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給食時の不文律に見られる文化の違いに戸惑った小学生の自分を救える話

『文化の違い』に関して、最近の世の中では強く意識されるようになりました。
様々な国籍の人たちが日本に住み、生活しています。グローバル化というやつですね。 最近はグローバル化という言葉が聞かれなくなりましたが、それは十分に進展した結果だ、と聞いた時はすごく納得しました。それが故のトラブルは、文化の違いが大きいのではないでしょうか。

文化の違いは、周囲の環境が変わる事でよく発生します。 子供の頃に味わう、文化(環境)の変化って、「引越し・転校」だと思うんです。 そんな僕は引っ越しを繰り返す小学生時代を過ごしていたので、小学校を3回転校しています。なので、母校が4つある状態ですね。転々としていました。大人になるとマイナスに聞こえるこの表現も、小学生になら可愛く聞こえますね。

転校をすると、環境・文化の違いに往々に悩まされます。 大きなところでいうと、友達ができるのか、馴染めるのか、が最たるものです。 小さいところでいうと、給食の時における文化の違いがあります。

とある小学校に通っていた時の給食時の不文律ルールに、「食べきれないものは、元の食缶の中に戻す」というものがありました。 なので、給食で残してしまう子は、その食材の入っていた食缶に残飯を戻します。 「オレンジ落としちゃった!」という人も同様です。オレンジの食缶に戻します。 このルールがあった小学校から、僕は別の小学校に転校することになります。

新しい学校はとにかく緊張します。 なるべく目立たないようにと、息を潜めて生活をします。 転校初日に何かをしでかしては、今後の小学校ライフに影響します。 というわけで、静かに1日が終わるのを僕は静かに待っていました。ちなみに、転校の経験がある人であれば分かることですが、新しい教室に入って最初にすることは、『トイレの場所を把握する』事です。

給食の時間がやってきました。 その日のメニューの中に「ウインナー」がありました。 ここで僕はやらかします。 ウインナーを一口かじった後に、机の下に落としてしまったのです。

プチパニックです。ドキドキしました。 やってしまった!こんなことがバレてしまってはいけません。 誰かに発見される前に、僕はウインナーを拾い上げました。 そして、僕は落としてしまったウインナーをそっと「元の食缶」に戻しにいきました。

これでひと段落だと思い、給食の残りをパクパク食べはじめました。 数分後、クラスの誰かが空になった皿を持ち、食缶のところに行き、大きな声を上げます。

「ウインナー余っているから、じゃんけんしよ!」

…え? 僕は耳を疑いました。当日の欠席者は0。食缶には僕が落としたウインナー1本。 しかも一口かじっています。それは「残飯」です。「おかわり」に使っちゃダメなやつです。 そんな僕の心の声は、もちろん口から零れることなく、じゃんけん大会が始まりました。 今更言えません。それは僕のお古だと言う事を。

今考えたらあれですね。誰かが一回使用していることにより価値が付加されたパターンのやつかもしれません。マイケルジャクソンの帽子や、アイドルのステージ衣装的なやつ。だから僕はタイムスリップができたら、その時の僕に「大丈夫だ。マイケルジャクソンの帽子を食缶に放っただけさ」と言ってあげたいですね。

見事じゃんけんに勝利した誰かが、ウインナーを嬉しそうにパクパク食べていました。 あの時の誰か、ごめんなさい。それ僕がかじって落としたやつです。かじる・落とすのダブルパンチです。 20年近く前の出来事に対する、時を超えた贖罪です(食材とかけています。ごめんなさい)。

 文化の違いにより、人は困ることがよくあります。 そのような違いを受け入れ、面白がる人になりたいものですね。
「そんな彼とは、今もよく会う20年来の親友です」的なオチがこういう類の話では綺麗なんでしょうけど、マジで顔も名前も覚えていません。

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