3年間付き合ったけど彼氏がフリーターになったので別れた話。 (3) 夏合宿の話。

スキをくれる皆さん、いつもありがとうございます。ほんとうにはげみになります。



さて、今晩は、二人の転機になった夏合宿の話をしようと思います。私たちが所属していたサークルは、夏になると下級生(主に私の代とその一個上の代。彼は出ていない)が出る大会がありました。だから夏合宿といっても楽しいものではなく、大会に向けたガチの練習合宿でした。

そこで私は、一個上の上手な先輩達に1人混じって演奏しなければならないことになりました。当然練習は同期よりもハード。同じ境遇の同期もおらず、たった1人で先輩達についていくので必死で、大学1年性の楽しい楽しい夏合宿は、想像と180度違ったものになりました。

夕飯が終われば、同期でわたしだけ練習を深夜までやって、1人で大浴場のお風呂に入って、先輩との実力差をまじまじと見せつけられ。初めての夏合宿を楽しんでいる同期に愚痴を吐けるわけもなく、一個上の先輩たちも大会のことで頭がいっぱいでわたしはどこにも弱音を吐けない状態でした。

そんな時彼は、大会を経験した先輩として練習を指導する立場にありました。能天気でいいな〜と彼を恨んだ時もありましたが、彼だけはわたしの辛さに気づいてくれていたようでした。部屋で楽譜とにらめっこしていると話しかけてくれ、「辛いよね、大丈夫だよ」といつも励ましてくれました。

同期のように何も考えず楽しみたいけど、先輩の期待にも応えたい。両方をうまく両立できなくて、悔しくて。誰にも伝えられない葛藤を彼だけはわかろうとしてくれていたようでした。

「○○は頑張ってるから大丈夫」

その言葉で初めて頭をぽんぽんされました。男性経験ほぼなしの芋女にはめちゃくちゃ衝撃的でしたが、それ以上に安心したのを覚えています。でもこれをされて、この男…!チャラい…!と認識しましたね。笑



そうして苦労して乗り越えた大会後の飲み会でわたしはベロンベロンに酔いました(笑)溜まっていた疲れと達成感で気持ちよくなり、宴会場で終いには雑魚寝してました。最悪ですね(笑)

日付も超えて、このまま気持ちよくねてよ〜とうとうとしていたところに声がかかります。彼でした。

「酔い覚ましに外散歩しない?」

断る理由もないし、先輩と2人になれるのは少しっていうか嬉しいし。先輩に連れられるように外に出ました。きっとこのときには同期から仲を勘ぐられていただろうなあ。今考えると飲み会2人で抜け出したら黒ですよね。


けれど!男性経験ほぼ無し当時の私にはそんなのわかりません。こんなシチュエーションも初めてです。先輩がどういう意図で私を誘ったのか、なんだかよくわからないまま、寒い夜道を歩きました。




いや〜でも少しね、思いましたよ。これってもしかして何かあるかも?って。さすがにね、先輩の意図がわからないとか言ったけど、正直この夏合宿で更に仲良くなったし?おそらくわたしのこと嫌いではなさそうだし?2人きりになったら告白とかハグとかあるじゃない?って。男性経験ほぼなしの芋女にもそれくらいは想像できました。





けれどあらびっくり、何もされませんでした。宴会場近くの湖を見ながら2人でずっと話しただけ。さすがに酔いはばっちり覚めました。何も仕掛けてこないだと…?と。その驚きで頭はずっと冴えきってました。別におしゃべりだけでも充分楽しかったんですけどね。やっぱり気があうなって再確認できたし。けれど、2個上の先輩から誘っておいて何もないってアナタ……この気持ちどうしてくれるんだ……。


大会は完全燃焼でしたが、彼との関係は不完全燃焼のまま、夏合宿を終えました。後に同期からは「あのとき付き合ったんじゃなかったの!?」ってめちゃくちゃ驚かれることになります(笑)



2人の転機だと思っていた夏合宿、こうやって文字に起こすと何も進んでないですね。けれど、私にとっては「気になる先輩」から辛い時を救ってくれた「好きかもしれない先輩」に完全にランクアップしました。しかも寸止めされてるようなもんですからね。何もされなかったからこそ、更に気になったのかもしれません。これが彼の策略だったのなら悔しいなー。 



次こそ、2人が恋人になった話を書きますね。












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