読了『ブッダが教える愉快な生き方』
こんにちは、
ヒノカンです。
今日は、藤田一照さんの『ブッダが教える愉快な生き方』を読み終えました。
この本はNHK出版の学びのきほんというシリーズの一冊です。
実は、私、このシリーズにはまっていまして。
コンセプトが
インターネットの普及で個人の好みが多様化している現代では、
本の読み方、知ることの楽しみ方も「分厚い本をじっくり」から
「1テーマをわかりやすく」という方向にシフトしつつあるように思います。
そんな時代にあって私たちは、新シリーズ「学びのきほん」を創刊します。
(「創刊の辞」見開き裏ページ一部抜粋)
というもの。まさに時代に即した一冊。
そして、このシリーズでは、学びたいテーマ1冊をじっくりと語られている。しかし、延々とではなく100ページちょい。だいたい2時間くらいで読めるので、大学の特別講義を聞いている感覚だ。
値段も700円くらいでお手軽で、
ちょうど、「今度の休日暇やし、なんか学びたいからこれ読んでみようかな」
と気楽な感覚で手を差し伸べることができる。
本書は、禅宗の先生(お坊さん・・・?なのか?海外で活躍されているグローバルお坊さんなのか?)が、「仏教の学びの精神」について1冊でシンプルに語っている。
「学校的な学び(ひたすら覚えつけて学ぶ)」とは違い、仏教は、「オーガニック・ラーニング(自然と学ぶ学び)」である。
「はい、教科書〇〇ページから〇〇ページまでテストに出すから暗記してね〜」と言われて、ひたすら裏紙に真っ黒になるまで単語を書いて覚える。それが私たちの学生の時に叩き込まれた学び方だ。しかし仏教は違うと藤田さんは述べる。赤ちゃんが、自然と両親の言葉を聞いて母語を学ぶように、「知りたい」と思えるから学ぶ、そういう学びなのだという。
ブッダが、青年時代「四門出遊」(家を出て門の前で苦、病、死を見て疑問を感じたエピソード)を経験し、人間の苦しみを解決できる人になりたいと自ずから志した。ブッダがブッダになって悟りを開くまで、瞑想や苦行を行い、自分の問題が解決できる手段を選択した。
そのように、自分が「学びたい」と思って学ぶことこそが仏教で、それが重要だと本書に書かれていた。
・・・・と
ここまで書いたが、私は、仏教を学ぶことが好きではない。(は)
高校、大学と仏教校だった私は、毎週礼拝(らいはい)を行い、
テストで、「ウッダカ・ラーマプッダ、ウッダカ・ラーマプッダ」と、
何度も仏教の単語を覚えて書かされた。
なんで信者でないのに、こんなに覚えさせられるのか、不可解で、
信者にされているようで、嫌だった。
周りの学生は仏教の授業が好きな人が多く、
自分だけアウェーな感じもして、ますます嫌だった。
でも、本書を読んで、これは「学校的学び」だったと感じた。
悔しくも、本書冒頭部分のブッダの生い立ちは聞かずとも単語まで
しっかりと覚えているが、悔しくも、
「宗教を学ばされている」という束縛感よりも、
「自分がどのように行動して、どのように人と接すべきか」
という
本質的なことを学ぼうと考えたら、
「オーガニック・ラーニング」として捉えられるのではないかと。
日本は、信条の自由が許されているので、
学校は、仏教を強制しているわけではない。
仏教を学校で学びながら、日曜礼拝で教会に行ってもいい(んだよな)
そうやって、素直に、
宗教の本質的姿勢を汲み取ることで、
自分の人生と、思考に影響を与えるんじゃないだろうか。
と本書を読んで感じた。
幸せ=快感÷執着
幸せを得るためには、執着が多いと幸せになれない。
とても心に響いた一文だ。
我々は、日常生活で常に「あれしなきゃ・・・」と、「しなきゃ」に埋もれている。
私は、本を読みながら「今日、〇〇やってないやん、やってないのにこんな幸せな時間過ごしていいの?」と自分を責めてしまいなかなか読書に集中できない。
「〜しなきゃ」は執着だ。煩悩かもしれない。
幸せになることをありのままで享楽して、幸せと感じること、それが幸せの妨害だ。幸せになることは重要だ。心を安らかにして寛容になれるし、次頑張る時のエナジーになる。
しかし、幸せ享楽タイムに「〜しなきゃ」の妨害が入ると、
幸福度10得られる時間が集中できず幸福度5しか得られないかもしれない。
充実したHAPPY生活を送るために、幸せを全力で享受するための集中力が必要だ。
もしかしたら、この「自分を全力で幸せにする時間」こそが「自分を見つめる時間」なのかもしれない。
自分メンテナンスタイムか〜〜
という点が今回の感想である。
仏教!!!仏教の本!!!!というわけでなく、
学ぶための基本姿勢を考えるために、仏教の考え方を参考にしましょうというのが
本書のメインだ。
とてもゆるっと読める。
しかし
「オーガニック・ラーニング」の姿勢で愉快に学びましょうと、説明を丁寧にしてもらえるが、
そのために日々どうすればいいか、具体的に書かれていない。
これは「学びの基本」である。
ハフトゥー本ではない。藤田一照さんの愉快な生き方の考え方を知る本だ。
この本を読み、藤田さんの考え方を知った上で、どう動くか、
それは、本書の読者の受取り手自身に委ねられている。
私は、考えすぎる癖をやめようと思う。
よく、物事を行動するときに、あれこれ損得、長所短所を試算して、考えて考えまくってしまうことがある。石橋を叩いて叩きまくる。
本書で書かれてた藤田さんの何事も「受けたまーう」しか言えない修行をした経験の話。自分が「これはきつい」と思っても「受けたまーう」しか言えないのでだんだんできる気がしてきた。という話。
これを読み、何事も試算するのではなく、試算して答えが導けなくても、挑戦してみようと思えた。試算は自分の経験内でしか判断できないが、試算未知数で挑戦して得たことは、予想外に面白いかもしれない。「イエスマン」みたいに・・・は言い過ぎかもしれないが、「やってみよう」と前向きにチャレンジしていこうと思う。
藤田一照『ブッダが教える愉快な生き方』
NHK出版 ¥670+tax
公式サイト