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「グランメゾン・パリ」とジャズ
聴くだけの人、食べるだけの人
『時々思う。音楽を演奏しない人に、その音楽の面白さがわかるのかな、料理をしない人に、その料理のよさがわかるのかな、と。』
…とFacebookに書いたら、「それを言ったら、映画を作ったことがない人には映画の面白さがわからないってことになるんじゃない?」とか「スポーツやらないけどサッカーチームのサポーターです!」とコメントをいただいた。おお、確かにそうですよね!!
でも多分、自分が言いたかったことは、
「自分は音楽を聴く時、料理を食べる時、これは一体どうしてこんなによいのか、自分がやるのと大違い!でも、自分がやるとしたらどうするのか、と照らし合わせながら、その要素や、手法などなどを考えるのがすごく楽しい。自分がやるとしたらどうする?と考えない人にはその面白さは解らないんじゃないかしら?」
ということなのです。
月曜日は早めに退勤できたので土曜日「エルヴの森」のマスターと話しているうちに気になってきた映画「グランメゾン・パリ」のレイトショー見に行くことにしました。マスターも、観たいけどどまだ観てないって。
王道フレンチ
土曜日夜はエルヴの森でご飯。お客さん,自分の他はおらず。マスターとグランメゾン東京とか料理の話をして寛ぎました。マスター曰く、パリの三ツ星小林圭はもう仕事が楽しみではないくらい苦しいと言っているって。二つ星に落ちて自殺する人もいるとか。パリの身近でいつでも行けるビストロがいいんだよ、なんて。音楽コンクールも同じだなあ、ライブの集客もそうだなあ、とか。
にしても、メニューがツボ過ぎ。
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パテ・ド・カンパーニュにほんのり香るスパイス、
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パイ皮のバターが美味しいガレットデロワ。
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おおう、フランス料理!しかしメインはアジフライを選んでしまいました笑
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最高。
しかしこんなに美味いのにお客は自分だけ。めっちゃ寒かったし、正月明けだし、仕方ないなあとは思うけど、マスターが「ほんとに味がわかってて食べに来るお客さんなんてちょっとだよ。そんなもんだよ」と言ってたのに、あれれ、と思ったわけです。
グランメゾン・パリ
というわけで木村拓哉主演の「グランメゾンパリ」。
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エルヴのマスターの言う通り。料理が主役でしょ、恋愛とか、人間関係とかじゃなくて、そこがいいんだよね、って。ほんとに料理テーマと考えるといい出来だ!
そして、マスターが「小林圭が金髪にしてるからキムタクも金髪にしてるんでしょ」と言っていたけど。
まさに「kei」でした。
最後にグランメゾンパリの三ツ星の料理で登場したお花畑のサラダや、紫蘇のグラニテやエビの藁焼き…
映画が終わってウチに戻ったら23時過ぎてたけど、気になってしまってあった録画Blue ray ひっくり返して見つけた。三ツ星とる直前の小林圭の対談番組、ああ、やっぱり、見覚えが。
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エルヴのマスターに教えてあげなきゃ。
先に進まなければならない
映画の中に「すき焼きや寿司は本当に美味しい、でも、フレンチは世界の味を取り込んで進化していく、だからフレンチを選んだんだった」というセリフがあったと記憶しています。でも、それはフレンチの王道に戻る、ということに気がついた後だった。
音楽もそう。
古典(クラシック)は伝統を正しく伝えることが大事。モーツアルトを自由に演奏することはもちろん素敵だけど、モーツアルトがどんな時代に生きて、どんな場面で演奏していたのかと思いを巡らせる時、もっと面白くなる。
ジャズだって、あの時代のジャズを踏まえてスタイルを知らなければジャズじゃない。ジャズは歴史であり、手法だから。そして進化するもの。
別にジャズでなくたって素晴らしい音楽であればそれでいいし、人は素晴らしければ理屈抜きで感動する。それでいいのです。でも、作る側、演奏する側の立ち位置から、そこに現れている音楽や料理がどうやって生まれてきたかに思いを巡らせる時、さらに深い感動が生まれる気がするのです。