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機械学習という考え方

機械学習という言葉を多くの人は聞いたことはあるし、多くの人がこれがどういうものかのイメージは持っていると思います。ここでは、どのようにして機械学習という考えが出てきたのか簡単に書きたいと思います。

かなり以前からコンピュータに対して世界の知識を教えようとするプロジェクトはありました。それは、世界についての知識を人がコンピュータに対して教えるというハードコーティングによって行われていました。人工知能に対する知識ベース(knowledge base)アプローチとして知られています。
しかし、このプロジェクトは大成功には至りませんでした。もっとも有名な例としてはCyc(Lenat and Guha,1989)というプロジェクトがあります。この中で、Cycは「Fredという名前の男が朝にヒゲをそる」という話を理解することができませんでした。Cycは、Fredが電気カミソリを使ってヒゲをそっているとき、Fredは人間であるのかと尋ねました。

このようなハードコーティングがされた知識に頼るシステムは困難に直面するということは、AIシステムが生のデータからパターンを抽出することで、自分自身の知識を獲得する能力を持つ必要がある、ということを示唆しています。この能力を機械学習(machine learning)と呼びます。つまり、ネコとは〜〜という特徴を持っているなどを教えるのではなく、ネコの写真を大量に渡すことによってネコを理解させようとするものです。

機械学習の導入により、コンピュータが現実世界の知識に関わる問題に取り組み、主観的に見える判断を下すことを可能にしました。

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