WANDS「Little Bit…」は元カノの歌?歌詞を徹底解説!
どうも!WANDSマニアYouTuber金やんです!
前回の「Little Bit…」の解説に歌詞解釈まで書こうと思ったら、長くなりすぎたので記事を分けましたw
上杉さんは歌詞の評価が高いアーティストで、この曲も素敵な表現が使われていて素晴らしいと思います。
ただ、内容に関しては意見が分かれるかもしれません。
今回は、個人的な歌詞の解釈を書いていきます。
絶対に正しいというものではないので、参考程度に捉えてください。
歌詞の解釈
この曲は一言で言うと、「元カノとの一夜」を切り取った歌詞だと思います。
それでは、細かく歌詞を見ていきましょう。
1番A~Bメロ
一文目から上杉さんが得意とする「雨」を使った表現が登場します。
そして、星屑を擬人化していますね。
擬人化は「人間でないものを人間になぞらえて扱うこと」で、上杉さんに限らず歌詞では頻出の手法です。
「雨が降ったから星が隠れた」ではなく、「星屑たちが雨を凌いで姿を隠した」と表現しているのが素敵。
次に孤独な「僕」が「君」を抱き寄せています。
冒頭の一文はこの2人の状況を重ねているんでしょう。
基本的には歌詞の中で使われる「雨」というワードはネガティブな意味を持ったメタファー(比喩)として用いられることが多く、ここでもそういった意味で捉えていいかと思います。
孤独を感じさせるもの(雨)を凌ぐように、2人ベッドの中で寄り添っているようです。
ここまでだと2人は恋人と取っても良さそうですけど、サビ部分の歌詞を読むと関係性が浮かび上がってきます。
1番サビ
遠い夏に2人の影が、「漂流者=海上をあてもなくさまよう人」のように揺れている。
ここでも比喩表現を使ってますね。
そして、「あの日の決別は消せない」とあります。
決別とは「きっぱりと別れる」ことを意味するので、遠い夏を思い出すと2人の記憶はおぼろげだけど、そこに「きっぱりと別れた」事実があるということじゃないでしょうか。
つまり、2人は恋人ではなく、昔付き合っていて別れた恋人だった。
その2人が今、ベッドの上で抱き合っているというわけです。
どういった経緯があるかわかりませんが、時を経て再び出会い、一夜を共にしている。
決別した過去は消せないし、元に戻れないとわかっているけれど、今は「Little Bit=少しだけ」、心を溶かして抱き合っていたい。
そんな心情が読み取れます。
条件反射的に「別れた人と会ってまたベッドになんて信じられない!」と感じる人もいるかもしれませんけど、抑えてくださいw
主観的に書かれているので、「君」がどのような感情を抱いているかはわかりません。
ですが、部屋の中に2人でいるということは合意の上であることは間違いないでしょう。
2番A~Bメロ
「僕と君との夢の行方の答えを聞きたくない」ということは、既にその答えは出ていて、互いの夢の向かう先が違っていたのだと思います。
そして、それが別れに繋がった。
次に再度「雨」を使った表現が出てきます。
久しぶりに会った2人は、当時の思い出を語り合ったのかもしれません。
それを雨がポツポツと窓に当たる様子に重ね合わせているんじゃないでしょうか。
「雨」という1つのワードですが、多彩な言い回しで表現している点は、流石上杉さんという感じですね。
おそらく2人は嫌いで別れたというより、互いの向かいたい方向性が噛み合わなかったことで別れてしまったんじゃないかと。
わかりやすい例を出すと、そのまま付き合いが続いていれば先に「一緒になる」という答えを考えていたのかもしれない。
でも当時は好きでも、それぞれのやりたいことや夢、そういったものを優先して分かり合えなかった。
そして別れて月日が経つ中で相手の記憶も薄れて、君のぬくもりも忘れかけていたんですね。
しかし、もう一度出会ったことでそのぬくもりが蘇り、孤独に苛まれている今はそれに身を委ねていたいのです。
2番サビ
2人で過ごしていても、別れてしまったことや元には戻れないことに寂しさを感じて、ため息が溢れてしまいそうだからキスをしよう。
せめて今日だけは、今夜(イマと歌っている)だけは、別れた過去も交わることのない未来も忘れて、ひとつになりたいんだ。
少しだけでいいから…。
そして、この後に再び1番のサビが来て終わります。
歌詞全体の解釈
全体を通して見ると、「僕」はまだ「君」に対しての想いが残っていて、後悔や未練を抱いているようにも感じます。
でも、もう戻ることはないと確信めいたものがありますよね。
「君」にはもう新しい恋人がいるのか、既に結婚してしまっているのか、はたまた1人だけど何か戻れない理由があるのか。
「君」に関しては描かれていないのでどうしてなのかわかりませんが、またくっ付く選択肢はないようです。
孤独を感じているからと言って、既に別れてしまった相手を求めてもいいのか?
