになります。
なので会社も雇いやすくなり、入口が以前よりも広くなる可能性があります。
なので雇用の流動性を高めるってことは、悪いことだけではないんです。
なかなか新しいポジションが開かないし、人が辞めないし、入れ替わらないので、そもそも給料も上げる必要がない。
給料が上がる圧力が無いのでなかなか上がらない。
むしろ固定化していることの方がデメリットが多い。
ということで
雇用の流動性を上げるってのは、日本にとっては必須事項だと個人的には思います。
もちろん、乱用や悪用する会社がないかを監視する必要はありますが、もっと労働者側も耐性をつけて自分で生き残れるようにならないといけません。
僕もいつレイオフされるか分からないので、ここ最近の北米のマーケットが良くない時はスゲー怖えーんですが、まぁ覚悟して毎日乗り切るしかないっすね。
日本もどこまで実現化できるか分かりませんが、ぜひやっていただきたいものです。
ではでは。