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「神話、夜の果ての」を観てぐるぐるしていた日の話


★観劇ログ

池袋のシアターウエストにて
serial number
「神話、夜の果ての」を観劇しました。

千穐楽が終わってしまっているので、注意事項は書かずにいこうと思います。
といっても、あまりびっくり!となる演出はなくて、強いて言えば音の大きいシーンがあるくらいかなと。でも最初から最後まで重いテーマを扱っていましたので覚悟はいるかな。


内容はある殺傷事件の犯人を中心に展開していきます。その犯人は幼い頃から宗教が運営する施設で育ち…
どうしてその事件は起こってしまったのか…
物語は難しくはないけどまとめるのはちょっとむずかしい、そんな作品でした。

実際の事件や事実からヒントを得て作品制作されているserial number。
知っていても実際の生きている役者さんが演じることで、こんなにも生々しく伝わるのかと毎回ゾワゾワするのです。
特に今回は、今もなお問題視されている題材。
怖いというより気味が悪くてたまらなかったけど、それが救いで、希望の人もいる、そんな一筋縄ではいかない難しさに、観劇後贅沢な余韻を感じることができました。



私は宗教教育を取り入れてる学校に通っていた経験があり、神様が身近な友人が人より多くいるのでは…と。(あえてどことは言いませんが、察してくださいませ)
大概、学生の時点で知識がある子は親が信じていて、幼い頃から…というもの。
でも面白いことに、どっぷりの子もいれば、疑っている子もいたんです。
前者はもちろん、何があるたびに祈る。ご飯を食べる前に祈って、食べてから祈る。一番驚いたのは、部活の大会前の新幹線で祈っていたこと。
でも、私がもっとびっくりしたのは後者。
知識や経験があるからこその疑問、不信感。
プロフィール帳に好きなタイプ「この宗教以外の人」って書いていた子のことは一生忘れられないでしょう。
同じ言語、同じ宗教を信じる親の元で育っても、ここまで違う…そりゃ多様性理解難しいよなぁ。
なんてぼんやり考えている学生時代でした。

この作品の私が思う面白いところは、事件の発端は信仰ではない、というところでした。
信じる信じないではなく、母を宗教に奪われた(主人公目線ですが)憎しみや悲しみ、許せないと言った、信仰ではない人間の感情が事件のきっかけなのかなと思わされました。
だからこそ、最後に宗教に関係無い人場所の人を巻き込んで事件が起こってしまったのかなと。

★おしまい

久しぶりの観劇でしたが、帰り道、その作品のことしか考えられないほど、考える余地をくれると言うか、大きな問いを投げてくる作品でした。
せっかく高いお金を払うんだから、長く楽しめる、心に残る作品を…と常々考えておりますので、
大満足でした。

また、劇中曲の最後に、絶対音感にも似た自然にあの言葉が頭にうかぶ私にも宗教のかけらは埋め込まれているのだな、と他人事ではないことに気付かされました。
何事も良い距離感で付き合っていけますように。


またご縁がありましたら★











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