この点だけに焦点を当てると、否定派が多くなるでしょうねw
「僕」の行動だけ見ると、ひどく身勝手にも思えます。
ただ、「君」も受け入れているところを見ると、同じように孤独を感じていたのかもしれません。
例えば、恋人がいたり結婚をしていても、それが自分が思い描いている理想通りにいくことは少ないでしょう。(例えですよ)
上手くいかない日常に嫌気が差してしまうこともあるかもしれません。
そんな時にできてしまう心の隙間。
人は強く生きたいと思っていても弱さを持っているものですし、合理的でありたいと思っても非合理な行動をしてしまうものです。
精神的に辛い状況が続いていると、何かのキッカケがあれば、普段抑えている感情が堰を切ったように溢れてしまうこともあります。
それが身勝手で傲慢でズルい行為だとしても、誰しもが自分には絶対にないとは言い切れないかもしれません。
「僕」と「君」がどんな状況にいたのかは定かではありませんけど、それぞれが心の弱さを持っていて、その隙間を埋め合うように抱き合った。
それが空虚な愛であったとしても、今更取り戻せないと分かっていたとしても、今夜だけは全てを忘れて互いのぬくもりに触れていたかったということじゃないでしょうか。
これが上杉さん自身の体験談なのか、想像で書いたものなのかわかりませんけど、この歌詞を見る限り、人の持つ心の弱さを否定しているようには思えません。
この「僕」の行為を良いものとして描いているわけではありませんが、弱っている時に抑えきれない気持ちが溢れてしまう人間の心の動きを表現した歌詞に感じます。
それから、解説編の動画に視聴者さんから、LIVEで「心溶かして」の部分を「心重ねて」に変えて歌っているのは何故なんでしょう?とコメントを頂いたんですよね。
どちらでも意味が通るのですが、上杉さんがそこに意味を持たせているとすると…と考えてみました。
「溶かして」だと自分自身の心を溶かすといった一方向的な印象。
「重ねて」だとお互いの心を重ねるといった双方向的な印象。
2番では「一つになろう」と言っていますし、もし「僕」に「君」への想いが忘れられず強く残っているとしたら、「重ねて」を使った方がより歌詞には合うのかもしれません。
本当は元に戻りたいという気持ちがあるのに、そうできないことがわかっているから、「せめて今夜だけは」と言ったり、「今」というワードを複数回使って強調しているとも取ることもできます。
と、考えだすとキリがないのでこの辺にしておきましょうかw
まとめ
ミリオンアルバムの名バラード「Little Bit…」の歌詞解説いかがでしたか?
随所に上杉さんのセンスが光る表現がちりばめられていて、曲やメロディーと相まってとてもいい味を出していますよね。
内容についても、抽象的に表現していることで生々しくなりすぎていないので、その辺りのバランス感覚も優れている所じゃないでしょうか。
歌詞を読んでどう受け取るかは自由ですし、善悪や賛否、正解不正解を決めなければいけないものではないので、どんな風に考えるかはあなた次第です!
違った解釈している方がいれば、コメントで教えてくださいね😄
ここまで読んでくれてありがとうございました!
それでは、またお会いしましょう!
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