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【新連載】早花まこさん「私、元タカラジェンヌです。」スタート!(No. 908)

考える人 メールマガジン
2021年4月1日号(No. 908)

華やかな宝塚の舞台を去ったあと、どんな日々が待っているのか――
【新連載】早花まこさん「私、元タカラジェンヌです。」

「タカラジェンヌ」と呼ばれる人々がいる。難関をくぐり抜け、宝塚音楽学校に入学し、厳しい学校生活を経て、晴れて宝塚歌劇団に入団。華やかな舞台に立つために、日々たゆまぬ努力をする――。
 でも、いつか必ずその舞台を去る日が来る。
 〈宝塚を卒業した私を待っているのは、どんな現実なのだろう〉。
 自身も元タカラジェンヌである早花(さはな)まこさんが、たくさんの卒業生たちに「宝塚のその後」を聞くインタビューシリーズ「私、元タカラジェンヌです。」が始まりました。
 まずは、早花さんご自身の経歴やこの連載を始めようと思ったきっかけを「まえがき」として書いていただきました。

 宝塚がお好きな方はもちろん、それまであまり縁がなかった方も「ひとりの人間の生き方」を知ることのできる興味深い連載ですので、ぜひお読みください。

 4/6(火)には早霧(さぎり)せいなさんへのインタビュー掲載が決定。こちらもどうぞお楽しみに。

 また、早花さんはnoteも書いてらっしゃって、今回の連載開始についての記事も書いてくださいました。ありがとうございます!

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 その証拠に、とんでもない勘違いをやらかしたことがあります。 
 人選についてはいつも坪内さんにお任せで、毎回電話やお会いした時にお伺いを立てていました。
 ある日のこと。「次は長谷川『〇〇』でいきます」と坪内さんがいつもの早口で言ったそのファーストネームを聞き損じたまま、電話を切ってしまいました。「きっと長谷川伸だろう」と勝手に思い込んだ私は、後日FAXで「次回の長谷川『伸』を楽しみにしています」と書いて送りました。坪内さんからすぐにリアクションはなかったのですが、それがことのほかウケたようで、よく酒場でネタにされていたようです。「いやー、『一本刀土俵入り』(長谷川伸の代表作)を読まなければいけないと思ったよ」と。
 正解は、長谷川「伸」ではなく、長谷川「四郎」。無知をさらけ出すようで恥ずかしいのですが、「長谷川四郎」の名前を聞いたことがなかったのです。
 同様に、深代惇郎の名前もそこで初めて知りました。そのことは、坪内さんも連載で触れています。
「ミスター『天声人語』といえば、かつて、昭和三十年代までは荒垣秀雄ですが、そのあと、すなわち二代目ミスター『天声人語』は深代惇郎です。これは常識です。(略)ところが、先日、私より十八歳年下である編集者のK青年と話していたら、彼が、深代惇郎のことをまったく知らないと言うので、ちょっと驚きました。彼にとって、『天声人語』は、ものごころついた時から、すでに、今のような『天声人語』であって、かつてそれが輝いていた時代があったことを知らないのです」
 坪内さんはこちらの無知について怒ったり咎めたりすることはありませんでした。むしろ毎回、こちらの反応を試しながら、その人選を練っておられたようです。(つづく)

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