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石膏鉢に着色してみるの巻【オリ鉢研究日誌#4】

3Dプリントで作ったモールドに石膏を流し、鉢を作ったので、色塗りを試してみる。

前回の記事はこちら。

ちなみに石膏は耐水性がない素材なので、植木鉢としてそのままでは使えない。
ということで、成形・着色後、最後に防水加工も行います。


使う道具

使うのはシンプルにアクリル絵の具。
防水加工は、スプレータイプの防水塗料を買ってみた。


石膏の上から絵の具を塗ってみた場合①手描き

絵の具で単色の線を引きたかったので、鉛筆で書いた下書き線の上からアクリル絵の具を乗せてみた。
やってみて思ったのは、「図画工作の授業で作りました」感が出てしまう…。
薄く書いた鉛筆の線が結構透けるし、筆で均一&ムラのない線を引くのがなかなか難しい。

影になって見にくいが、真ん中にうっすら下書き線が透けている

何回か線を重ねてムラやかすれを直したら多少マシにはなったが、図画工作感は否めない。

ワンポイント入れたくて線を一箇所くるっとしてみたが、すごいチープな感じになってしまった…。

石膏の上から絵の具を塗ってみた場合②マステ

ということで、もう一つ作っていた石膏鉢ではマスキングテープを使って「チープな手描き感」をなくそうと努めた。

マステを剥がしてみると、所々絵の具が滲んでしまっていた。
接着が甘かったのか、石膏表面の凹凸が激しかったのか。

ただ、手描きの時よりは均一できれいな仕上がりに。
表面処理やマステを頑張れば、販売できるクオリティに近付けられるかも?と期待したのも束の間、、

防水塗料をスプレーしたらなんか変色した。滲みもひどくなった。

黄色いシミみたいなのがじわーっと…。

うーーーーーん、この着色方法、ちょっと厳しいかも…。。

机に置いてると普通に可愛いし早く植物を植えたいんだが、自作鉢は販売を目指しているので、手作り感満載な感じでは正直厳しい。

石膏に絵の具を混ぜて成形した場合

ということで、成形後に手塗りでの着色をするのは諦め、成形前に絵の具を混ぜてから硬化してみることに。

左のペットボトルに水と絵の具を入れ、石膏を投入してから攪拌。
反省点としては、均一な色を出すためには石膏を入れる前の段階できちんと絵の具を溶かし切るべきだった。
ただ、それはそれでおもしろい発見にも。

3〜4色の絵の具を混ぜたのだが、溶けきらなかったそれぞれの絵の具が小さな点になって表面に出てきたのだ。
画像だと分かりづらいかもだが、近くで見ると星みたいな感じ。
それこそラメとか入れたら星空みたいな表現になるかも。

今回は茶色の絵の具が汚れっぽくなってしまったのが残念だが、「不完全な攪拌」がランダムな表情を生むというのが分かって収穫だった。
やすりで水研ぎするごとに表面の点の位置が変わっていくのも面白い。


というわけで、石膏鉢への着色方法として現実的なのは石膏硬化前に事前に絵の具を混ぜ、鉢全体を1色で着色する方法のようだ。今のところは。

一方で、石膏という素材自体の課題も再認識。
水に弱く欠けやすいので、防水処理を施したとしても「立体物としてのクオリティ」を高く保つことが難しいかもしれない。

石膏は自然な風合いが出せることや環境負荷の少なさ、そして通気性があるという点で魅力的な素材なのだけど、いかに上手く加工するかが運命の分かれ道のようだ。
成形の難易度・再現性の観点で、ポリレジン樹脂などを試してみても良いかもしれない。

とりあえずは、今回作った防水加工済み石膏鉢に植物を入れてみて、実用時の耐水性能を見てみたい。
また、六角柱ではなくもう少し発展的な形状を作ってみたい。受け皿セットとか。
というわけで、もう少しの間石膏という素材に向き合ってみようと思う。

巷では先日デザフェスが開催されたようで、次回は8ヶ月後の来年7月。
そこまでには販売できるように状態にして、出店してみたいなあ。


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