出国中止の手順〜羽田空港の悲劇〜
ゴールデンウィークも後半。ちょっと奮発して海外旅行という方も多くいるだろう。パスポート、航空券を持ってさあ日本を出発だあ!と思っていたら「あなたは日本を出発できません」なんて言われたらゾッとするだろう。そんなゾッとする本当にあった出国中止を実体験とともに紹介する。
詳しくはYouTubeチャンネルでも紹介しております。
2024年4月1日(月)、新年度がスタート。世間は新入社員の華やかな姿と満開の桜が咲く中で筆者は羽田空港にいた。"日帰り上海"そんな新年度に全くふさわしくない旅をスタートさせようとしていた。なぜそんなことを…?と理由を問われると長くなるので今回は割愛。
2024年5月現在、中国への渡航はビザの事前申請が必要だ。筆者はノービザで飛行機に乗ろうとしていた。なぜなら日帰りかつ、上海の空港に着いたら入国はせず制限エリア内で過ごし羽田から乗ってきた便に再び乗り羽田へ戻るという日程だからだ。なのでビザなんて野暮、飛行機に乗りすぐに日本へ戻れるだろうと侮っていた。しかし悲劇が。
航空会社はまずビザがないと飛行機には乗せないとのこと。特例でノービザの場合は中国に到着後、来た国(この場合は日本)以外の第3国へ行く航空券を持っていればノービザで飛行機に乗せられるとのこと。筆者はどちらも当てはまらず羽田空港の上海行きの搭乗ゲートで「お客様は日本を出発できません」と告げられてしまったのだ。中国には入国はしない、ノービザだがそもそも入国はしないから、などの理由は今回は通らずあっけなく飛行機に搭乗ができない結果となってしまった。そんなエイプリルフールの日に嘘みたいな本当の話があった。
さあこれから本題の出国中止の手順を紹介する。筆者は搭乗ゲートまで行き飛行機に乗れなかったため帰宅をせざるを得ない。しかし羽田空港で出国審査をしパスポートにスタンプを貰い、ましてやラウンジまで利用している。じゃあこのまま空港から出て帰らせてくれるかと思いきや意外と長い長い手続きがそこにはあった。
①出国中止の書類を作成
②出発階から到着階へ特別ルートで移動
③検疫
④特別な税関の手続き
⑤一般の到着エリアへ
まず航空券とパスポートを航空会社係員に没収される。そしてそのまま係員とともに出国審査場へ。5分くらい書類作成に時間がかかる(専用の方が作成)。次に係員とともに出発階の1つ下のフロアの到着階へ従業員用のエレベータで移動。そこは日本へ到着した乗客がこれから入国手続きをするエリアだ。当時はインバウンドの観光客がたくさんいた。しかし筆者は訳ありの日本到着なのでこれまた特別なルートで検疫を通過。その際パイロットやCAが通る「クルーレーン」を通過した。そこで先ほどの書類を提出、受理され荷物を受け取るターンテーブルのエリアへ。筆者は預け荷物がなかったためそこは通過。この後税関を通ってという流れだがここが一番時間がかかった。まず航空会社係員から口頭で「免税品の購入はありますか」と聞かれ、無いですと答えた。もしあれば消費税を払うか払わなければその場で返品という流れだそうだ。最後に税関の職員にパスポートを渡し申告する物を所持していないかの確認があるのだが、その確認をする税関職員は一般の日本到着の担当と違うようだ。よく考えると筆者は日本を出発していないためどうやら日本へ帰国(到着)という扱いではないようだ。このような人を対応する税関職員は少ないようで、その職員が来るまで20分待った。ようやくその税関職員が来てパスポートを渡しあっけなく手続きは終了。航空会社係員とともに一般の到着フロアに着き解散となった。
今思えば搭乗ゲートで飛行機に乗れないことがわかってから一般の到着エリアに行くまで係員にずっとパスポートを預けていた。というよりかはパスポートを返してくれなかった。それはそうだ。出国中止手続き中に筆者が脱走して行方不明や空港ターミナル内で生活をしてしまうと法律的に面倒くさいからだ。トムハンクスの映画でも似たようなことがあった。
いずれにせよ国際線で何らかの理由で飛行機に乗れなかった場合、それが日本を出国した後の場合はさらに複雑な手続きが待っていることがわかった。筆者のような日帰りノービザに関わらず、出国をした後にパスポートを紛失したり、出国をした後に体調が急変し飛行機に乗れないなど様々な可能性が考えられる。もしそうなってしまった時のためにぜひこの出国中止手続きが参考になると幸いである。実際に起きた羽田空港の悲劇であった。
完
※なおこの出国中止の詳細を動画でご覧になりたい方はYouTubeへ。何度でもお好きな時間にご覧になれます!
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