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2020年6月の「考える人」まとめ
6月の「考える人」の動きをまとめてみました。
河合隼雄物語賞・学芸賞発表!
6月1日、一般財団法人河合隼雄財団の主催(協力:新潮社)による「河合隼雄物語賞」「河合隼雄学芸賞」の第8回選考会が開催され、授賞作が決定しました。
第8回河合隼雄物語賞は残念ながら該当作なし。学芸賞は、小川さやか『チョンキンマンションのボスは知っているーアングラ経済の人類学』(2019年7月30日刊行 春秋社)に決まりました。
小川さやかさんには、以前「考える人」でも、このチョンキンマンションでの様子を書いたエッセイ「歓待と無関心のあいだ」をご寄稿いただきました。
記者会見の様子など、後日あらためて記事として掲載いたします。
斎藤環と與那覇潤がオススメする映画対談シリーズ、短期集中連載!
精神科医・斎藤環さんと歴史学者・與那覇潤さんの対談本『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋 』(新潮選書)の刊行を記念して、著者のお二人に、治療者の視点から、体験者の視点から、それぞれのお薦め映画について話していただきました。
すでに《「病気から回復中の人」にお薦めの映画》(前後編)、《「病気を理解したい人」にお薦めの映画》(前後編)の4本の記事を掲載。7月には《「よりよいコミュニケーション」を考える映画》という記事も掲載予定です。
話題になった人気映画も取り上げられており、「うつ」という観点から改めて観てみると、新たな発見がありそうです。
リレー書評「たいせつな本」が好評
さまざまな分野で活躍する方々に、それぞれのテーマに沿ったオススメ本をご紹介いただくリレー書評企画「たいせつな本」。
6月は文筆家・鈴木大介さんによる「『脳が壊れた人』の言葉を補う10冊」、人類学者・磯野真穂さんによる「コロナ禍を理解し、生きることの手ざわりを味わうための10冊」を掲載しました。
いずれも、今のわたしたちに深くかかわりうる身近なテーマということもあり、大きな反響がありました。
津村記久子さんによる『サキ短編集』書評を掲載
一見とっつきにくそうな世界文学を改めて読んでみる「やりなおし世界文学」を連載中の津村記久子さんが、短篇集『サキの忘れ物』を上梓されました。
「サキ」とは、『サキ短編集』に代表される短編の名手として知られるイギリスの作家です。
表題作の主人公・千春はある日、バイト先の喫茶店で客が忘れていった一冊の本を手にする。その本がまさに『サキ短編集』。この本を読み始めることで、少しずつ、でも確実に千春の人生が動き出す――。
津村さんはこの短篇を書く前に、毎日新聞夕刊に連載中の「読書日記」で『サキ短編集』への想いを書かれていました。今回、『サキの忘れ物』刊行を記念して、毎日新聞社のご協力を得て、読書日記を転載させていただくことになりました。
『サキの忘れ物』はもちろん、『サキ短編集』もぜひお楽しみください。
「考える人」連載から生まれた本が新潮文庫になりました
「考える人」の連載から生まれた、渡辺都さん『お茶の味 京都寺町 一保堂茶舖』と高野秀行さん『謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉』が新潮文庫になりました。
かたや京都の老舗茶舗・一保堂に嫁いだ渡辺さんのお茶に対する想いや京都での暮らしについてのエッセイ、かたや「納豆が日本独自の食べ物ではなかった!? ミャンマーやタイ、中国へアジア納豆を求めてさまよい、『納豆』の謎に迫る」ルポルタージュ。
『謎のアジア納豆』は試し読みもできます↓
7月の「考える人」もどうぞお楽しみに!
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