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汚いFigmaデータの悩み

命名・構成

プロジェクト名

日本語と英語が混在していたり、命名規則がないと検索できない。また、新しく命名する時に困って、結局いいかげんに命名され、状況は悪化するばかり。


ファイル名

プロジェクト名と同様。作成する頻度が多いので、より困る。また、どの単位でファイルを分けるべきか悩む。組織体制が縦割りになっていれば迷わないが、横断的に影響するプロジェクトの場合迷う。

ファイルのサムネイルをデザインする – Figma Learn - ヘルプセンター


ライブラリ名

「デザインシステム」「スタイルガイド」「コンポーネントライブラリ」の語彙について、チーム内で共通認識がないと混乱する。合意形成をするとともに、ドキュメント化した方が良さそう。


ページ名・構成

ワイヤーフレームとスタイリングを同じファイルに作成する時、同じページに置くべきか、別ページに置くべきか悩む。

事業部(=普段開発しない人)に合意形成をする時、ワイヤーフレームを理解しておらず「こんなにグレーにするのか」と文句を言われることがある。そういう場合は、スタイリングとワイヤーを並べておかないと合意形成できないことがある。

しかし、1ページのデータ量が増えると見にくくなる。そして、ページの読み込みが遅くなる。

A案とB案を作る時も、並べるべきか別ページにすべきか、担当者や状況によって変わる。こうして、ページ構成が統一できなくなる。


フレーム名・レイヤー名

その場で使うだけなら適当で済むが、同じ要素を繰り返し使う場合には不都合が多い。マルチ編集もできなくなるし、無駄なフレームがあると階層が分かりづらくなる。


ライブラリとファイルの構成

例えば、Webを基準にデザインシステムを作った後に、アプリのスタイルを定義する際、アプリでは再現できないスタイルが多く、publish(公開)されたシステムをそのまま取り込んでしまうと、作業する際にノイズが多くなってしまう。

本来であれば、デザインシステムの配下にWeb・アプリなど個別のデバイス・OS用のスタイルガイドを作成するべきだったが、すでに運用されているので変更は難しい。


コンポーネント名・階層

「/」で区切ることで階層化できるが、この階層が乱れているとかなり作業効率が落ちる。

近年では各社、ページによって階層化する例がよく見られるが、エンジニアなどデザイナー以外に共有する際に探しにくくなるので、index(どのページに何が書いてあるのかの目次)を作った方が良さそう。


バリアントのプロパティ・値

昔は英語版しかなかったが、UIが日本語になったことで「default」→「デフォルト」のように値が変わってしまい、そこから日本語で命名する人と、過去データに則り英語で命名する人に分かれてしまった。

バリアントの作成と使用 – Figma Learn - ヘルプセンター


ローカルスタイル名

影響範囲は比較的小さいものの、思ったよりプロジェクトの影響範囲が拡大した際に、適当に命名していると混乱を招く。

また、デザインシステムとするファイルのローカルスタイルは、そのままpublish(公開)されるため、命名が間違っていると検索不可能になる。


variables(変数)の活用

variables(変数)の活用例

アクセシビリティの改善など、今後配色が変更される可能性がある場合、色をそのまま定義してしまうと、後日直すのが大変になる。そこで、変数を使ってデザイントークンを定義することで、後の作業が楽になる。

また、アプリのSF Proとヒラギノのサイズが微妙に違う問題があるが、具体の数値を入力して管理するのは大変な作業になる。それを変数で管理する手もある。(例:ヒラギノの18.2ptを「17pt」と命名しておくとか。)

変数の作成と管理 – Figma Learn - ヘルプセンター(フォントをヒラギノ←→SF Proに変えた時に、自動で調整してくれたりするのか?調査中)

(あるか分からないが)例えば、今後SF Proの日本語が出た場合、現在ヒラギノでデザインしている部分を、一気に置き換えることもできたりする。

変数とスタイルの違い – Figma Learn - ヘルプセンター


variables(変数)の理解

近年リリースされた機能なので、理解していないデザイナーもいる。この場合、よく分からず接続を解除してしまったりするかもしれない。そうすると後々困るので、認識を確認しながら共有しないといけない。

「なんでこのバージョンがないの?」
「ブールを使ってます」
「ブールって何?」

変数、コレクション、モードの概要 – Figma Learn - ヘルプセンター

説明欄を綺麗に書くのも手段の一つになりそう。


参考記事:デザインシステムの構築 – Figma Learn - ヘルプセンター



Figmaデータが汚いと発生する問題

開発速度の低下

  • 他のデザイナーが理解するのに時間がかかる。

    • レビューが遅れる。

    • 流用して使用する際に遅くなる。

  • 理解できても非効率なデータの作り方だと作業速度が遅くなる。

  • エンジニアが混乱し、実装速度が遅くなる。

    • 実装物の確認の際にFigmaが見づらい。

精神状態・意識の問題

  • 他のデザイナーに頼むと開発スピードが落ちる状態だと、仕事が頼みづらく、属人化してしまう。

  • チーム内にフラストレーションが溜まる。

  • 最低限の開発に時間と労力を取られ、「より良くしよう」という意識が働かなくなる。


汚くなる原因

Figmaデータ作成とデザインは別の作業

デザイン作業は、Figmaデータを作ることがメインではない。その画面の内容を考えてデザインすること。そこで、デザインデータをきれいにする工程を別途用意しないと、整っていないまま次の工程に進んでしまう。

データを整える時間がない

必要性はわかっていても、プロジェクト進行や組織の状態によって、時間がないことがある。職人気質なデザイナーに囲まれていると、「当たり前に出来ているべきこと」については「別途時間を取るなんて許さん」となってしまうこともあるかもしれない。

必要な精度は状況による

レイヤー・フレームやコンポーネントの命名について、全部を完璧に作り込むべきかは状況による。エンジニアの体制や受託・内製か、プロジェクトの進行段階によっても変わる。そのFigmaを見る相手に、どこまで作り込むべきかヒアリングしなければならないが、エンジニアとデザイナーが直接会話しにくい状況だと、どこかで齟齬が起こる。完璧に作り込む時間を掛ければ解決するが、その時間分施策の進行が遅れる。

OS・実装について理解していない

AppleやGoogleが出しているFigmaを流用して、アプリのデザインを作成した際に、「この仕様を実装するには、無駄に工数がかかる。」と指摘されたことがある。OSの仕様に準拠したからと言って、それが既存の実装状態と違えば意味がない。


解決タスク

コンポーネントの浄化

命名やレイヤー構造など、コンポーネントを綺麗にするだけで、大分マシになる。現行のコンポーネントを直すと既存のデータが崩れるおそれがあるので、チームで連携して影響を確認しながら見直す必要がある。

スタイルガイドを綺麗に作る

サービス全体のデザインシステムが汚い状態でも、個別のアプリのスタイルガイドなど、下位概念のシステムを作る際に浄化(濾過とでも言うべきか)できる部分もある。

工数の確保・投資価値があるのでは?

業務効率がどんどん悪くなるよりは、なるべく早くコンポーネントの改善をすべき。エンジニアからの要望を集め、工数を確保しに行った方が良い。データが汚くて残業するくらいなら、コンポーネントの整理で残業した方が、トータルの時間で元が取れる。
また、デザイナーのスキルアップとしてもプラスになる。



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