3年間付き合ったけど彼氏がフリーターになったので別れた話。 (11) 初セックスの話その2。
スキ、ありがとうございます。久々の浮上にもかかわらず嬉しいです。寝落ちして深夜の投稿になってしまいスミマセン。いつも深夜か。
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さて、目的の?初セックスを果たせぬまま、わたしは帰省しました。大学生の夏休みは長いので(8月から9月末まである)、9月の頭くらいに付き合って、1〜2週間ぐらい恋人期間を楽しんで、帰省したって感じです。付き合いたての楽しくて仕方がないときに帰省したので、それはもう寂しかった。しかも彼を拒否ってしまう変な別れ方をしてしまったし。もちろん彼は気にする素振りを見せませんでしたが、私にとっては100%笑顔でバイバイを言えたわけではありませんでした。
彼を拒否してしまったことを何度後悔したか。あの時しっかり受け入れていれば……。セックスに対して私も怖さはありましたが、それと同時に期待もしていました。ちゃんとサークルがある日はお揃いの下着を履いて。彼に愛されて、痛みに耐えながらも幸せな情事ができることを何度も想像して。それなのに私はそれ以前の問題にぶち当たってしまった。このパターンは一切予想していませんでした。
なによりも嫌だったのは、彼に処女ゆえの面倒くさい女だと思われたんじゃないかということ。1番なりたくない女に私はなってしまった。最悪でした。
帰省している間、彼からは毎朝「おはよ」とラインがきました。今日は何があったとか、なんのテレビを見ているとか、明日は飲み会だとか、くだらない話をして。お互い離れている距離を無意識ながら埋めようとしていたのでしょう。1日中ラインしている時もありました。改めて私のどこを好きになったのだとか、いつから好きになったのかだとか。そんな恥ずかしい話もいっぱいしました。
「いつから好きだったの…?」
「うーん、夏合宿の時くらいかな」
「なんで?」
「先輩に1人混ざって頑張ってる〇〇見て、ああこの子かわいそうだなって」
「え、同情?」
「いや、そうじゃなくて。どうしても貧乏くじを引いちゃう子っているじゃん」
「私は貧乏くじって思ってないよ」
「でも、1年生で何も考えず楽しみたい時期に先輩に1人で混ざるってどう考えてもかわいそうじゃん」
「まあ」
「そういう子って他人から気づかれにくいんだよね。人より頑張ってるはずなのに。その子がいないと物事がうまく運ばないことだってあるのに。だって、あのとき〇〇がいないと他に頼める子いなかったよ?なのにみんなその有り難さに気づかない」
なんだかわかる気がしました。自分が頑張ることは当たり前のポジションで、見返りを求めてやっているわけではないんだけど、けれど少しでもいいから褒めて欲しい、気づいて欲しい気持ち。確実にありました。彼はそれをわかっていました。
「うん」
「どうしても性格的にそういう役回りになりがちな子っているんだよね。俺もどっちかというとそういう人間だからわかるんだけど。〇〇もそうだったからさ。だから夏合宿で更に興味湧いた」
「そうなんだ…」
「そう、そんな感じ。〇〇あの時よく頑張ってたもんね」
緑の吹き出しのあとはよしよしのスタンプが届きました。彼とは話のノリや趣味が似ていて、だから好きになったと思っていたけれど、より本質的なところで私達は繋がっていたのかもしれない。そんな気がしました。私が18年間生きてきて、ずっとどこかで感じていた生きづらさを彼はいとも簡単にわかってくれた。もちろんずっと辛かったわけではありません。例えば、私が頑張ってそれでうまくいのなら、、と不満を飲み込むことがあったり、いつの間にか私ばっかり気を遣っていたり。そんな小さなことです。声を大にして主張するほどのことでもない。けれどそういうものは少しずつ少しずつ積もって誰かに気づいてもらいたくなります。それを彼は見つけてくれました。彼とは、簡単に言語化できるような表面的なところだけでなく、生き方だとか人間観とか、あまり口にすることのないところまで似通っていました。
「だから好きになったんだよ。わかった?」
「うん、嬉しい」
「だから俺はさ、そういう〇〇とセックスもしたいと思ってるよ」
「え」
突然で、びっくりしました。
「すきだから〇〇とセックスしたい」
「そういうのってはっきり言うものなの…」
「言うよ。他の人がどうしてるのか知らないけど。人の気持ちなんて言わないとわからないでしょ」
彼はこうやっていつも、どんどんわたしのテリトリーに侵入してきました。わたしは戸惑いつつも、彼のそういうところがまた好きでした。
「そうだね…」
「やっぱり怖い?」
「うん…」
「だよね。初めてだもんね」
「うん、ごめんなさい…」
「なんで謝るの!」
「だって…めんどい女じゃん」
「なんで?俺は〇〇が初めてで嬉しいよ。こんな会話すらも嬉しくて仕方がない」
「ええ…」
「俺はね、先に言っとくけど童貞じゃないよ。〇〇の前に2人経験した。だからちゃんとリードできるよ」
「うん、、複雑だけど(笑)」
「俺は〇〇とセックスしたいよ。というか〇〇としかしたくない」
「うん」
なんだか泣きそうでした。ずっと不安だったことを彼はすべて、大きな愛で受け止めてくれているようでした。
「別にセックスが一番重要だと思ってる訳じゃないよ。もちろんセックスだけがしたい訳でもない。けど〇〇となら、セックスしたらきっともっと幸せになると思う」
「幸せ?」
「うん、更に幸せになれる。今はいちゃいちゃしてるだけで充分幸せだけど、もっと幸せになれたら嬉しいじゃん」
「うん」
「俺は〇〇と愛を育むセックスがしたいよ」
「今もう充分育んでるよ…」
「そうだけど、手段が増えたら嬉しいじゃん。そういう意味でセックスしたら更に2人の関係が楽しくなるって思ってる」
「そうなんだ…」
「うん、〇〇とやったことないこといっぱいしたいし、〇〇をいっぱい愛してあげたい」
男性のこんな考え方、初めて聞きました。なんとなく男の人っていうのは誰とでもセックスできて、セックスさえできれば何でもいいって考えなのかと思っていました。けれど彼は、私を想うからこそセックスしたいと言い、その要因が性欲よりも先に愛にあることを教えてくれました。それがたとえ嘘だとしても、誠実さを持ってそう語りかけてくれたのが嬉しくて、ホッとして、わたしの心に引っかかっていた何かが取れる気がしました。それは、私が帰る1日前のことでした。