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【考える取り組み】メタファークリアレビュー

結論

 いやーとんでもないゲームをプレイしているなーとプレイ中にずっと感じていたが、その気持ちはついに変わることなくエンディングを迎えた。今回は何がとんでもないなーと思ったのかを言語化してみる取り組みです。


私について

  • 大学院生

  • ATLUSゲーが好き

  • 高校生であった2016年、ペルソナ5に触れ衝撃を受ける

  • 2016年12月のProject Re FANTASYの初報からずっと発売を待ち続けた


評価ポイント1 -UIがとんでもない-

この画面がメニュー画面でヌルヌル動く

 これがメニュー画面ですよ。こだわり抜かれたアートワークが重ね塗りされたようなUIのデザインを世に届けてくれるアトラスさん、好きです。

 
 とんでもない理由は二つあって、一つ目が見やすさとデザインの両立です。ペルソナ5の時から、スタイリッシュなUI設計はアトラスさんの十八番とも言える代物ですが、今回もやってくれましたねーありがとう。。。もうメニュー画面を動かしているだけで楽しいんですよ。

 動画のように、メニュー画面のボタンを押すと、それに付随して背景がテンポよく変わり、アートワークが出現するような仕様になっています。没入的なゲーム体験を最大化するという意味において、物語世界から浮いたメニュー画面はいわゆるノイズになり得ますが、それさえもクリエイティブの領域に引きずり込んでしまうことで、今作メタファーは物語世界とシームレスに結合させることに成功しています。

 とんでもない理由の二つ目は、メニュー画面そのものが物語の伏線として機能しているということです。いやこれに関しては、文字通り度肝を抜かれましたUIを追求し続けたアトラスの到達点の一つとも言えます。後半の展開で主人公に関する深掘りがされる中で、過去が明らかになっていくのですが、なんとその展開において、印象的なメニュー画面さえにもプレイヤーに衝撃を与えるためのアソビが隠されていたことが判明するのです。


評価ポイント2 -ルイが魅力的すぎる-

cv中村悠一、ビジュアルも良すぎるが、彼の持つ信念にやられた

 本作の最大の対立軸として立ちはだかるルイというキャラクターですが、彼の信念やそれを支える原体験などが納得のいくものばかりで、正直ガッチリと心を掴まれました

 真っ直ぐなまでの力への信念と、それを紡ぐ言葉の数々は、嘘偽りもなく彼の言葉であり、もはや彼の描く理想郷にプレイヤーである私は取り込まれつつありました。

 悪役だけど、勧善懲悪的な単純さでは片付けられないという奥ゆかしさが、物語世界を立体的に形作っているように感じます。


評価ポイント3 -幻想とは何なのか-

主人公の持つ幻想小説には、現代の我々の世界が描かれる。
つまり彼らにとっての幻想は"こちら側"なのである。

 幻想は意味があるのかという問いに対して、このゲームは真摯に向き合っているように感じる。その点を自分は最大限評価したい。

 「ゲームってなんか意味あるの?」 「そんなものしないで現実に向き合いなよ」、誰もが他人にかけられたもしくは自身に問うた言葉なのではないだろうか。

 現実世界においても、科学がもてはやされ研究費が潤う中で、文学の価値はますます軽んじられる傾向にあると感じる。そんな中で物質的・直接的な利益に繋がらない理想への想いすなわち幻想は、人間に何をもたらすことができるのだろうか

 本作はこの問いに対して、まさしくゲーム体験という"幻想"を通じて、プレイヤーである我々が一つの答えを導けるように、全てが緻密に設計されているように感じた。



 まあ一言でまとめると、とんでもないゲームを作ってくれたなという感じです。

 アトラスさん、そして本作に関わった方全員に感謝を伝えたいです。

 この作品を世に、私に届けてくれてありがとう。


 今日は以上です。

 ここまで来てくれてありがとう!

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