「吐血」と「喀血」の違いは?
こんにちは、医学生のsuiです。今回は、「吐血」と「喀血」の違いについてお話していきたいと思います。
どちらも口から血を吐くことですので、大変似ていますよね。違いが分かるようになれば、「吐血したの?大丈夫?」と心配するか、それとも「喀血したの?大丈夫?」と心配するか悩む必要がなくなりますね。(笑)
では、お遊びはこれくらいにして紹介していきます。
1.吐血
吐血とは、食道、胃、十二指腸などの消化管が出血することで口から血を吐くことを言います。
ちなみに、十二指腸より下の小腸(空腸、回腸、結腸)や大腸は口からよりも肛門から血が出てくることが多いです。
そして、とても大事なことなのですが、通常血液は赤色ですが、酸化すると黒く見えるようになります。酸化する原因としては、
空気に長い間触れる
胃酸を浴びる
といったことが挙げられます。
そのため消化管出血により口から出る血液は胃酸を浴びていることが多く、黒く見えることが多いです。
ただし、大量出血している場合は、胃酸も空気にもあまり触れず出血している可能性がありますので注意が必要です。
2.喀血
一方、喀血とは肺や気管支から出血することで、口から血を吐くことを言います。
感染症や肺癌によって、肺や気管支が傷つくことで出血することが多いです。消化管出血とは違い、喀血は胃酸がかからないため赤い血であることが多いです。
「吐血」か「喀血」かを見分けるには、正確には検査をしなければなりませんが、大まかにはこの血液の色で見分けることができます。
3.最後に~病院に行きましょう~
最後に、吐血や喀血が起きてしまった場合、病院に行くべきかどうか知りたいですよね。
吐血による疾患は緊急手術をしないといけないような病気が多いですし、喀血による疾患も感染症や癌など重大な病気が隠れていることが多いです。また、出血が止まらない場合は、いかなる場合でも生命に危険が及びます。血液が塊になることで窒息死を起こすこともあります。
これらのことから、口から血液を吐いた場合には、必ず病院に行くことをお勧めします。
ちなみに、
吐血の場合に多い疾患は、食道静脈瘤の破裂やMallory-Weiss症候群、特発性食道破裂です。Mallory-Weiss症候群は、大学生など若年者がお酒を飲みすぎてしまうことによって起こります。この場合は、止血して経過観察が多いようですが、それ以外の疾患では緊急手術が必要になるような疾患となります。
そして、喀血の場合は、結核や肺癌などが隠れていたり、気管支拡張症によって起こることが多いです。
以上、「吐血」と「喀血」の違いでした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。