【ICUに興味がある看護学生・若手看護師さんへ】ICUで働くことのメリットをご紹介
こんにちは、看護師ねこです!
最近ニュースで毎日耳にする「ICU(集中治療室)」という言葉。
そこで、看護学生や若手看護師のみなさん。
ICUに興味はあるけど、
「どんなとこかわからないしちょっと怖い」
「自分に向いているかわからない」
「基礎ができていない状態でICUで働くのは不安」などと悩んでいる方、少なからずいるんではないでしょうか?
今回は、そんな方々へ向けた記事です。(※コロナは関係ありません)
特に、若いうちにICUで働くことのメリットを中心にお伝えしていきます☆
<体力面>
まずなんといっても、若いうちは体力があります!
ICUには、重症患者さんがたくさんいます。意識が悪く自分で動けない人、機器類などのデバイスがたくさん接続されていて体動が制限されている人など、ほとんど「全介助」になります。
もちろん、一般病棟でも寝たきりの患者さんもいるし、体力は必要ですが、ICUでは、大量輸液によって体重が増加したり、鎮静剤で完全に眠っていたりと、とにかく物理的に、より「重たい」患者さんが多いです。
さらに、急変なども多く、てきぱきとした機敏な動きが要求されます。
まだまだ体力のある若いうちに経験しておくと、後々役に立つことがたくさんあります。
<知識面>
一般病棟では、たとえば脳外科病棟、循環器病棟など、ある程度特定された疾患の患者さんをみていくことになりますが、
ICUでは、脳・心臓・消化器・整形・腎泌尿器などに加え、救急特有の外傷・熱傷・中毒など非常に幅広い分野の知識が求められます。
もちろん、看護師1年目でこれらの知識をすべて求められることはありません。ICUでは部署内での勉強会なども多く、ひとつずつ段階を踏みながらステップアップすることができます。
まっさらな状態だからこそ吸収力もすごいので、新人のうちに多くを学べる環境にいることは強味だと思います。
<アセスメント力>
実習で何百回聞いたか分からない「アセスメント」や「根拠」ということば。学生のときは、教科書の知識はなんとなくあっても、それが全然繋がらなくて、記録も全然進まず大変でしたよね。
ICUでは、先ほども話したように、多くの疾患を扱うのはもちろん、複数の疾患が絡み合って複雑な病態になっていることが多々あります。
なので、それらがどう関連しているのか、病態アセスメントをする能力が自然と培われていきます。
さらに、治療に対する反応が(よくも悪くも)数分~数時間単位で目に見えて現れるというのも、実践的に知識が身につくポイントと言えます。
<チーム医療>
ICUには常に専門の医師が在中しているので、医師との関わりも多いです。また、取り扱う薬剤も多いため専従薬剤師がいたり、医療機器を扱う臨床工学技師など他職種との関わりも密接です。
かなり危ない状態の患者さんが日々の介入により回復したとき
急変時にチームワークを発揮して素早く対応し救命できたとき
全スタッフが一つのこと(患者さん)に向かっているというのを肌で感じることができます。
カンファレンスも頻回に開催され、治療方針に合わせて多職種の視点で患者さんのケアについて考えることができます。
<家族ケア>
ICUへ入室する患者さんは生命の危機的状況であり、患者さんはもちろんですが、その家族もまた危機的状況にあると言えます。そんな家族といかに信頼関係を築き、精神的ケアができるかがとても重要になります。
特に急な病気(交通事故、心筋梗塞や脳卒中など)で入院になった患者さんのご家族は、現実を受け入れられずパニックになり取り乱してしまう方もたくさんいます。そんな家族の思いに寄り添い、サポートしていくのもICU看護師の大切な役割です。
ICU看護師の弱点
ただし、もちろんICU看護師には弱点もあります。
・モニターに頼ってしまう
ICUでは、いつでも異変に気付けるようにすべての患者さんに心電図やSPO2モニターがついています。異常な心電図を読み解く力や、SpO2低下の原因を考える力は養われますが、これらはモニターの数値が先行ですよね。もし、モニターが付いていなかったら、患者さんの異変にどれだけ気付けるのか、、、と私自身不安に思ったこともあります。
・一人の患者さんとの関わる期間が短い
ICUでは、ある程度状態が回復したら、次の重症患者を受け入れるためにどんどん患者さんを押し出していきます。なので、なかなか状態が安定しない患者さんは別として、結構短い日数での関わりになることが多いです。
・患者さんとのコミュニケーションが少ない
上でも述べましたが、基本的には状態が落ち着けばICUを退室するので、お話ができるぐらい元気になったころにはいなくなってしまうということです。
もちろん意識のある患者さんもいますし、全く会話がないわけではないです。また、言葉での会話だけがコミュニケーションではないので、いろんな方法でのコミュニケーション方法を学ぶこともできます。
・疾患や治療に目がいきがち(医師の目線に近くなりがち)
ICU看護師は「ミニドクター」と言われることもあるように、多くの医学的知識を必要とされます。医師との関係もより密接であるため、どうしても疾患や治療にばかり目が行ってしまいそうになったり、こなすべき業務量も多いので肝心の「看護」の視点を忘れてしまいがちになります。いかに立ち止まって考えることができるかによって、ICU看護の質は大きく変わってきます。
ICU=忙しい、大変、怖い
というイメージがあると思いますが、正直、その通りだと思います。
でも、それだけ学べることも多いし、やりがいも大きいです。
時々、ICUから一般病棟へ出て退院を向かえた患者さんが、ICUに挨拶に来てくれることがあります。私たちは、その患者さんの一番重症の状態しか見ていなかったので、元気な姿を見たときはいつもびっくりします。そして、あの時自分も患者さんと一緒に一生懸命闘ってよかったなと思える瞬間でもあります。
ICUに向いている人、向いてない人という線引きは特になく、とにかくたくさん勉強したい!!という意欲さえあれば大丈夫です。
(向き不向きはないにしても、病院によって教育体制や人間関係は異なるので、合う合わないはもちろんあると思います。)
実際に私は、最初にしんどそうなところに行っておけば後から楽かな?という安易な考えでICUを希望しました。慣れるまではかなりきつかったですが、今となってはとてもいい選択だったと思います。
派遣で働いていたときにも、患者さんや利用者さんに何かあったときある程度落ち着いて状況把握ができる自信にも繋がりました。
ICUで働くことをためらっている方。
最初は勇気がいるかもしれませんが、ぜひ一歩踏み出してみてください!
そして、体力・精神的にきついと思ったら、絶対に無理しないでください!(矛盾してるかもしれませんが、厳しい環境なので。。。)
少しでも、前向きに考えてもらえたら嬉しいです☆